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《 しりとり名曲大全集 》 ( 第9回 ) 「津軽海峡・冬景色 」(石川さゆり) Text by MASH

2021-02-24 15:16:01 | 編集長と副編集長の名曲紹介「しりとり名曲大全集」

遂に出そう!大御所の名曲だ!

『 津軽海峡・冬景色 』 石川さゆり
 阿久悠作詞・三木たかし作曲

「ツ」とは丁度イイ!
実は先日
NHKラジオ第一で好評放送中の番組
「イチ押し歌のパラダイス」に
「石川さゆり」本人がご出演し
この歌の裏話を語っていてネ。

まあ、季節は春に向かうという・・・
そんな今なんだけれど
実に興味深い内容だったので
今日はご紹介したい。

そもそも
この日本歌謡界を代表する一曲が
LP『365日恋もよう』用の1曲!
だったとか・・・。

その経緯はこうだ。
彼女が歌手デビューから3年たった頃、
作詞家の阿久悠、作曲家の三木たかし、
そしてディレクターの矢部公啓
というツワモノたちがアイデアを集約し
アルバム『365日恋もよう』を完成させる。

その中の「12月の歌」というコトで収録した・・・
そんな「この曲」が人気となり
後からこの曲をシングルカットし
ご存知の通りの「大ヒット」となった!
と云うのだ。

時は1977年!
若干19才のさゆり!
というお話でR!

しかし、よく19歳でこの曲を歌えたなぁ・・・(苦笑)
歌唱力はデビュー当時から素晴らしいけれど、
「女の哀愁を知っている歳」
では決してなかったハズよ!

もちろん彼女のマスト・ソングだから
いたる所で聴く機会があり
最近では
「益々凄みが増している」
というのは当然の話だろう。

これこそ
「良い曲は埋もれない!」
という決定的な例であり、
「素晴らしいプロジェクト・チームは傑作を生み出す」
という定説通りなワケだよねぇ。

昨今、
そうした「裏方たち」にも
「スポットライトが当たる」
様になったことは
本当に嬉しい限りだし、今後は益々
「裏方の力がモノを言う」
そんな世の中になるだろうね!

と言うワケでシリトリは
「キ」!
今回は「予想外の名曲紹介」だったが
さあ、ハウリンメガネ!
いっちょ次は「キ」で頼むぜ!

《 編集長「MASH」筆 》
ご意見・ご感想・記事投稿は編集部まで!

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《 しりとり名曲大全集 》 ( 第8回 ) 「インターナショナリスツ 」(スタイル・カウンシル) Text by ハウリンメガネ

2021-01-30 15:25:02 | 編集長と副編集長の名曲紹介「しりとり名曲大全集」

イ。「イ」かぁ。
あの曲はいつもの路線になるし、
あの曲はベタネタだし、
はてさてどうしようかな、
とレコード棚を漁る私……
「おっ!いい盤発見!」

というわけで名曲しりとり、
今回は「イ」。
私の回答はこちら!

『インターナショナリスツ』 (スタイル・カウンシル)

「ロンドン・パンク」シーンの末期に登場し、
そのモッドな出で立ちと、
ストイックなサウンドで人気をかっさらった
そう、ザ・ジャムのフロントマン「ポール・ウェラー」。

彼がジャムの活動で得たその立場をかなぐり捨て、
ブラックミュージックへの敬愛を剥き出しに音楽をやる為に、
鍵盤弾きのミック・タルボットと二人で結成したのが
このスタイル・カウンシルであることは皆様ご存知の通り。

そんな彼らの大ヒット2ndアルバム
「アワ・フェイバリット・ショップ」
収録の当トラックはポップス、
ブルーアイドソウル寄りのスタカン
(スカタンって空見したらダメよ) の曲の中では
割とジャムに近いファストチューンなれど、
スタカンはスタカンでありジャムではない事を示した好トラック。

性急に刻まれる圧の強いリズムに
控えめなミックスだがキレのあるホーンが絡みつく!
パンキッシュかつ、モッドなビートの中で鳴らされる
そんなポール・ウェラーのギターは
ジャム時代とはうって変わってジミヘン、
ファンカデリックを彷彿とさせる
ワウの効いたファンキーな粘りのあるカッティング!
(ミック・タルボットのオルガンソロもクール!)

