故意あるいは悪意によるリスクに加えて、インターネットに接続している「スマート」システムにおける設計の欠陥に関係するさまざまなリスクがある。悪意の無い目的で収集されたデータが他のネットワークへと拡散されて意図せぬ結果を引き起こし、コンピューターを介した新たな脅威へとつながることもありうる。
サイバーテロに対する理解はさらに遅れていると思われ、インターネットの解放性、セキュリティー、プライバシーに関する懸念を増幅させている。テロ組織が近年、教義や人員採用、運営に関する情報伝達のためにインターネットを幅広く利用しており、サイバー窃盗も一部発生していることから、サイバーテロ攻撃のリスクが高いと推測する向きも多い、しかしこうした活動自体が何らかの大規模なサイバーテロ攻撃の能力を示唆するわけではなく、テロリストによるインターネット利用は、法執行機関による貴重な機密情報の攻撃も同様に可能にしていることに留意すべきである。
サイバー戦争は、一般市民には殆ど理解されておらず、文民指導者と軍事指導者の間に議論を起こしている。サイバースペースにおける公然の戦争も起こりうるが、専門家は、サイバー戦争と物理的戦争の相互作用の方が社会にとって、より可能性の高いリスクをもたらしており、オンライン攻撃が従来の攻撃を支援するだけでなく、従来の攻撃を挑発する恐れがあると指摘している。
サイバースパイは、個人によるものであれ公的部門によるものであれ、古くからの諜報活動に新たな時代を開いた。この20年間に繰り返し明らかにされたように、特に油断できないのは、一般に敵とみなされている国だけでなく味方とみなされている国によるその様な手法の利用である。