12の楽しみ!

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常念岳 後編 2020-10

2020-10-29 11:43:37 | 

時間だ。三俣への下山を決めて小雨の中、常念小屋を出発する。

 

 

歩き始めるが強風にあおられる。テント泊ならどうなるかと言う風である。昨日降りて来たガレ場を一歩一歩登る、バランスを崩すとそのままコケそうになる。時に耐風姿勢を取るほどの突風が吹く。

 

 

常念乗越と言うぐらいだから西からの風が乗越超えて東へと流れていく。ガスと言うか雲は、穂高連峰に沿って流れてくるように見える。多分今は、どの峰も強風だろう。視界があるだけまだましである。

ガスの切れ間に見える青空。風強し。

 

 

何とかガレ場を登り、常念岳頂上への分岐に来た。天気が良ければ槍や穂高をバックに記念撮影するつもりだったが、見上げる頂上は完全にガスの中。時折り人影が見える。上はさらに風が強い。登っても仕方ないのでそのまま前常念に向けて下山を開始する。

 

ここを登れば頂上だが、ガスの中。

 

 

雨はすでに止んでいるが雲は次々に流れてくる。下る方向には山並みが見える。振り返ると雲が勢いよく流れていく。蝶ヶ岳への稜線はずーっと雲の中。もし向かっていても何も見えないガスの中を歩くだけだった。気象、自然のダイナミズムを肌で感じながら歩いてい行く。

 

道端に赤と白の奇麗なコントラスト。白いのはミヤマハナゴケか。

 

強風の中に何か鳴き声が聞こえる。『もしや、ライチョウ⁉』と思うが姿は見えず。そのまま歩き、常念岳を振り返る。ガスの切れ間に頂上現れたと思った瞬間また雲の中。カメラ間に合わず(笑)。

 

 

何気に岩場に目を向けると岩の上にちょこんと何かいる。

『ライチョウだ!』よく見ると少し離れた岩にも1羽。岩影にも1羽と全部で4羽のライチョウがいる。家族?つがい?しばし観察。もう少し近くで見ようと下りてきた道を引き返す。驚かさないようにそっと近寄る。保護鳥だけに人を見ても逃げない。

 

これはメス。

 

 

目の上が赤いのがオス。

 

岩と同じ模様で見分けにくい自然の不思議。

 

ひとしきり観察を終えてそろそろ出発と思って歩き出した時、足元に羽根を見つけた。今、ライチョウは冬毛に生え変わりの時期。その1枚を見つけた。嬉し。蝶ヶ岳には行けなかったけどライチョウに会えた。悪天候も『雷鳥』と言うぐらいだから、ライチョウが出てくるきっかけだと良いほうに思えてきた(笑)。素敵な時間をありがとう。

前常念をバックに1枚。

 

雷鳥

 

 

勝手にライチョウ岩と命名。似ていると思うけど(笑)。

 

 

心配していた岩の濡れは雨が止み強風ですっかり乾いている。風にあおられないように気をつけながら進む。風は場所によっては微風になったり強風になったりしながら相変わらず吹き続けている。

常念乗越の道は、今年開通したばかりの新道。

 

 

岩場を下っていくと登ってくる登山者もいる。前線去った明日は良い天気だろうな。周回はまたの楽しみにとっておこう。

 

 

岩場を降りたところで、軽く腹ごしらえ。昨日の水筒のお湯はぬるくスープ春雨に使ったが芯が残る触感。ひと手間かければよかったとコーヒー用にバーナーを出して湯を沸かす。時折り強い風が吹くので色んなものを飛ばされないようにしていたのだが、コーヒーを入れているとき一瞬吹いた風が食べかけのアンパンを転がしてその袋を持ち去ってしまった。あっという間に空高く消えていった。『ああ、ゴミに・・・。』次回は気をつけよう。罪滅ぼし⁈に抜け落ちたストックの石突を拾って帰った。

雲が湧く

 

熱いコーヒーを淹れて、満足。常念岳とサヨナラだ。後は樹林帯、ここを下れば終わり。樹林帯に入れば風はない。カッパを脱ぎストックを出す。最後にコケないように気を引き締めて無事下山。木の根っこは登りより下りの方が大変だった(笑)。

 

何とも言えない自然の造形。

 

 

またもガスに包まれる。水墨画風。

 

なんとなく常念坊(笑)。

 

一部が切れたけどライチョウの羽根。

 

周回はできなかったけど、いい山旅だった。次回は青空で楽しみたい。😀