これらとウェラーのまくしたてるようなボーカルが
絶妙に絡み合いながら突っ走る様は
ジャムとは一味二味違う、
クールネスを伴ったダンディな疾走感に溢れている
(この人はジャム時代からカッティング上手いよなぁ。いいギタリストはカッティングが上手い、とは筆者の定説であります)。

とまあ、
この名曲しりとりで取り上げるに値する一曲ではあるのですが、
なぜ筆者が今回これを取り上げたのか。
冒頭の写真を今一度ご覧頂きたい。

「あれ?このジャケ、アワ・フェイバリット・ショップじゃなくない?」
と思った貴方、正解!
実はこの写真の盤、
「アワ・フェイバリット・ショップ」のUS盤なのだが、
そのものズバリ「インターナショナリスツ」
というタイトルに改題されている、
というか元アルバムのタイトルトラックである.

「アワ・フェイバリット・ショップ」をオミット(なんで!?)し、
トラックの順序も変更し、
タイトルトラックまで変更されたという曰く付きのアルバム、
かつタイトル・トラックなのであります。

こういうことをうちの編集長に言うと
「ビートルズのUS盤と同じだね!」
(ビートルズのUS盤も「サージェント〜」までのアルバムは全てUS独自(レコード会社の勝手ともいう)の編集が入っていた)
とニコニコしながらビートルズとUS音楽ビジネス
についての話に流れ込むのが常だが、
ポール・ウェラーもビートルマニアなので、
もしかしてビートルズのUS盤と同じような状態になるよう狙ったのかも……?
と考えるのもまた一興。

こういう曰く付きの曲を見つけられるのも、
またアナログの面白さに他ならん。
是非店頭で見かけたら「これかぁ」と手にとってみて頂きたい、
というか買え!聴け!いい盤なんだから!

というわけで、次は「ツ」!
「ツ」です!編集長!

もう頭の中では
「あれか?これか?」と
私(わたくし)予想が始まっていますが、
さあどう出る?
乞うご期待!

《「ハウリンメガネ」 筆 》

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《 しりとり名曲大全集 》 ( 第7回 ) 「クリスマス・タイム・イズ゙・ヒア・アゲイン」(ビートルズ) Text by Mash

2020-12-24 14:14:25 | 編集長と副編集長の名曲紹介「しりとり名曲大全集」

遂に前回のしりとり、
ハウリンメガネが「ZEP」を出して来た!
その結果、今回は『ク』で始まる曲!
じゃあ、今日のクリスマス・イブにちなんで
俺はコレで行こう!

『クリスマス・タイム・イズ・ヒアー・アゲイン』
(The Beatles)
Wrtten by Lennon McCartney Harrison Starr

一般には余り知られていないかもしれないけれど
ビートルズの4人で書いたとされる
「67年ファン・クラブ用クリスマス・レコード」 
の為に録音されたオフィシャル曲だ。

ちなみに、この「クリスマス・レコード」
毎年ファン・クラブの会員全員に配られていて
今では貴重なコレクターズ・レコードでR!

この67年度盤収録時には
この曲の抜粋が使われているものの
その曲全体はその昔からアナログ・ブート
(嗚呼この美しい響き・・・)
で聴けたのでコアなファンにはお馴染みだよね。

現在では目出度く(?)
一応はオフィシャル盤で聴けるので
ビートルズの正規(オフィシャル)曲
として扱われている・・・
そんな「隠れソング」でしょう。

曲はいたってシンプル(笑)
同じメロディのリフレインで
とても覚え易い。

録音が67年の11月28日というコトもあり
実験的要素も十分にあるとは言え
やはりクリスマス用。
そこは「簡単に創られている」
と言ってもいいだろう。

写真は貴重なシングル盤
「Free as a bird」
のカセットです。
レコード同様、そのカップリングとして収められ
一般の方には日の目を見ました!
(ただしカセットは2曲がA面にもB面にも収録)

今日は折りしもクリスマス・イブ。
まだまだコロナが続く中、ステイ・ホームで
こいつをゆっくりと聴くのもイイ。

ちなみに、このかせセット・テープは
当時俺が勤めていた「(株)リクルート」の
先輩女性からニューヨーク土産で頂いたモノ!
もうかれこれ、25年前のお話です。

それでは皆様、こいつで良いクリスマスを!

