るるの日記

なんでも書きます

福田和子・第八回公判・非常階段の踊り場に遺体と共に4時間過ごす

2021-09-07 15:35:17 | 日記
■奥田弁護人から被告人質問
「非常階段の所に遺体を運んでから、最終的にその場を離れるまでの時間、どの位そこに座っていたんですか?」

「ずーっと、従姉妹の夫に電話するまで、ずっと座っていました」

■弁論
検察官の主張によっても、被害者を殺害した午後三時から、従姉妹の夫と前夫に電話をして運搬依頼した午後七時との間には約四時間の空白の時間帯が生じることになる

検察官は「本件犯行は、被告人があらかじめ被害者を殺害した上、その所有する金品を強奪するとともに、その犯行発覚を防ぐべく、事前に綿密かつ周到な計画を樹立し、入念な準備をした上で、その計画に従って遂行されたものである」と主張するのであるから、当然、このような時間帯が何に充てられるべく計画され、どのように使われたのかを明らかにしなければならない

ところが、検察官は被告人が従姉妹の夫や、夫の到着を待つために、「長時間被害者方付近の非常階段で待機していた」と主張するだけで、「綿密かつ周到な計画」とは明らかに矛盾する

検察官の主張によれば、本件犯行当時の昼頃には、従姉妹の夫が自宅に戻っており、被告人は事前にそれを知っていた、というのであるから、綿密かつ周到な計画を立てるとすれば、殺害直後に搬出できるよう、あらかじめ、日時を特定して従姉妹の夫に依頼しておくのが道理ではなかろうか。仮にそうでないとしても、計画通りに殺害しているのであれば、計画通りに直ちに従姉妹の夫、または夫の勤務先などに電話をするのが至極当然の成り行きではないだろうか。被告人はそのような行動は一切とっていない

この空白の時間帯について被告人は、偶発的に被害者を殺害してさはまって、頭が真っ白になってしまい、無声映画のワンシーンの中に自分がいるゆわうな感じで、周りの音も何も聞こえず、自分の心臓の音だけがドキドキ聞こえるような状態で、テレビの前に座り込んでいた

そこに突然電話がかかってきて飛び上がるほどびっくりして、被害者の死体を隠さなければと思い、被害者宅にあった紐や毛布を用いて梱包し、非常階段の方へ運んで行った

非常階段でボーッとしていると、自分が裸足でいることや、バッグを置いたままにしていることに気づき、部屋に入り片付けをし、鍵を探していると、通帳を見つけ、財布もとったこと、その後また非常階段に戻り、あれこれ思案しているうちに家財道具を運搬して、被害者の失踪を装おうことを思いつき、従姉妹の夫や夫に電話をしたと供述している
この供述によってはじめて時間帯の空白を埋めることができるのである


福田和子・未必の故意による強盗を認める

2021-09-07 14:55:15 | 日記
「あなたが、事件当日、被害者宅を訪れた時の所持品について聞きます」

「手土産にメロン、メロンの入った袋、ハンドバックとハンドバックを入れてる紙袋です」

「殺害するための道具と思われる果物ナイフ、ガムテープ、ナイロン紐、手袋のようなものは?」

「いいえ、一切持って行っておりません

■弁論
被告人が予め被害者を殺害する目的で本事件を計画していたなら、殺害するに使用した帯締め、死体を縛るのに使用した紐類は準備して持参したはずである

しかし凶器とされる帯締めが被害者のものであることは、贈与した友人黒田が証明し、死体を縛った紐は定かではないが、死体の口を覆ったガムテープや死体を包んだタオルケット、毛布が被害者のものであることも友人黒田によって証明されている

軍手は夫は被告人が予め用意したと受けとれる供述をしているが、他の道具を全く準備していない被告人が、軍手だけを用意するというのもありえない事柄である

■弁論
本件、犯行当日、被告人は被害者からリンゴやコークハイ等のもてなしを受けた
あなたが、店の共同経営の話を持ちだした、すると、急に被害者の態度が変わって共同経営の話を断った上、ドレッサーの椅子に座ったまま、あなたに背を向けて、アクビをしたり、髪をときはじめ、あなたを無視するような態度になったと、供述があります

■論告
被告人はバカにされたとして、ナイフを持ちださなければならないような事情になるとはとても考えられず、この点からも本件犯行状況に関する供述は信用できない

しかも裁判官から質問されるや、単に被害者が背を向けたというだけでなく、被害者が車代だなどと云い、被告人に財布を放り投げた等と言い、被害者が「私が警察に行ったら、西山も萩原も終わりや」などと言われたと、新たな事実を追加しているが、この点につき被告人は弁護人からの質問に「今は言えません、あとで上申書を提出して明らかにします」などと供述しているが、被害者が財布を放り投げたという事実について、供述を回避して、後に上申書で明らかにしなければならない事実はない

