【出汁は宜しきかつおぶしを、上皮けずり捨て】
これは血合いの部分を取ること
力強い味わいではなく、上品な出汁になる
【かつお一本分に、水は一升一、二合ばかり】
現在ではありえない割合だ
今回は水1リットルに、かつお半分の鰹節を使って出汁を引く
「料理の栞」の半量だが、現在の出汁の引き方の約8倍である
【水をよくかへらかし、煮えかえる中へ一本分のけずりを入れ、二かえり、三かえり煮えかえる時に手早にこし、さまし置くなり】
煮えかえる湯の中へ、削った鰹節を入れ、再びわいてグツグツしてきたら手早くこす。煮すぎてはダメ
二重のこし器を通り抜けた出汁は琥珀色。色だけで濃厚さが伝わる
味は、、ほんのひとしずくにもかかわらず、口元に運ぶととても良い香りが。口に含むと甘い!!
濃厚だが、後口がスッキリして、口に残らない
【さっと煮てかるき出汁は初めにはかるき甘味あり】
【かるき甘味】とは、これか!旨味は甘味だと実感する。口中だけでなく全身に行き渡る
時間の経過と共に酸化して、出汁の味は変わる。酸味が勝ってくるのだ。これはあくまでも出汁。料理はこれからである