大御所が続いた「名曲しりとり」。
次回は『ン』の前の『イ』 だ!
来月担当のハウリンメガネ!
年明けから、バチーンと頼むぜ!

《 編集長「MASH」筆 》

 


《 しりとり名曲大全集 》(第6回)「キャンディ・ストア・ロック」(レッド・ツェッペリン)Text by ハウリンメガネ

2020-11-26 12:45:37 | 編集長と副編集長の名曲紹介「しりとり名曲大全集」

はい!名曲しりとり。
今月担当はハウリンメガネ!

前回、編集長の回答はデッドの
『トラッキ「ン」』で「ン」がついたが、
このしりとりは両者が出せる限りは
決して終わらないエンドレス・マッチルール!

というわけで「ン」の前の
「キ」が今回の頭文字である。
「キ」と聞いた瞬間、脳裏に虹色の電飾や、
Pのつくトリオやらモーターシティの5人組やらの曲
(全部わかった人には拍手)
が色々浮かんではきたけれども、今回はこれ!

『キャンディ・ストア・ロック』
レッド・ツェッペリン
(アルバム「プレゼンス」より)

はい!説明の必要もありますまい!
ロックを語る上で避けては通れぬ巨人、
レッド・ツェッペリン!

あのロッキンオン社の渋谷陽一御大もべた褒めの
『アキレス最後の戦い』
を収録したアルバム「プレゼンス」からの一曲であります。

何故かハードロックというカテゴリで語られがちな
(流石に近年では少なくなったか?)
レッド・ツェッペリンだが、
ハードロックというカテゴリだけで語るには
全く幅が足りていない。

なぜなら彼らはフォーク、ブルース、ファンク、インド、ケルト
その他諸々の要素をロックという器に盛り込んで大成したバンドであり、
特にその中でもブルースを筆頭にブラックミュージックからの引用はいとまなく、
ブルースの剽窃者という不名誉な呼ばれ方もするのだけど、
ブラックミュージックに対する憧れと様々な音楽への関心を両輪に突き進んだ、
そんなバンドだった事に異存はないだろう。

「プレゼンス」はそんな彼らのアルバムの中では
割と曲調の振れ幅が少ない。
制作時にスケジュールが逼迫していたらしく、
ジミー・ペイジが強行軍を敢行
(曰く「延期もできたが、それをすると漫然としたアルバムになる気がした」とのこと)
した為、ギター、ベース、ドラム以外の楽器はなし。
それ故に彼らのソリッドな面が強く出たアルバムとなっている。

その中でも『キャンディ・ストア・ロック』は「太い」名曲である
特に、ここでのボンゾのずっしりとしたドラム・プレイについては
「Ⅳ」収録の『レヴィー・ブレイクス』と並んで称されていいと思う。
ボンゾがドシンドシンと刻むシャッフルビートに
ビタッと寄り添うジョンジーのベースは寄り添い過ぎてドラムと一体化して聴こえ
(こういうコンビこそが"リズム隊"と呼ばれるべきだ)

ペイジのギターもリズム隊に目を配りシンプルなバックを刻みつつも
さらりとフィルを入れ、
その上で軽快さとねっとりとした魅力を行き来して歌うプラント!
(男女関係を菓子に例えたプラントの歌詞もブルースマナーでよい)。

エルビス風、とかロックン・ロールへのオマージュとも言われるが、
筆者の見立てではこの曲はファンク!
というかJBへのオマージュに他ならない。
『クランジ』(「聖なる館」収録)では
わざわざ意図的に「踊れないファンク」
をやった彼らが、
真っ当にファンクにチャレンジした結果がこの曲ではないのか。

この曲はツェッペリンがファンクネスをもったヘヴィ級ロックバンド
であるという証左であると同時に、彼らがファンクバンドではない、
という事をハッキリと表している。

ロックはブラックミュージックから生まれた子供である。
子供は親と同じ人間にはなれない。
だが、子供は親とはまた異なる人間として見事な偉業を成したのである。

そんな魅力が詰まった
『キャンディ・ストア・ロック』
というか「プレゼンス」!
前出の『アキレス最後の戦い』を含め、
良曲揃いのアルバムなので
皆さん是非アナログで聴いていただきたい!

というわけで「ク」です!
編集長!
「ク」も色々ありますからねぇ……
さあ何が出てくるか乞うご期待!

ハウリンメガネでした!

