るるの日記

なんでも書きます

加賀大名料理を再現【かつお出汁をひく】かるき甘味は旨味

2021-09-15 15:33:51 | 日記
【出汁は宜しきかつおぶしを、上皮けずり捨て】
これは血合いの部分を取ること
力強い味わいではなく、上品な出汁になる

【かつお一本分に、水は一升一、二合ばかり】
現在ではありえない割合だ
今回は水1リットルに、かつお半分の鰹節を使って出汁を引く
「料理の栞」の半量だが、現在の出汁の引き方の約8倍である

【水をよくかへらかし、煮えかえる中へ一本分のけずりを入れ、二かえり、三かえり煮えかえる時に手早にこし、さまし置くなり】
煮えかえる湯の中へ、削った鰹節を入れ、再びわいてグツグツしてきたら手早くこす。煮すぎてはダメ
二重のこし器を通り抜けた出汁は琥珀色。色だけで濃厚さが伝わる

味は、、ほんのひとしずくにもかかわらず、口元に運ぶととても良い香りが。口に含むと甘い!!
濃厚だが、後口がスッキリして、口に残らない

【さっと煮てかるき出汁は初めにはかるき甘味あり】

【かるき甘味】とは、これか!旨味は甘味だと実感する。口中だけでなく全身に行き渡る

時間の経過と共に酸化して、出汁の味は変わる。酸味が勝ってくるのだ。これはあくまでも出汁。料理はこれからである

庖丁の義【鶴庖丁・鯛庖丁・鯉庖丁】

2021-09-15 15:00:18 | 日記
加賀藩主前田家

■年頭庖丁の義【鶴庖丁・鯛庖丁・鯉庖丁】
鶴は年内前に大阪より取り寄せる
鶴は塩漬けのものである
年始に【三面の俎(まないた)】といって、三人の庖丁人を選んで
鶴・鯛・鯉を庖丁する

大俎を御前に据え
庖丁人は烏帽子・素袍(すおう)を着る
一番は鶴を切る【名千年の鶴】といって鶴の肉を千年の文字の形に置く。その切り方は庖丁家の秘伝とするところである
二番は鯉を切る。長久と唱える
三番に鯛を切る。蓬莱と唱える

■主君が昇進の時は
鯉の庖丁に【滝登り】という切形があり、鯉の頭を上の方に向けて波別のヒレを分ける
鯉、龍門の滝(吉野)をさかのぼり、化して龍になるといい伝える
出世めでたき魚である



庖丁道【四条薗部流】

2021-09-15 14:30:15 | 日記
舟木家が料理人の家と認められるには、知識や技術の前に「我流」ではなく正当な流れを汲んでいるかが問題となる
四条流は最も有名な庖丁道の流派である。いくつかの分派があり、舟木家に伝えられたのは【四条薗部流】

舟木包早は、江戸幕府の台所頭
小川甚四郎に師事し、四条薗部流の庖丁の伝授を受けている

鳥之切揃
鯉之切揃
魚之切揃

を相伝されていることがわかっているが、この他にも伝授を受けただろう

料理の本質が味覚にあるとしたら、庖丁の使い方にはあまり気にはしないだろうが、そうしたことが重んじられたのは、それが宗教的行為だからである
【出陣の鯉庖丁】では、身を切り散らす。これは敵を切り散らすことの呪いである

それらを身につけた料理人は【信用】が形成される

加賀藩の料理人組織・御料理頭は武士

2021-09-15 13:53:30 | 日記
加賀藩の料理人は台所奉行の管轄で役職は
御料理頭→【下級武士】
御料理頭並
棟取(とうどり)
御料理人〈50人〉
御料理人並

〈御料理人の仕事〉
藩主やその家族の食事を毎日つくること。不定期なものとして来客などの饗応や、婚礼などの祝い事があった折の食事をつくる
定期的なものとして行事の料理があり、それがないのは2月、4月、11月の3ヶ月のみ

■御成で出された豪華メニュー
(元和3年5月13日・徳川秀忠御成)

【数奇屋で御膳】
酒びて〈酒で煮る〉
(鯛・あわび)

御汁
(青さぎ・ごぼう・大根)

こくしょう〈味噌で煮る〉
(ひばり)

焼鳥
かまぼこ
御汁(小松菜)
香物
刺身
鰹からし酢
御菓子(枇杷、もち、里いも)

【書院で式三献】
〈初献〉
焼鳥
御雑煮
五種

〈二献〉
からすみ
こかえび
真羽煮

〈三献〉
干鱈
にしひしお煮
巻きするめ

【書院で七五三】
塩引き
蒲鉾
あえまぜ
飯高盛
香の物
ふくめ
小鳥
しょうが
巻するめ
くらげ
汁(鯛)
貝盛
からすみ
すぢ
汁(鯉)
鴫羽盛
汁(白鳥)
さざえね三つ盛
えび船盛
汁(すずき)
















庖丁師と調菜

2021-09-15 12:34:50 | 日記
江戸時代の調理人は大別すると
特定の家などに所属する「専属」
そうでない「フリー」の2つに分類される

室町時代の調理人は
「庖丁師」と「調菜」に分かれていた

★庖丁師
侍烏帽子をかぶり、直垂(ひとだれ)と袴を着し、正装した武家の人で、左手に「まなばし」、右手に「庖丁」を持って「まないた」にのった鯉を調理している絵がある
魚を切り分ける時には手でさわらず「まなばし」を用いた。ちなみに「まないた」は魚をのせる板だからであるが、もちろん魚だけを調理するわけではない。鳥の調理の時も使用したが発音しやすいため「まな」の名称を用いた



★調菜
調菜の絵は僧侶姿の人がおり、左側に饅頭を入れた蒸籠(せいろ)がある。手前には餡が入っていると思われる蓋付きの器と、菜の入った器が置かれている




調菜は、本業は僧侶など他にあり、調菜は副業か?
調菜とは植物を調理する職人

★魚、鳥、植物を料理するのが
料理人