品質測定ワークショップ

ISO9001と10012及び5Sを利用して測定力をシステム的に発揮する方法

航空管制官の有罪と計測管理

2010-10-31 06:33:41 | 品質計量管理
航空管制官の有罪判決についての社説(2010/10/30)


新聞によれば、
静岡・焼津上空で9年前に起きた航空機同士のニアミス事故で、業務上の過失傷害の罪に問われた管制官2人の有罪が確定したことにつて、北海道・旭川空港近くでもあわや大惨事という管制トラブルがあったことを例にして、一連のシステムの中で起きるヒューマンエラーにどう向き合うか、それは、医療や科学技術などの分野にも共通する課題である。
とある。

問題が起きても、新聞には計量管理が関係していることは報道されない。これには報道する人々が計測の勉強をする機会がないことも関係しているように思える。

福沢諭吉の「学問のすすめ」の原本を見ると、先ずは日常生活に近い実学を進めている。その例に”天秤”の取り扱いが出ているが、現代訳の2種類の本を見ると「学問のすすめ」をよむと、”天秤”の取り扱いという表現がある本と、もう一つ本には”天秤”という言葉が出てこなくて、”はかりの計量法”などをおぼえることとなっている。

二つの現代語訳は、実学が重要であると書いてあることは福沢諭吉の教えを伝えている。実学で言えば現代の電子天秤の使い方は簡単に見えるから、”はかりの計量法”という現代語訳も間違いではないが、現在の航空機をはじめとして多くの製品が必要としている品質に対する適切な”天秤”の取り扱い方は、明治初年の天秤の取り扱い方の複雑さと同じレベルと思える。

一流大学の名誉教授が現代語訳として”はかりの計量法”と簡単に翻訳していることには、飛行機事故などのリスクを回避するために必要な計量管理の情報をPRする必要がある。

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