《「ハウリンメガネ」 筆 》


《 しりとり名曲大全集 》 ( 第5回 ) 「トラッキン 」(グレイトフル・デッド) Text by Mash

2020-10-29 09:06:21 | 編集長と副編集長の名曲紹介「しりとり名曲大全集」

『Trackin’』(Grateful Dead)
Written by Garcia,Lesh,Weir,Hunter

前回の終わりが「ト」だったから
やっぱり、真っ先に思い付いたのが
デッドの代表曲『Trackin'』だよね。
(写真は同曲が収録された名ベスト盤)
計らずとも前回からのシスコつながり!
だから流れもGoodでしょ?

まあそもそも、この
『グレイトフル・デッド』というバンドこそ
私の人生を大きく変えたバンドであり
『ビートルズ』で開かれた扉を
「もっともっと、その先へとドンドン進んでイイ!」
と、教えてくれた人達であり、音楽なのでR。

その有名な話に
彼らのステージにはセット・リストがなく
オープニング曲くらいだけ決めてステージに上がり、
オーディエンスの反応を見て曲を選んだり、変えたり(笑)
「自由を謳歌したそのステージング」
こそ
「人生にも当てはまる」
そんな、素晴らしい行動であっただろう。

彼らを知り、私は
「間違いを恐れず、自由になれた!」
これは
「ステージ」
でも
「私生活」
でも
「仕事」
でも
「人生」
でも
もう『全てが変わった瞬間』であり、
ホント「デッドさまさま・・・」である。

そんな彼らの代表曲であり、
代名詞的永遠の大名曲
それがこの『トラッキン』なのだ。

とにかく、この曲を語るとき
『Keep on Truckin'on』
(旅を続けりゃいいのさ!)
が全てである。

人生は旅であり、
「何があろうと旅を続けるだけなのさ!」
と歌う『哲学』が本質を捉えて離さない。

本当なら音楽には意味が有り、
「クダラネエ恋愛の歌」や「応援ソング」
には
「少女漫画」や「コバルト文庫」的
例の「甘い香り」しか漂わず
純文学に見る『あの硬派な哲学』が希薄で
いささか、それらの音楽が
「子供っぽく思えてしまう」
のは筆者だけであろうか。

「大人になりきれない」
そんな人々が多く生まれた背景には
この様な『音楽』という
『サブカルチャーの持つ本質的パワー』
が失われたからに他ならない。

また、それと同時に私たちが紹介し続ける
『リアル・ミュージックが現在、聴かれなくなったコト』
も大きな要因だと認識しなければならない。
我々メディア側にも大いに問題があろう。

なんせこの国ではデッドと同時期の
「最重要女性ボーカリスト」
『ジャニス・ジョップリン』は聴かれず
『ラブ・サイケデリコ』みたいな
ジャニスのコピー商品は聴かれている。
コレが現実であり、寂しい限りだ。

少々グチっぽくなってしまったが
デッドのパワーは、今も無限大であり
数多有る「過去のライブ音源」を聴くにつれ
『人生がカーブの連続である』と実感する。
このコロナ禍も「そんなカーブのひとつ」に他ならない。
逆にデッドを理解したら
「社会や周りに振り回されることはなくなる!」
有り難いことにね。

さて、カントリーとブルースを下敷きにした
この『トラッキン』にも
「音楽以上のメッセージと覚悟」がある。
深く深くアメリカに根付いたサウンド
『旅(人生)を続ける覚悟』
そして
『自由という価値観の維持』
我々も多いに肖(あやか)りたいものである。

そして『アメリカ大統領選挙の行方』が
大いに気になるところだ。
アメリカに自由は戻るのだろうか?

と言うことでハウリンメガネ!
次回は「ン」の前の文字『キ』!
さあ、何が出て来るかな?
諸君、楽しみに待て!

《 編集長「Mash」筆 》


《 しりとり名曲大全集 》 ( 第4回 ) 「ゴー・ウエスト 」(ヴィレッジ・ピープル) Text by ハウリン・メガネ

2020-09-24 12:22:01 | 編集長と副編集長の名曲紹介「しりとり名曲大全集」

※筆者註
今回の話はセクシャリティに関する話題を含みますが
LGBTの方々を貶める意図ではないことをご理解ください。

 

「ゴ」?
ゴ……ゴ……?
ゴ……ゴー……
ゴー・アヘッド……
ゴー・ストレート……!
「ゴー・ウエスト!」

はい!
というわけでなんだかマンガの擬音みたいな
イントロダクションになってしまったが
今回の名曲しりとりは「ゴ」ということで
ヴィレッジ・ピープルの「ゴー・ウエスト」!

