加賀の白山は古来から日本三名山の一つに数えられている。白山麓は厳しい自然環境とたたかいながらも、この山の懐に抱かれて、自然に同化した心の安らぎがある
■冬の仕事
白山麓の冬は長く11月10日から20日頃には初雪を見る
女の冬仕事は、いろりを囲んでの藁仕事。いろりでコトコト大根の煮しめを炊きながら、そのかたわらで縄をない、ゾウリ、俵、ミノなどをつくる
男は炭焼き仕事をする
屋根の雪降ろし仕事も重要
■冬の朝昼夜の食事
★飯
朝昼夜ともひえの飯を食べる
ひえの実だけ→いい
ひえ7、米3の割合→へえまま
朝に1日分をまとめて炊く
★味噌汁
秋に漬けこんであった大根葉の塩漬けを水でもどし、細かく刻んで
里芋
大根
★おかず
大根料理
塩漬けしておいたふき、くきを塩出しして料理
煮豆
■報恩講
寺寺では11月28日に報恩感謝の講が
家の報恩講は11月下旬~2月にかけて、適当な日を選び、自宅に近親者を招いて行う。年中行事の中で一番おおがかりで大変
★家の大掃除
すすはき、普段は蔵にしまってある畳を運び敷き家を整える
★蔵にはお椀や道具も片付けてあるので、家に運び綺麗に洗って準備する
★ごちそうの用意
白米は4斗1俵
買い出しは早めに済まし
(30日に講を行う場合)
28日から煮物の下ごしらえをする。この日はもち米を購入し餅つきもする
【神棚用に白の丸もちを2個
仏さま用9個〈3段重ね3つつ〉
合計11個は最低つかねばならない】
■29日はごちそうの支度を終える
報恩講のごちそう
★白米
★味噌汁【かぶら・さといも、なめこ・固豆腐】
★煮しめ数種類
※油揚げ・じゃがいも・さといも・ふきを別々に煮て一皿に盛りつける。味つけは醤油・赤砂糖
※栗・ぜんまい
※さといも・さといも・きのこ
★大根と人参のなます
★その他
※固豆腐・なめこ・金時豆・栗の盛り合わせ
※炒り大豆・干し栗・かやの実・丸もち(一合分)の盛り合わせ
■本番
朝は4時起き
家中の掃除
料理のお膳立て
(午前中に済ます)
午後は主人が御坊さまを迎えに行く
その間ぼつぼつと親戚の人がお詣りに訪れるので接待をする
人数は30人位
夕方4時頃からお経がはじまる
お経が終わると報恩講のごちそうを食べる
ごちそうを食べ終わると再びお経
そしてお説教を聞く
この間、女衆は台所で夜食の準備
新しく加える料理は
ユリ根やヤマイモの炊いたもの
キクラゲのわさびあえ
手打ちソバ
おろしうどん
就寝は1時頃
翌日も4時起き
泊まった客の朝食準備
といっても報恩講の残りものと味噌汁をつけるぐらい
朝食を済ませると客は帰る
【年忌のある場合、お昼に出す年忌法要のお膳立てをする。ご飯の前に酒を出す。飲み食いしてもらい、その間にお土産にするごちそうの荷造り。次の家の人が御坊さまを迎えに来て、御坊さまが帰ると親戚の人たちも帰る】
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