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全国一般東京東部労働組合の記録

阪急交通社第1回団交

2014年01月14日 12時59分40秒 | 添乗員・旅行業界

(団体交渉に臨む組合員・弁護団)

長時間労働の実態を直視しない阪急交通社
「労働時間の把握・管理は困難」と強弁

1月10日、東京・八重洲の会議室で東部労組HTS支部と派遣先阪急交通社との第1回団体交渉が行われました。在職の派遣労働者で組織する労働組合が、労働条件の改善を求め派遣先と団体交渉を行うのは非常に画期的なことです。
派遣先の団体交渉応諾義務をめぐり争われていた行政訴訟の判決(昨年12月5日)と、同日の緊急命令認容決定を受け、12月16日、阪急交通社は「緊急命令に基づき、労働時間管理についての団交に応じる」と回答してきました。その結果、1月10日、ついに派遣先会社との団体交渉が実現したのです。

■これまでの経過
・12月5日判決と緊急命令
http://blog.goo.ne.jp/19681226_001/e/f726874ffe21f82de212bf144e1bb153
・阪急交通社の回答
http://blog.goo.ne.jp/19681226_001/e/e56d42a074a8b1a27270b3a3a622ba4a

当日の団体交渉には、阪急交通社から立花 執行役員、関 東日本営業本部統括部長、飯坂 営業統括本部業務課長の3名と派遣元阪急トラベルサポートの代理人でもある伊藤隆史弁護士が出席。組合側からは菅野 東部労組本部委員長、HTS支部大島組合員、庄野組合員、香取組合員、そして弁護団より棗一郎弁護士と松浪恵弁護士が出席しました。

冒頭、阪急交通社に対する「要求書」(下画像)を菅野委員長が読み上げ、会社に渡しました。
この要求書に基づき、組合は阪急交通社の回答を求めました。

 

組合が求める「労働時間の把握・管理」とはすなわち「長時間労働の抑制・是正」です。阪急交通社が企画・催行するツアーが長時間にわたるものであれば、それだけ添乗員の労働時間も長くなります。そして現実に添乗員の労働時間は長時間になり、健康被害も懸念されます。そうであれば、ツアーを企画する=添乗員の労働時間を決定している阪急交通社こそが、添乗員の労働時間を把握・管理し、長時間労働の抑制・是正に努めるべきです。

要求書に対する阪急交通社の回答は驚くべきものでした。
「事業場外の労働なので労働時間の算定・把握・管理は困難」と言うのです。そして、「今日の団体交渉はあくまでも『労働時間の管理』が議題であって、『長時間労働の是正』は議題ではない」とも。さらに「添乗員の労働が長時間労働ということはない」「添乗員の裁量で短くすることもできる」との趣旨の発言も飛び出しました。

組合は強く抗議するとともに、実態を直視するよう訴えました。組合員が当日持っていた日帰りツアーの行程表を交通社に突きつけました。その行程は明らかに「長時間労働」前提のツアーでした。また、「長時間のツアーが連日に渡っている。交通社が添乗員の労働時間を考慮したツアーを企画するべきではないか」との声も組合員から上がりました。

しかし、交通社・伊藤隆史弁護士は「なぜ事業場外みなし労働が適用されるのか」=「労働時間の把握・管理・算定が困難なのか」について、裁判所・労働委員会で繰り返してきた主張を延々と披露し、話をそらそうとします。「事業場外みなし労働」の適用についての主張が裁判所・労働委員会でことごとく退けられているにもかかわらずです。「どうしたら添乗員が安心して働けるか」という観点がまったく欠けているこの不誠実な態度には、棗弁護士、松浪弁護士も怒りをまじえながら強く抗議しました。

この日の団体交渉で、阪急交通社からは具体的な回答がありませんでした。しかし、派遣先阪急交通社との団体交渉はこれで終わりではありません。2月中旬に開催を申し入れた次回以降の団体交渉で、組合は長時間労働を是正・抑制するための労働時間管理の方策について交通社に対し具体的施策を提示し、その実現を求めていきます。

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