水の思想
水は、円い器に入れれば円くなり
四角な器に入れると四角になる
万物に恩恵を与えながらも
けして相手に逆らうことなく
常に低いところへと位置する
そのあり方たるや、極めて謙虚
それでいて急流ともなれば、硬い岩でも打ち砕いてしまう力を秘めている
つまり、一見、主体性がないように見えながら、強力な主体性を奥に秘め、何も為していないようで実は為している。臨機応変、自由自在の思想のことである
この極致を【無為自然】
自我を克服した【本然の自性】
今までずっと求めていた本然の自性は、自分自身の本心、本性
本然の自性で生きれば
心の中には何の束縛もなくなり
苦しみも怒りもない
つまり無心、無私の境地
あるがままの姿を
あるがままに楽しむ境地
金はあればあったでいいし
無ければ無いでいい
晴れてよし、雨でもよし
という状態
この状態を絵で描くと「○」のみ
「円(まどか)なること無為と同じ。欠けることなく余ることなし」
何の塵も汚れもない清浄無垢な
本然の自性に返ったら
ただニコニコと笑う存在になり
人はその存在だけで心救われる
言葉はいらない
振る舞いに滲み出る水の主体性が
人を救う
何も為していないようで、為している