日本では「ヤングマン」(西城秀樹)の原曲
としてお馴染みの「YMCA」や
筋トレ野郎どものテーマソングとなった
「マッチョマン」などで有名な彼らだが、
曲は知っていても彼らについて語る人は
今やなかなかいないでしょう!

1977年、フランス出身のプロデューサー、
ジャック・モラリによってニューヨークで結成。
メンバー全員ゲイ受けするファッション
(警官、軍人、バイカー、カウボーイ、工事士にインディアン…
インディアンファッションってゲイ受けするのかしら?)
に身を包み世に出たヴィレッジピープル。

そう、その格好からお察しの通り、
彼らはゲイ・カルチャーをテーマにした楽曲、
そしてステージングで世に出たのである!
当初はゲイクラブを主戦場として売り出された彼らだったが
当のゲイ・シーンにおいては
「ゲイを馬鹿にしている」という評価を下されてしまう。

(ただ、彼らの場合ファッションゲイというわけではなく、
メンバーの大半がリアルゲイであり、
この評価はジャックとゲイシーンの価値観の相違が原因
だったのではないかと推測する)

ところがここで挫けなかったジャック。
逆にメインストリームに向けて彼らを売り出したところ
これが全米で大ウケの大ヒット!
歌詞を聴けば分かるがパッと聴きは
普通(?)のポップス的歌詞。

しかし、その筋の人が聴けばゲイ・カルチャーの歌だと
すぐわかるという二重構造になっており、
この歌をゲイ・ファッションに身を包んだ彼らが歌うことで
一般大衆に受け入れられる良質なディスコソングでありながら
シッカリとしたゲイ・ソング!
そんなウルトラCの離れ技を
彼らは見事にやってのけたわけだ。

今回ご紹介する曲「ゴー・ウエスト」は
そんな彼らの全盛期にシングルカットされた一曲であります
(写真のベスト盤にもちゃんと入ってます)。

色眼鏡で見られがちだが、
彼らの音楽性は見事なまでに正統派のディスコミュージック!
その中でも特徴的なのはやはりメインボーカルである
ヴィクター・ウィリスを含む野郎6人による野太いコーラス!
(こういう野太いコーラスの音楽って実は少ないのだ)

「ゴー・ウエスト」でのバックは歌のないパートでこそ
派手なホーンやゴージャスなピアノがアースばりに入るが、
ヴァースに入った途端にこれらがスッと下がり、
きっちり歌(コーラス)を主役に仕立てており、
これがサビに入った際の「ゴ~ウエ~スト」という
野郎コーラスの力強さに繋がるのである…

ちなみにこの曲で歌われる「西へ行こう」というテーマ、
これが何を示しているかお分かりだろうか。
アメリカの西といえば?そう!ロサンゼルス!…
じゃない!シスコ!
そう!サンフランシスコである!

デッドをはじめとする
一連のサイケデリックミュージックの街
として有名なシスコだが、
当時のアメリカでは東海岸よりもゲイに寛容な街
としても有名だったのだ。
この歌で歌われている
「西へ行こう、ピースフルで開放的なあの場所へ」
というのは抑圧を抱えたゲイ・シーンへの
強烈なメッセージでもあったのだ。

「LGBT文化」のさきがけとも言える彼ら。
色物と言われても仕方がない一面は確かにある!
だが、確かな実力に裏付けされた彼らの音楽を
真摯に聴いてみてほしい。
彼らがそこに込めたメッセージはゲイじゃなくても
ちゃんと感じられるはずだ。

というわけで……
編集長!次回は「ト」!
「ト」です!
さあ何を出してくるかしらん……

乞うご期待!

《 ハウリンメガネ 筆 》


《 しりとり名曲大全集 》 ( 第3回 ) 「イージー・ゴー 」(オーティス・ラッシュ) Text by Mash

2020-08-28 11:29:00 | 編集長と副編集長の名曲紹介「しりとり名曲大全集」

前回「ハウリンメガネ」氏ご紹介の名曲が
EW&F「You & I」だったので、
今回は「イ」から始まる「しりとり」だ!

