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テキスト主体

懐中電灯と双眼鏡と写真機を
テキスト主体で語ろうとする
(当然、その他についても、語ったりする)

アンドロメダ銀河

2012-10-24 13:02:54 | 双眼鏡 望遠鏡
真夜中をかなりすぎた頃、ふと10x50を持って、星空観望。

雲一つ無い星天に誘われ、頭上を仰ぐと、すばるがくっきりと見え、なんとなく嬉しくなります。
で、双眼鏡に小さなモノポッドをつけて、星空を流していたところ、もやっとしたマユが目にとまります。
M31、アンドロメダ銀河です。
昔、SF作家のアシモフが、エッセイの中で、目の良さ、視力について問われたら、自分の目は200万光年先が見える、と豪語すればいい、と書いていて、その、200万光年先にありながら、肉眼でも見ることができる物体が、アンドロメダ銀河です。
かつてはアンドロメダ星雲、アンドロメダ大星雲と呼ばれていましたが、いまでは”銀河”と”星雲”は明確に区別された概念の語句なので、アンドロメダ銀河と呼ぶのが正解です。

光害地域であり、現在の条件では、肉眼で3~4等迄しか見えないので、中心部の光芒がうっすらと見えるだけです。よく天体写真で見る渦巻き構造のアンドロメダは、条件の良い時に大口径望遠鏡でようやく判別でき、長時間露光の写真で鮮やかなその姿を現しますが、最大で満月の5倍ほど視直径になる、その迫力こそ感じられはしないのですが、今日の見え具合はなかなかに良好で、位置さえ分かれば肉眼でも確認できる状態です。

で、手もとにアルタスHK-60望遠鏡があったので、双眼鏡(10x50)、望遠鏡(60mm、22倍、40倍)で見比べてみます。
アルタスは、以前、某社から、サターンと云う名で、45度傾斜型正立天体望遠鏡として販売されていたものと、合焦機構(サターンは対物鏡筒の回転ヘリコイド)や視野角こそ若干異なりますが、ほぼ同一モデルであり、また、自ら中秋の名月観望で、星見用としての素性の良さも確認していることも踏まえての登用です。

観望してる居場所の制約で、窮屈な姿勢で覗かねばならないこともあり、望遠鏡でのアンドロメダ導入には若干手間取ります。45度傾斜と云うこともあり、星見に常用するなら、ファインダー代わりに簡易型照準(照星照門)でも附けたいところです。すばるなどの散開星団は、この望遠鏡(22x60)では、端正な点像のままより大きく見る事が出来、微光星も増える印象があるのですが、アンドロメダでは、確かに大きく見えるものの、ぼんやり感は悪化し、瞳径の小ささ(暗さ)がそのまま感じられてしまいます。40倍ではさらにうすうす暗くなり、もはや、夜空のシミにしかすぎず、時間と共に移動していくことでやっと天体であることが分かるのみです。やはり60mmという(天体望遠鏡として)小さめの口径では、中程度の倍率にも対応することが難しいのかもしれません。散開星団、星雲用にお手軽対空双眼鏡が出来ないものかと、実はこのアルタスの二重連を画策していたのですが、外径の実測値(≒目幅の最小値)とともに、見え具合が芳しくないとなれば、激安対空の企みは頓挫するかもしれません。