■弁論
被告人は被害者が共同経営を承諾してくれるという強い思い込みをしていただけに、これを断られたショックは大きかった
そして被害者が被告人を無視し軽蔑する態度を示したことで、被害者に激しい憤りを感じ、思わず目の前にあった果物ナイフを取り上げようとして、もみ合いになり、その際、被害者の手がナイフに触れ出血した

あなたは被害者から「人殺しみたいな真似して、警察に言ってやる」と、言われ馬鹿にされたと思い、怒りがこみ上げ、再び被害者に飛びかかって行くと、後ろ向きに押し倒されたと

「押されたんじゃなくて、蹴られたんです」

■弁論
被告人は必死で謝罪したが、被害者はかえって「警察沙汰にする」と言って勝ち誇った態度を示したので、再び怒りがこみ上げ、今度は素手で被害者に飛びかかっていったが、足蹴りにされて倒された

共同経営を絶たれたということは、被害者からあなたが期待していた、店をだすことでの、お金の協力が絶たれ、あなたの心の片隅に、被害者を殺害する土壇場になって、被害者を殺してしまえば、あるいは殺してでも、お金をものにしたいという気持ちも、そこにあったんじゃないかと思うんですがね

「しっかりした記憶の中では殺してまでも、という気持ちはありませんでした。けれど後の方から考えていくと、潜在的にそうゆう風な気持ちがあったと思います」

■私は強盗を認めるまで、七転八倒した。児玉弁護人が面会で「計画性は否定をしているんですが、強盗のところは、あなたが被害者の通帳を従姉妹に引き出しを依頼し、翌日には引き出している。ここがね、僕は引っかかるんですよ。あなたがいくら必要でなく、使っていなかったとしても、逃亡中に引き出したというなら、逃亡資金だと思うんですがね、、あなたの強盗は【未必の故意】にあたると思うのですがね」

「えっ、密室の恋?」

「いや、未必の故意ですよ」
積極的に意図するわけではないが、ある結果が生じるかもしれないと認識し、発生してもかまわないと認めながら行為するときの心理

、、私はお金が欲しかったんだろうか、、

■弁論
被告人が果物ナイフを被害者に突きつけた時点ではまだ、単純に激怒しただけであったが、帯締めを持った時点では、困窮した経済状態を脱出しようという思いが芽生えて、被害者に対する殺意と、金品を強取する意志が同時に発生したことになる




福田和子・事件前の行動はいたってノー天気

2021-09-07 13:43:47 | 日記
友人にサラ金から50万円を借りてもらい、
※衣料販売拡大のための委託販売契約20万円
※秋物仕入れに5万円余りを使う
※残りの25万円弱は、9月に店をはじめるとしても、それまで少しは働かねばならず、夜の店で働くための着替えや、朝の始発まで休める場所としてマンションを借りたいと思っていたが、忙殺された日々、マンションを借りる暇はなかった

7月下旬
花ちゃんのマンションを訪ねると、彼女の部屋のドアの前にいた男が、右手で鍵の束をもてあそびながら私の前を通りすぎた。日焼けした四角い顔にサングラス。身長180センチ前後のガッチリ型。この人が彼氏?

数日後、従姉妹名義でサラ金から80万円借りてもらう。友人沢口から借りていた100万円を返済して欲しいと言われていたからだ
9月に店を持てば十分返せると計算していた、、私はのー天気な女?

友人沢口が8月には来れず、とりあえず100万円はまだ返済しなくてよい。家に帰ると決意の変わらないうちにと萩原に電話
「マンションを探してほしいんよ。明日にでも契約したい」
、、この部屋に、被害者の家具を搬入することになる

8月9日、10日
私は萩原との最後の逢瀬だと思い、子供達が従姉妹の家に遊びに行って留守なのをいいことに、夫に仕事だと嘘をつき、Mホテルニに萩原と泊まった

11日
ホテルをチェックアウト
マンションに入れる家具を見てまわる。そして花ちゃんのマンションまで行くと、エレベーターが開き彼女と男性が並んで降りてきた
彼女は「あれっ」といった顔ですぐに、手提げのナイロン袋を上に持ち上げてウインクした。(あっ、泳ぎに行くのね)私は声をかけないですれちがった
身長170センチくらいの色白で面長のやさ男、、あの人が羽賀?