しかし、「イ」って、それこそ
「ビートルズ」や「ボブ」
そして「ストーンズ」「クラプトン」まで・・・
ズバリ予想できてしまうような名曲が多いでしょ?(笑)

まだこの連載は「第3回目」なので
「その辺りの誰もが知る名曲は早い!」
と勝手に私は判断させて頂いたゾ!
と言うわけで、誰も予想していない
そんな名曲を出そうじゃぁ無いか!

Otis Rush
「Eaay Go」
(Written by O.Rush)

曲紹介に行く前に、そもそも本日の主役
『オーティス・ラッシュ』氏をご存知か?

90年代には何度か来日公演もしており
筆者もライブで彼の「生ブルース」を
グイグイと味わった経験を持つが、
タフでエネルギッシュなブルースを繰り出す
「伝説の黒人ブルースマン」である。

既に故人であるが、
「幾度も口にされて当然」
と言える「ブルースマン」であり
素晴らしい「コンポーザー」「ヴォーカリスト」
そして「ギターリスト」でもある。

私もご多忙に漏れず
「ブルースブレーカーズ」
により彼を知る事となるのだから
クラプトンの「黒人ブルースへの功績」は
本当に大きく、素晴らしい仕事だと言えるだろう。

無論、若き日のクラプトンもストーンズの面々も
「ただブルースが大好きでプレイしてただけ!」
だっただけなのでしょうが、今や
「彼らやボブによってのみ大衆にブルースが流れる現状」
ですからね・・・。

ココではアルバム解説を多くは語らんが
『やっと大手キャピトルと契約したのに、
 奴ら俺の盤を出そうとしねえのさ!』
と彼は怒り心頭で語っていたものだ。

本作は71年に録音したものの
「多少ブルース・ブームに陰りが出て来た時代」
そのトバッチリを受け、なんとリリースされず!
そして「お蔵入り」となってしまった作品なのである。

作品に自信を持っていた彼は、
5年後の76年に自ら支援者を得て本作
「Right Place,Wrong Time」
を無事にリリース。
後世まで語り継がれ、
そして売れ続けている大名盤となったのである。

メデタシメデタシ・・・。 おっと、
ココで終わってはいけない!曲紹介へいこう!

その曲は『Easy Go』!
「コレぞブルースギター!」
と言えるプレイが実に気持ち良い。
そんな「インスト曲」で
テンポ良くギターを引き出してくれるバックによって
「ギター弾きとしてのお手本的インスト曲」

それと同時に
「ギターを気持ち良く弾かせるバックのお手本」
に仕上げられているのところが嬉しい。

存分にGibson「ES335(セミアコ)」の音が
スピーカーから炸裂するこの曲の悦びこそ
「ギター弾き」ならずとも「恍惚の瞬間」であろう!

「ギター弾き」なら「満面の笑顔」となり
「ギター弾き」に憧れる君なら
「羨望の眼差し」で耳を傾けることだろう・・・。

論より証拠!
盤全体がマスターピース!
この曲以外にも
「本当に素晴らしいブルース」
で溢れているので、
ぜひCDで(構わないので)購入して欲しい!

余談ですが
もちろん「新品レコード」も出ています!
大名盤ですからね!
有り難いこっちゃ!

きっと「ハウリンメガネ」氏も
「お気に入りの盤」でしょう!
と言うわけで《しりとり》次は『ゴ』!

ハウリンメガネ!よろしく!

《 編集長「Mash」筆 》


《 しりとり名曲大全集 》 ( 第2回 ) 「ユー・アンド・アイ 」(EW&F) Text by ハウリン・メガネ

2020-07-29 12:28:30 | 編集長と副編集長の名曲紹介「しりとり名曲大全集」

ハッハッハ!
編集長!「ユ」で来ましたか!
「youなんちゃら」やら「yourかんちゃら」やら
「ユ」始まりってのは
『この名曲しりとり』のお題としては
「ご祝儀Word」みたいなもんですよ!(笑)
OK!それじゃぁ、行ってみよう!

Earth Wind &Fire  「You & I 」

皆、アースはお好き?

