最終回は『志』です。
上部分がグッと右肩あがりになっているのに、安定感がありますよね。
二画目の縦画と『心』の二画目がその役割を担っているようです。
でも他の部分で大いにその役割を果たしているパーツがあるのです。
それには後ほど触れますね。
さて、『士』の一画目と三画目の横画は、入り方と線質が違います。
一画目は中鋒ですが、三画目は筆の側筆を使って少し早めに書きましょう。
ここでは滲みの差で、緩急差を表していますね。
角度も違えています。
上手く平行線を書けませんでした〰
一画目は『志』の中で一番長い横画なのでトメ下げています。
先日述べたルールに従えば、三画目はトメ下げないはずですが、何故か若干トメ下げています。
ん?
これは例外なのか?
そうではありません。
ここが、先述したこの『志』の安定感のパーツなのです。
ここまで右肩に上げた三画目を止め下げないで放置した場合、いくら『心』の最終画を右上にあげても、そこに開いた空間を抑えることはできません。
抑えたとしても、今度は『心』のバランスが崩れてしまいます。
『心』のバランスは、今までお稽古してきた『心』バランスどりと同じ法則です。
『心』単独で成立しますが、『士』だけでは成立しなさそうです。
その他含めて、『志』のポイントを一気に示してみました。
上下のバランスが絶妙な『志』だけに、それぞれの位置にズレが無いことはもちろんですが、そこに緩急をつけて、崇高な志を表さなければなりません。
ご自身の『志』をまとめ上げる良いキッカケになれば、競書の神様も大喜びしてくださることでしょう(^○^)
さて、二月後半ぐらいからは『かな課題私的考察』を始める予定です。
お楽しみに〰