事件まで後8日



福田和子・第七回公判・殺害動機は金ほしさからではなく、計画的でもなかった

2021-09-07 13:05:58 | 日記
♦️弁護人の被告人質問

児玉弁護人
■第一点
「公訴事実では『被告人は金銭に窮したことなどから、知人を殺害して金品を奪おうと企て』となっていますが、これは殺害の動機とか計画に関するものですか?」

和子
「お金には困っていたとは思いますが、それで被害者を殺してまでという程困っていなかたし、計画はしていなかった

■論告
被告人は1979年からサラ金から借金を重ね、ほとんど返済を果たせないまま負債による窮状を省みることなく、1982年6月23日頃にエリカを退職後も、仕事に就くこともなく、萩原と密会するなど放縦な生活を送り、犯行時には、サラ金など総額197万8687円もの負債を負っており、その返済状況を見ても、借りられなくなったためかO市の友人名義でサラ金3社から50万円、従姉妹からはサラ金6社97万円を借金していることが認められる

■弁論
現在でも当時でも、200万円程度の負債では、破産宣告を受けることが困難な金額であり、強盗殺人の動機たりえる金額ではない

亜米利加亭では1ヶ月足らずで40万円余りの稼ぎをした実績があり、たくましい能力があった。現に当時交際していた萩原が転勤してM市を離れる機会に働く予定であり、切迫し、追いつめられた精神状態であったとは解せない。サラ金の返済も滞っていない

■第二点
「1982年8月19日に『Gビル703号室において、同所にあった帯締めで被害者の頸部を絞め窒息死させ、殺害した』という殺害の手段、方法に関するというところなんですが?」

「合っています」

■第三点
「『午後8時から午後10時までの間、夫他1名とともに同所から、被害者所有の現金13万20円、その他を搬出して強取した』と、犯罪の結果に関することですが、間違いありませんか?」

「間違いありません」

「結局、公訴事実の知人を殺害したという犯罪事実のうち、動機とか計画に関する部分は否認すると、こういうことですか?」

「はい」

「亜米利加亭をやめてから、1982年7月に、被害者のマンションを訪ね、共同経営の誘いをした、ということになるわけですか?誘った時の話ね内容は?」

「萩原との付き合いが最盛期のとき、摂津の転勤先まで追っかけていきたいと、バカな考えを起こす程でした。この鬱積の捌け口、また心に楔を打てるものをと、私は探していました

友人の美加が「権利金も敷金もいらず、すぐ出せる店があるんよ」と以前言っていたのを思い出し、店を持つことを漠然と考えるようになった

そこへ美加が「この前、花ちゃんが海外旅行から帰ったとこやゆうて、彼氏と飲みに来とったんよ」と聞き、そういえば花ちゃんも独立したいゆうとったなぁ。彼女なら亜米利加亭でもナンバーワンだったし、月に100万円前後の収入もあると聞いた。一緒にしてくれるといいなぁ
と、共同経営への夢が膨らんだ

「そうだ花ちゃんに聞いてみよう」
7月上旬彼女のマンションのチャイムを押した。台所の奥に通され、その部屋には古いテレビ、紫檀の一面鏡、クリスタルのテーブル、布製のソファーがあり、その他の余計な装飾品は一切なく、倹約家の一面を見た

私は頃合いを見計らい「花ちゃん、花ちゃんは独立する気はないの?」と切り出すと、「そうやねぇ、そう思ったこともあるけど、今は車買うて、お金がないんよ」
(あっ彼女は気があるんだ)
「花ちゃん、権利金も敷金もいらん店もあるんやとぉ」と私は彼女に向き直り同意を求めるよう力説した
「あら、そう、そんな店があるんなら、すぐ出せるねぇ」

そう言うと彼女は亜米利加亭も休みがちで、今はナンバーワンは千恵ちゃんだと言い、そこへポメラニアンが顔を出し「この犬病気なんよぉ」と彼女は眉をぎゅっと寄せた

彼女は暗い空気を破るように「ビールでも飲もうか」と台所に立った。帰り際に彼女が私をマンションの非常階段のところへ手招きし、「ほら、あれよ、あの白い車。今度一緒にドライブに行こう」と、華やかに微笑み、「車代よ」と2万円握らせてくれた

■弁論
被害者の反応はよく、必ず共同経営を承諾するだろうという強い手応えを感じた。しかし、実際には被害者は乗り気ではなく、被告人の思い込みであった






福田和子・第六回公判・何を言われてもママの子じゃけん。待ちよるよ

2021-09-07 11:56:56 | 日記
3月23日

実母と長男が被告人の情状証人として出廷

■実母
私は和子のために、金を使って何とかしてやろうと思っていましたが、その都度裏切られ続けたので、私も腹を立てました。私は和子の借金を、旅館を売却して返済し、従姉妹の近くで細々と生活していましたが、はた目から見ると、我が子に捨てられたように見られ、あてもなく讃岐にやってきました

【和子の心中、、母にはむしずが走る!

私が逃亡中、丹波で長男夫婦に会った。私のことが障害になり、長男が人並みの結婚ができるとは思わなかった。嬉しかった。会いたかった。一目見たかった

私が逮捕されるとマスコミに大騒ぎされ、子供たちにこれ以上肩身の狭い思いをさせたくないという気持ちをずっと心に背負ってきた、、

子供たちは辛い思いをしたであろうに、私を一言も責めず、「何を言われてもママの子じゃけん。待ちよるよ」と、、

あれも血、これも血なんでしょうね】