アースの話をする人と私も久しく遭遇しないが、
ディスコ世代の「おとっつぁん」「おっかさん世代」
の方と音楽の話しをすると必ず名前の挙がるこのバンド。

名ジャズ・ピアニスト「ラムゼイ・ルイス」のトリオで
ドラムを務めた経歴を持つ「モーリス・ホワイト」
(プロデューサー兼ボーカル兼パーカッション兼カリンバ兼…
肩書多いな!うちの編集長か!)
をリーダーに「モーリス」の弟で、
ステージではクレーンに吊り上げられて宙を舞う名ベーシスト
「ヴァーダイン・ホワイト」
ファンク業界でシックの「ナイル・ロジャース」と
一二を争うカッティングギターマスター
「アル・マッケイ」
そして「モーリス」のワイルドな歌に対し、
メロウなファルセットを武器に素晴らしいコンビネーションを魅せる
そんな、もう一人のボーカリスト
「フィリップ・ベイリー」!

彼らを中心にホーン・セクションやシンセサウンドを
曲に応じて縦横無尽に使いこなす、
「ビートルズ以降の方法論」を導入した
ブラックミュージックの一つの到達点といえる彼ら。
代表曲の『September』こそテレビなんかでも使われることが多いので、
さすがにみな聴いたことがあるだろうが、
意外とそれ以外の曲は聴かれていないんじゃなかろうか。

アルバム『黙示録(I Am)』
のB面最後に収録されているこの曲は
この時期「アースお得意のポップなファンクバラード」。
切れのあるホーンで始まり、アッパーに行くかと思わせつつ、
すとん、と勢いを落とし、タイトでシンプルなリズムへと移行。

シンプルながら「タメ」と「キメ」を見事に使いこなす
そんなバンド・サウンドに「モーリス」と「フィリップ」の歌が
絶妙に絡み合いながらサビでの二人の掛け合いで
「気持ちよぉ〜く」盛り上げる!

ベスト盤にも収録されていることはあるが、
ぜひアナログ盤でアルバム『黙示録』を買って聴いてほしいなぁ!
(『黙示録』の最後にさらっと流れるこの曲で〆られるのが大変気持ちイイ)

『名曲しりとり』だから
こちらではアルバムについて多くは語らないが、
他の曲も粒ぞろいで素晴らしいんだよ!
時代的に日本盤でも音はしっかりしているし、
当時売れていた為か、中古レコード屋でもちょっと掘れば
割とすぐ見つかるはずよ。
彼らの「ポップかつ、黒い音」は
ブラックミュージック入門としても抜群!

というわけで『名曲しりとり』次回のお題は
「ユー・アンド・ア"イ"」ということで「イ」です!

さあ、編集長!
「何を出してくるの!?」
またビートルズか!
はたまた、とんでもない隠し玉か!

こうご期待!

《 「ハウリンメガネ」 筆 》


《 しりとり名曲大全集 》 ( 第1回 ) 「アイ・ニード・ユー (ビートルズ)」 Text by Mash

2020-06-25 13:34:51 | 編集長と副編集長の名曲紹介「しりとり名曲大全集」

The Beatles
「I need you」
(Written by Harrison)

早速始まった新連載
「しりとり名曲列伝」
本日は映え有る第一回!

先手「Mash」が繰り出す1手は
やはりビートルズ!

しかも割とマイナー曲と思われる
「アイ・ニード・ユー」だ!

この曲はアルバムで言うと
1965年の「ヘルプ‼︎」に収録され、
同名映画でも「イカした演奏シーン」
が登場するよね!
そんなジョージ・ハリスンの曲だ。

ジョンとポールの陰に隠れ、
この曲が世に出るまでにジョージが作曲した曲で、
ビートルズが採用したモノは僅か1曲のみ…

それがこのアルバムでは2曲も収録されていて
いよいよジョージの作品が
「ビートルズソング集にハマって行く…」
そんな好機を掴んだ名曲とも言えるでしょう!

シンプルながらジョージの声質に良く合った
その覚えやすいメロディは
やっぱり名曲揃いの当アルバムの中でも
「ジョージならではの個性」が発揮され
チャーミングな部分として
やっぱりアルバムには必須となっているのだ!

リード・ボーカルのジョージに
気の利いたコーラスを付けるジョンとポール…
そんな穏かな「good rockin‘ music」に
リンゴの強烈なカウベルが入り込む瞬間
天下の「ビートルズ・マジック」が炸裂するゾ!

印象的なジョージのヴォリュームペダルによる
ハーモニカやオルガンにも聴こえる...
そんなギター音によるアレンジも素晴らしい!

