るるの日記

なんでも書きます

福田和子・実況見分

2021-09-05 20:05:05 | 日記
8月17日実況見分
体育館にて事件当日の部屋を作る
被害者と同じ体格の婦警と、事件当日を再現し、撮影をする
刑事、検事など二十数名が、腰縄手錠の福田和子を囲んで、その一挙一動を見守る

1
ソファーに被害者を想定した婦警が、足を伸ばして座っている。その後ろから、首に紐を巻きつけるところで、福田和子の手が止まる

2
辰巳検事
和子の傍らにすっ飛んで来る
「福田さん、帯締めの位置はここですよ」と、婦警の右横の首を指し促すが、和子は躊躇する

3
刑事部長
「思いだしとるとこまでで、えーぞぉー」

4
辰巳検事
憮然とする

5
和子、被害者殺害後、テレビの前で座りこみ号泣を再現

6
辰巳検事
「あっ、そこ!そこの泣いているところを撮っといて下さい」

6
ソファーの上で、婦警の体を毛布で包む

7
辰巳検事
事務官に「できた!できたゆうて、書いとけぇ!」
【しかし、この時の実況見分の写真は、裁判所に提出されず、公判前に弁護士の要請で提出された】

8
辰巳検事
「あなたと被害者とでは、グレードが違い過ぎませんか?彼女は亜米利加亭でナンバーワンのホステス。あなたは亜米利加亭ではあまり客がいなかったんでしょう?」
(わざと挑発?)

9
和子、憤慨
「蓼食う虫も好き好きです」

辰巳検事
「怒りましたか?」と面妖な笑み

和子
口を真一文字に結ぶ

辰巳検事
「お付き合いしていた萩原さんには、婚期の遅れた良家の娘と嘘をついてたんでしょう?そして、高井はつ美だと偽名を使っていた。これは荻原さんに見栄を張っていたんじゃないんですかぁ?」

和子
愕然

■エリート検事に夜の世界の話をしても理解していただけるのかしら?
偽名高井はつ美は、M市で働いていた全ての店で使っており、萩原のために特別に考えた訳ではない。水商売で女が年のサバを読むことは、そんなに珍しいことじゃないでしょう。容色の衰えかけた女の必死のつま先立ちです

検事さんて二重人格じゃないの?



福田和子と辰巳検事、、検事ってそこまでして加害者から真実を引き出すのね、と感心した

2021-09-05 19:20:49 | 日記
■辰巳検事
「あなたがこうして僕の目の前にいるのも運命です。だから僕を信じて、僕に身を任せなさい」

■辰巳検事
いきなり、和子の両手を握る

■和子
のけぞる

■辰巳検事
顔を紅潮させ、握った両手を思い切り振る。思い切り両手を握る

■和子
告白する
「検事さん、実は今日、死のうと思っていたんでしそ。今日16日はお盆で帰って来た人が、またあの世に帰る日とか、、私も連れて行ってくれたらと思い、、、」と、心の内を開き、睡眠薬3錠、遺書、ナイロン袋を提出する

上申書
【検事さんの言葉で目が覚めました】

■辰巳検事
「あなたは、どうして、共犯者だと言って羽賀の名前を出したんですか?」

■和子
「羽賀の名前は、刑事さんから言い出したのでしょ、、?そう本当のことを、書いとって下さい」
「共犯者がいると疑ったのは、刑事さんだけじゃなく、検事さんもでしょう!ちゃんと本当のことを書いてください!」

■辰巳検事
「いいでしょう。僕のことも書きますが、あなたのことも書きますよぉ」

■和子
「かまいません!」

【刑事さんや検事さんの疑いを利用して、共犯者がいるように言い、罪から免れようという考えがあったのです。したがって、嘘をついたことは私だけの責任じゃありません】
調書の後に添付された

★検面調書
【被害者を殺害したのは自分ではない】

【犯行当日、被害者の態度に腹を立て殺害した】

■辰巳検事憤慨して帰る

★員面調書
【犯行当日、被害者の態度に腹を立て、被害者の首を帯締めで締めで締めつけ殺害した】



福田和子・15年前の記憶は曖昧?記憶にございません作戦?

