「Jerry's Mash」のアナログ人で悪いか! ~夕刊 ハード・パンチBLUES~

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ハウリンメガネが縦横無尽に吠える「メガネの遠吠え!」(第37回) 俺はマニアなミュージシャン!

2024-10-05 11:03:27 | 『ハウリンメガネ』コラム集

土曜日にご機嫌よう。ハウリンメガネである。

編集長が先日書かれた記事

    ↓

https://blog.goo.ne.jp/12mash/e/13b59938ab2d15d5ef0cb881b55d4f05

書かれている内容はこちらとしても「御尤もです」というのが率直な感想。

上記の記事でも書かれている通り、編集長とは長い付き合いなので「ここまで書かなくても分かりますよね?」という感覚がどこかにあり、私もコラムでは細かい説明を省いていることが多々ある。

このところエフェクターの話ばかり書いており、読者諸賢に誤解を与えそうなので一度明言しておこう。

私はアンプ直結派です!

普段もライブでは自前のアンプを持ち込み、そこにギターを直結してセットアップ完了、というスタイルでやっている。

エフェクターをいじっているのはあくまで家でギターを弾く時のお話なのであります。

Q.じゃあなんでよくエフェクターの話をするの?

いい質問だ。

A.それは私がギターサウンドマニアだから!

外で客席に向かってギターを弾く、という行為と家でギターを弾く、という行為は似て非なるもの。

観客を前にして演奏している時の私は曲がりなりにもミュージシャンだが、家でギターを弾いている時の私はただのギターサウンドマニア!

そのマニアとしての側面が前面に出ているのがエフェクターについて書いている時の私のコラムだと思って頂きたい。

マニアは実にタチが悪い。

エフェクターを前にミュージシャンの己は「それ要る?使わないでしょ?」と言う。

が、マニアの己「うるせぇ!」の一喝でそれを退ける。

マニアはそれを使って何かをしようなどと考えない。それを使うとどうなるのかを知りたいが為だけにそれを欲する。

「アンディ・サマーズのコーラスサウンドってコーラスっぽいけどちょっとニュアンスが違うんだよなぁ……(資料を漁る)……あ、コーラスじゃないんだ。フランジャー、それもエレハモのエレクトリック・ミストレスなんだ。ふぅん……」

「へぇ、ロリー・ギャラガーってアンプ直かと思ってたらレンジマスター(トレブルブースター)使ってるんだ。ん?マーク・ボランもレンジマスター使ってんの?ほん……あの独特なドライヴ感はそういうことか……?」

「エディ(・ヴァン・ヘイレン)の音って薄っすらモジュレーション感があるんだよなぁ。でも足下のフェイザーとフランジャーとは違う感じ……もしかしてテープエコーのワウフラッターか?ふぅむ……」

私はこういった仮説の組み立てと答え合わせがしたいからエフェクターを使うのであって、彼らの音を自分の音に反映させたいのではない。

ミュージシャンとしての己とマニアとしての己はレイヤーが違うのである。

だからエフェクターの話をしている私はただのいちギターサウンドマニアでしかないのである(で、どうせだったらネタにしてしまえ、というのでついついコラムに書いてしまうワケ)。

ただ、そんなマニアとしての行為がミュージシャンの己にとってムダかと問われるとそれは否である。

「ああ、ディレイを薄くかけるとリバーブ側のミックスを上げなくてもリバーブ感が補強されるのか」

「なるほど、レンジマスターを使うと低音がばっさり削れるからベースとぶつからない帯域だけグッと前に出てくるのか」

このようにエフェクターの効果を正しく把握していれば、本当にエフェクターが必要なシーンに遭遇した際に、迷いなく必要なペダルだけを導入できる(『使えるけど使わない』と『使い方がわからないから使えない』は雲泥の差である)

さらに言えばこういった知識を実体験で理解しているとエフェクターを使わなくてもサウンドメイクが変わってくる。

例えば前者。

リバーブ感を強調したい時はアンプ側のリバーブの量を上げるのではなく、リバーブに突っ込むインプットレベルを上げてやればいいことに気づく(具体的に言えばギター側のボリュームを絞った状態でアンプのリバーブが薄く聴こえる程度にかけておき、ここからギター側のボリュームを上げてやればリバーブの音量も上がるためリバーブ感が強調される)。

例えば後者。

バンドでベースの音と被ってギターの抜けが悪い時、思い切って低音をばっさり削ってしまっても、バンドアンサンブルでのギターのオイしい帯域には実は影響しないことに気づく。

こういった経験知はマニアとしての己がなければやはり気づけなかったであろう、と考えるとマニアとしての己とミュージシャンとしての己はレイヤーこそ違えどやはりリンクしているのである。

私も昔散々やらかしたから分かっているが、マニアというのは導入した機材をすぐに実戦投入したくなるものである。

だがそれは己の欲求が前面に出た状態であり、観客に何をどう届けるかという視点が抜けた状態である。

前者がない音楽は面白味に欠け、後者がない音楽はただの独りよがりに過ぎない。

肝心なのは内へと深く潜るマニアとしての己と、外へ何かを伝えようとするミュージシャンとしての己の切り分けと同居の匙加減である、と結論したところで今回はここまで!また次回!

<ハウリンメガネ筆>

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