■神像
神像は、対岸の渡来文化を包容しつつ形成されたものである。そのことは、初期神像の彫刻様式や仏教による表現が顕著であることによって窺知ることができる
■能登各地の本地仏神像
★伊須流岐比古神社
鹿島郡石動山
地蔵菩薩形像
★少彦名神社
羽咋郡富来町
如来菩薩像
★春日神社
輪島市門前町
如来菩薩像
★日吉神社
珠洲市高屋町
如来菩薩像
(現在、薬師寺安置)
★須須神社
珠洲市
如来像
(現在翠雲寺所蔵)
★広栗神社
珠洲市若山町
如来形像
★旧鳥屋尾神社
珠洲市宝立町
如来形像【珠洲焼製】
★剣神社
珠洲市鵜島
如来形像【珠洲焼製】
■能登における初期本地仏に共通する特色
★一本彫成、内刳りを施さず、衣文など簡略な彫技で、面貌は俗人的であるなど仏師による作品と異なる
■宗教的には密教、ことに天台の影響が考えられる。本地仏神像は神道をもって、仏教弘通の一方便としようてする目的で出たものであると考えられるし、神道に対しては優越的位置を固執することが基本的観念であったと考えられる。それだからこそ、仏像が神社において造立され、崇信されるということが行われたのであって、ここに神体としての仏像を安置しても平然としていた源流を見ることができる