2021-09-05 18:49:30 | 日記
■8月9日
※緒形刑事
「カー子(福田和子)、彼女は美人やったのぉ」

沈黙後、被害者の遺体の写真を和子に投げつける

「よぉ見てけぇ!お前がこんなにしたんやけんのぉ!お前こんなにしといて、まだ違うゆうんかぁ!よぅ見てみぃ!お前がしたんぞぉ!素直に認めてぇ、すいませんゆうてのぉ、わしは1年でも2年でも軽してもろた方がええとええと思うがのぉ」

■8月10日
※福田和子
「、、全部認めます」
※辰巳検事
「あなたねぇ、人の家具なんか欲しくないでしょう!僕は信じませんよ。僕はね、あなたを救ってあげたいと思っているんですよぉ。僕の手を握りなさい!五十女の手を握りたがる、もの好きもいるんですからね」

※福田和子
「検事さん、ほんとに私1人がしたんです。どうか早く起訴して静かにさせて下さい」

■8月12日
※福田和子
全面的に認める
【当時、特に厳しい取り立てがあった訳ではありませんが、自転車操業的に利子を入れていた状態でした。私は彼女を殺して現金や家財道具を奪う計画を実現するために、従姉妹に、サラ金から100万円位借りてもらい、そのお金でM駅近くのBマンションを、保証人には付き合っていた荻原さんに頼み、私が当時使っていた偽名高井はつ美で借りました。私は彼女がいい家具を持っていることを知っており、それも奪い取る計画も立てました。私は荻原さんに見栄を張り、讃岐の料理店の婚期の遅れた独身娘を装おっていたので、つじつまを合わせたかったのです

※緒形刑事
「カー子(福田和子)、彼女の部屋に入ったのは2回目やゆうとったのぉ。お前彼女の鏡台見て、どう思ったぞ?」

※福田和子
「鏡台?素敵や思たよ」

【彼女の鏡台を見て、うらやましく思いました】

「ちょっと待ってよぉ、素敵やゆう意味は、賛辞の意味よ。違うじゃない」

※緒形刑事
「阿呆!同じこっちゃあ」

※奥田弁護士
「間違ったところに署名してはいけませんよ」

※辰巳検事
「あなたねぇ、弁護士とは今日会ったばかりでしょう?僕とはこうして、何日も顔を合わせているんですよ。一体どっちを信じるんですか?今は僕があなたの弁護人です。僕を信じて、僕に身を任せなさい」

■8月13日
殺人の共犯者もしくは主犯を供述させたい

緒形刑事

「被害者のマンションに行った時、男が出てきたゆうとったのぉ。お前ひょっとしたらその男を羽賀と間違えとらせんのか?その男に羽賀やゆうて騙されとるんじゃないんかぁ(羽賀はアリバイあるので)?彼女にも何人かの男はおったようじゃけんのぉ。カー子よぉ考えてみいや」

「お前、まさか旦那やなかろぉのぉ!萩原さんか?美香か?一体誰や?もう時間がないんじゃ!」

福田和子
「沢口、、、」

辰巳検事
「美香さんじゃないんですか?」

■8月14日
福田和子
体調崩し、取調べなく、泣き沈む

■8月15日
福田和子
「調書に書いとって下さい!私が何故にげたのか、、そうじゃないと押印しません」

【私は拘置所には行きたくないと考え、逃げ出したのです】と調書の後に添付される

緒形刑事
「カー子、どんな弁護士さんが来てくれとるんぞ」

福田和子
「児玉弁護士と奥田弁護士」

緒形刑事は和子を凝視し取調室を出て行く

■8月16日
計画的か?衝動的か?の取り調べ

福田和子
「嘘じゃないんよぉ。おぼえてないんよぉ」

緒形刑事
「カー子、旦那や従姉妹の旦那が嘘つく訳なかろ、、?ほんならお前、借金も払わないかん、マンション借りたい、マンション借りたら家具も欲しい思て、妄想でも抱いとったんか?妄想抱いとって引っ越しを頼んだんならつじつまが合う。お前がそんなに違うゆうんやったら、調書に書いとってやる。ほやけどのぉ、起訴するかせんかは検事さんが決めるんやけんのぉ」

立証趣旨
【人から奪ってでも家財道具を運び入れたいという妄想を抱いていたところ、被害者を殺害後、その妄想を実現することにし、家財道具を運び出した宗、弁解している】



