テキスト主体

懐中電灯と双眼鏡と写真機を
テキスト主体で語ろうとする
(当然、その他についても、語ったりする)

シロートの戯言 その1

2012-04-25 21:43:31 | シロートの戯言
アンチテーゼという視点から物事を考えるのは、時として有効な場合があり、実行する機会も、あるのです。
そういう観点から、EEZ(排他的経済水域)の資源について考えることがあります。
日本のEEZは広大で、世界6位であると云われています、1位はアメリカ、2位はフランスで、両国を合わせると日本の5倍に達し、両国に僅差でオーストラリアが続きます。ロシア、カナダ、ニュージーランド、イギリス等を加えたこれらの国々は、海洋資源国であると云うこともできます。かつてのフォークランド紛争も、内実は海洋資源を主眼とした領土争いでありました。
ただ、これらの海洋資源、特にエネルギー資源を考えると、海底の地下の天然ガス、石油等の化石燃料であれ、海底面のメタンハイドレートであれ、物量としてそこにあるものを採取、除去することに他なりません。
よく地下水を汲み上げすぎて、地盤沈下した事例が問題になることがありますが、海底資源についても、同様なことは起こりえます。ガス、石油については、結構そのような影響についての調査検討は進んでいますが、メタンハイドレートについては、知見が少ないように思います。
メタンハイドレートによるブローアウト(海底のメタンハイドレートが大規模、一気に融解し、海水に混ざりながら大量の気泡となって海面へと上昇してくる現象、その領域の海水は大量のメタンガスと混ざることにより、見かけの比重が極端に低下し、数万トンクラスの船舶でも、海底に向けて落下するように沈没させる可能性がある)は、様々な規模で自然発生しており、天変地異ならぬ海変地異、あるいは陸上での直下型地震に相当するような自然災害なのです。
少し前にベストセラーになった小説、深海のYrr(イール:ウナギ目の魚)でもメタンハイドレートによるブローアウトや、もっとスゴイ、大陸棚斜面でのメタンハイドレート層の意図的な広域破壊による巨大津波についての記述がありましたが、大量にそこにある物量が無くなる事による力学的平衡の崩壊は、可能性として充分に考えられます。

再生可能エネルギーというコトバは、日本語として定義が適切でない上に、くだらない政治家やそれに類する輩が、適切でない方の意味を振りかざして使っているきらいがあるので、ダメ出ししたい頻出語句No1なのですが、かといって自然エネルギーというのもヒトの不遜に過ぎるコトバだと思うのです。個人的には埋蔵(不動)エネルギー、活動(自然発生)エネルギーと定義したいところです。

閑話休題、ココ掘れワンワンの伝統のもとに、日本は穴掘り技術が優れた国ですが、地主さんが40億年かけて貯めた埋蔵エネルギーを、数十、数百年どころか数年ももたない権勢がどうこうしようというからには、もちっと、考えを、深く、深く、掘り下げていってもいいんじゃない?