【新連載】腹ふくるるわざ②
新型コロナワクチンは安全なのか?
桑原玉樹(まちづくり家)
いよいよ日本でも2月17日にワクチン接種が始まりました。
最初に接種した院長さんが「私は注射は好きじゃないけど、痛くありませんでした!」とテレビでご愛敬をふりまいていました。ワクチン接種をためらっている日本人に多大な影響を与えた役者ぶりでしたね。
ファイザー社のワクチンは95%の効果があるとのこと。アメリカではこれまでに人口の8.4%が感染しています。単純計算では今後1年間の感染者数は人口の0.42%になることでしょう。イギリスでは人口の6.0%が感染していますから、0.30%に減少することが期待されます。一方、わが日本では現時点での累積感染者数は人口の0.33%です。既に米英がワクチンで達成できるレベルにあるわけです。
副反応は、7日以内に多くの症状が出るようです(表1)。
〈表1〉★ACIPは米国予防接種諮問委員会
なんだかワクチンを打ったら、多くの人は風邪のような症状に悩むことになりそうですね。
アメリカには昨年12月の接種をもとに「症状は出るが治療が必要なのはわずか2.3%に過ぎない」「重篤なのは0.6%だけ」とか、「アナフィラキシーショックは20万人に1人」との報告があります。またアメリカで同年12月14日から今年1月29日までに3500万人に1回、または2回接種をしたが、副反応は1万1249人だけとの報告もあります。少ないようですね。しかし内訳をみると501人が死亡、永久障害156人、緊急治療2425人などがあり、重体でないのは4106人(つまり接種者全体の0.02%が重体)と報告されています。
さて日本ではファイザー、アストラゼネカ、モデルナの3社合計で1億4200万人分が用意されるそうです。まあ1億人が接種すると仮定しましょう。副反応を予測すると、治療が必要な人230万人、重篤な人60万人、アナフィラキーショック500人、あるいは死亡1430人、永久障害446人、緊急治療6929人となります。
現時点での日本の感染者数42万人、死亡7200人と比べてみると、ワクチン接種がいいのか悪いのかわからなくなります。
また95%に効果があるとは、次の表2のように約4万4000人に臨床試験した結果だそうです。確かに効果は95%です(A)。しかし非発症率は0.7%上昇したにすぎません(B)。ほとんどの人はワクチンを打たなくても実は感染していないんですね。
〈表2〉
【桑原玉樹(くわはら たまき)さんのプロフィール】
昭和21(1946)年、熊本県生まれ。父親の転勤に伴って小学校7校、中学校3校を転々。東京大学工学部都市工学科卒業。日本住宅公団(現(独)UR都市機構)入社、都市開発やニュータウン開発に携わり、途中2年間JICA専門家としてマレーシアのクランバレー計画事務局に派遣される。関西学研都市事業本部長を最後に公団を退職後、㈱千葉ニュータウンセンターに。常務取締役・専務取締役・熱事業本部長などを歴任し、平成24(2012)年に退職。現在、印西市まちづくりファンド運営委員、社会福祉法人皐仁会評議員。