『は(者)』あたりからかすれ始めるような墨量を掴みましょう。
これはもう、描きまくって掴むしかないのですが、『行』を書き終わって墨量が多いようなら、硯のはじあたりで少し筆先の墨を落として書くのも裏技です(笑)
『ん』が、二回出てきている事が、気になりませんか?
なりますよね。
同じ形を避けるために、変体仮名を使ったり、書き方を変えて形を変えるのがお約束ですが、この作品ではあえてほとんど変化をつけていません。
それだけに、違いをつけて書いていただきたいところです。
筆先を開いて書いた最初の『ん』と、開かずに書いた『ん』の線質の違いは一目瞭然ですが、それ以外どこが違うかと言うと、
角度と湾曲あるなしが大きく違うポイントでしょう。
転折してからの長さも違いますね。
戻りも下がってきた線に重なるように書いた最初の『ん』と、間を開けた『ん』の違いを書き分けましょう。
『と』を、拡大してみました。
運筆はこんな感じです
小さいので見落としてがちですが、筆先きかせて書きましょう。
全体を見ると、先述したように二つの『ん』が呼応していますが、実は『は』と『行』、『言』と『す』も呼応していることがわかります。
その絶妙な響き合いに、心も震えてしまいますね!
『る』を拡大してみました。
『す』で丸め、『る』の頭は少し押し込んで筆先きかせて転折し、最後はおさめるようにとめると良いでしょう。
渇筆状態ですから、筆速をゆっくりさせなければ、墨が筆先に下りて来ません。
『す』の丸めたところからは、それまでよりゆっくり書くことが肝心です。
次回は『今年かな』です。
お楽しみに〰