福田和子と亜米利加亭と花ちゃん

2021-09-05 16:24:41 | 日記
■亜米利加亭
石油会社の重役を1人挟んで
和子と花ちゃんが座り、花ちゃんは手慣れた風にマドラーを器用に回す。客に以前はどこにいたのかと尋ねられると「武蔵にいたのよ」と答え、和子に水割りグラスを渡す時、小首をかしげて白い歯を見せた

階下に降りて、重役達のお見送りをしていると、酔った重役の1人が和子の左腕をつかみ、迎えの車に引きずり込もうとすると、花ちゃんが「だめよぉ」と和子の右腕をつかみ、背後から抱きすくめた

和子が「ありがとう」と長身の花ちゃんを見上げると、笑い顔がダリアの花だった。「小巻ちゃん(和子の源氏名)はO市から通ってるんだってねぇ。一度遊びにいらっしゃいよ」と花ちゃんは和子の顔をじっと見た。「色、白いね」そう言うと、花ちゃんは細い指で、和子の肩までの髪をかきあげて、耳の後ろにかけた

■店に萩原からの電話がかかり、一方的に呼び出され、店を早退して駆けつけると、萩原は言った
「あんたなぁ、あの店売春しとるの知ってるんかぁ」

「まさか、嘘」つぶやいた和子
売春、、美香と花ちゃんの顔が交互に浮かんだ

そういえば、自分の顧客に店を移ったことを電話して店の名を告げると、みな「亜米利加亭、、?」と怪訝そうな声をだしたような

それから店の客を観察した。大半がマスターの馴染み客のようだ。売春、、まさかねぇ
マスターが和子に言った
「西山部長にフィリピンの女の子を世話したいんやけどな」
(なんだ、売春の話しはフィリピンの女の子のことか、、)
「どうぞぉ、私の彼氏じゃないもん」

■3月下旬、マスターが
「小巻さん、あのお客さん、今までどの女の子をつけても駄目やったんよ。小巻さんどう?5万円あげるよ」、、、

やめよう、、

4月2日開店前のミーティング
ナンバーワンは花ちゃん
和子はスリー

給料を貰って階段を降りていると、後ろから花ちゃんが和子の肩をつかんだ。「花ちゃん、私お店をやめるかもしれない」「どうしてぇ、がんばったじゃない、、とにかく、一度マンションにおいでよ。ねっ!真っ直ぐ行って左の角よ。わかった?」
花ちゃんは腰をかがめてマンションの方角を指差し「ねっ」と言うように和子の顔を覗きこむと、手をふりながら小走りに消えた
和子はこの日を最後に、黙って亜米利加亭をやめた



福田和子と、被害者花ちゃんの出会い

2021-09-05 15:47:50 | 日記
福田和子が被害者と知り合った「亜米利加亭」は一流店
木製の重厚な扉を押すと
応接室とクロークが並ぶ
右手フロアにグランドピアノ
左右にC型の10人掛けのカウンター
洗練されたホステス8人
マスターは夜の顔役

3度目に亜米利加亭へ行くと、友人の美香が店を辞めてキャバレーに移ると言う。「なんでぇ?」と、改めて店内を見渡すと、客筋は悪くない、、ゆらりと和子の闘争心がうごめいた。「じゃあ、私を紹介してぇ」

またトントン拍子に話しが決まり、3月より勤めることに
源氏名は小巻
日給1万円
同伴客、予約客の売上の20%バック
腕次第で高収入

和子は入店当日から、西山部長の同伴、予約が毎日あり、売上トップを走っていたが、1週間目、トップが花ちゃんに移った

花ちゃんは長身で30歳過ぎ
同僚はやっかみ半分で
「あの娘はねぇ、ママのお気に入りよ。何かあると花ちゃん花ちゃんゆうて、お客つけとらいねぇ。月百万くらい稼いどるらしいんよ。だいぶ貯めとるゆうて、自分でも言うとらいねぇ」
改めて花ちゃんを見ると、ママの女王のような派手さに比べ、彼女はうつむき加減で、黒のシンプルなワンピースのせいか、どこか暗い印象だった

その花ちゃん
このホステスが
被害者です