先週の「フクシマン」の記事でギターと共に
筆者が送ったギター・スコアがコレだった!
と書いてあったのを覚えておいでだろうか?

そんなワケで今回、この企画の
「オープニング曲」に抜擢したのだけれど、
実はこの曲、筆者が最初に弾き語りした
「ビートルズ・ソング」でもあって…(笑)

そう!「初心忘るべからず!」
という意味も込めている事を付け加えておこう。
何せこの新企画の初回だから、ね!

余談だけれど、
他のビートルズ曲を弾き語るよりも、
音域が狭いこの曲は割と楽に
「弾き語りをマスター」出来た!

筆者はこの曲で自信を付けたお陰で
「深〜いギター道」
に迷い込んだ気も致しますが…(笑) 
まあ「結果オーライ!」と言っておきましょう!

この曲以降、
ジョージはソングライターとしても注目され
以後「尻上がりに繰り出すジョージの名曲たち」
はビートルズ作品にとって
「無くてはならないモノ」
となって行くのでR!

ジョージの存在感が増し始めた!
そんな第一歩であり、記念すべき曲であろう。
迷わず聴くべし!そして弾き語るべし!(笑)

と言うことで「シリトリ」は
「アイ・ニード・ユー」の「ユ」!

来月は「ユ」から始まる名曲を
副編集長「ハウリンメガネ」氏が
皆様にご紹介してくれるハズよ!

期待して1カ月後を待とうじゃないか!

*写真のCDは英米両盤を収めた貴重なロシア盤 !

《 編集長「Mash」筆 》


来週より「渾身の音楽記事」を「新連載」としてスタート!さて、その内容とは?

2020-06-19 09:10:00 | 編集長と副編集長の名曲紹介「しりとり名曲大全集」

発表は毎度のごとく唐突だ!
「来週から新しい連載をスタートさせる!」
事になった!

そもそも昨今の音楽を巡る世界って
少しツマラナイなぁ…って思っていてさ。
と言うのも
「1曲1曲が昔と比べて軽く扱われてしまっている」
様に感じるのね。

「ビートルズ大好きです!」
「えっ曲は何が好き?」
「曲目知らないんです…聞き放題で流しているだけなので…」

コレって実際、筆者が経験した会話なんだけれど、
まあ「時代だよ!」と言われりゃ
「ああ、そうかい。」と引き下がることも出来る。

でも、それじゃアンさん、
「ちと哀しすぎやしませんかい?」
って所で、お馴染み副編集長
「ハウリンメガネ」とミーティング。

{編集長}
「曲にスポットライトを当てたレビューってどうだ?」
《メガネ》
「そのネタじゃあ永遠に続くじゃないですか?しかも記事が片寄りませんかねえ?」
{編集長}
「だから名曲たちをシリトリで紐解く!」
《メガネ》
「シリトリ?「ン」とか「ー」とかどうするんです?洋楽結構多いですよ?」
{編集長}
「そーいう場合は「その前の語」でイイ!」
《メガネ》
「その辺はルーズでイイのね?」
{編集長}
「そう!大切なのは俺たち書き手側が「一方的に自分の今の気持ち」で曲を選べない所に有る!」
《メガネ》
「私も書くのね?なるほど…まあヤルだけヤッテみますか…」
{編集長}
「じゃあ、決まりだ!」

というワケで、題して
「しりとり名曲大全集!」
を来週の木曜日から始めます!

書き手(しりとりメンバー)は、
もちろん、私「Mash」と「メガネ」!
そしてルールはいたって簡単!

しりとり時の曲目は
「カタカナ表記」や「邦題」で行き
選曲はノンジャンル!

もちろん基本的情報でもある
アーティスト名や原題も載せ
同じ曲でも「ミュージシャン違い」なら
何度出してもok!

さあ、ベタな名曲から
意外なアーティストの珍曲まで!
何が飛び出すか?は誰も分からん!

あれっ、コレって筆者のバンド
「マッシュルーム・ハイ」と同じよね(笑)
結局私は「予定調和」が嫌いで
「意外性」や「ヒラメキ」に飢えてるんだろうな!

読書の皆様にも
私たちが書き出す「その意外性」を
存分に楽しんで欲しい!
期待してくれてイイ!

《 編集長「Mash」筆》