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令和4年7月8日―。この日、奈良県で出馬した候補者の選挙応援に駆け付けた安倍晋三元首相が演説中に銃撃されました。この暗殺事件は、世界中に衝撃を与えました。あれから1年が経った今でも、「安倍晋三元首相の不在」は日本人の多くに喪失感を与えているようです。一体、私たちにとって、「安倍晋三」とはどんな存在だったのか。戦後、首相としての在任期間がもっとも長く、国際戦略にも長けていた安倍元首相を追悼するため、本ブログで「特集」を組みました。
▲笑顔の安倍晋三元首相
【特集】追悼・安倍晋三元首相①
台湾メディアが安倍元首相の一周忌を大きく報じる
一周忌を無視する日本メディアの不思議
安倍元首相が昨年7月8日に不慮の死を迎えてから1年が経ちました。一周忌を迎えたこの日、事件の現場となった奈良市の近鉄大和西大寺駅前に午前9時から献花台が設けられ、多くの人が献花に訪れました。
北朝鮮に拉致された有本恵子さんの姉、北谷昌子さん(67)も、その一人です。「総理には、本当にお世話になりました。どうしても一周忌ということで、お礼を申し上げたくて」 と。
不思議なことに、安倍元首相が応援演説をしていた場所で再整備が進められ、今は車道になっています。一体、どういうことでしょうか。まるでこの銃撃事件を歴史から消そうとしている動きがあるとしか思えません。
さらに日本のマスメディアも、何かに遠慮しているのか、忖度しているのか、「沈黙」「傍観」「無視」に近い姿勢です。産経新聞やフジテレビ以外は、安倍元首相の一周忌のことを、あまり多きく取り上げません。それどころか、またもや旧統一教会と絡めた記事が散見される異常さです。
追悼に抗議した「市民団体」って何?
あろうことか、7月7日付けの毎日新聞地方版が「安倍氏の献花台『設置しないで』市民団体が要望書」という見出しの記事を掲載しました。安倍元首相が銃撃された現場近くに自民党議員らの団体が設置する献花台について、県内の「市民グループが6日に「道路占用許可を出した市に対し、取り消すよう連名で要望書を提出した」のだそうです。
同日の奈良新聞も、「2015年に『安保法制』を強行採決するなど安倍政権の姿勢や、自民党と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関係などを問題視。人や車の通行量の多い駅前の事件現場での慰霊にも疑問を示した」と報道。ご丁寧に同紙は要望書を手渡すのが、「新日本婦人の会県本部」の小幡尚代事務局長らと紹介しています。
えっ、「新日本婦人の会」って、日本共産党の下部組織ではないですか。それが「市民団体」? 冗談もほどほどに。日本の新聞のレベルも落ちたものです。結局、献花台は予定通り設置されました。あの日を思い出して悲しみに暮れる市民が、数多く献花に訪れたのです。いわゆる「市民団体」も別の意味で悲しかったのではないでょうか。
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安倍元首相の一周忌をアジアではどのように報道されたのでしょうか。
中国の影響力が強まる「バンコク・ポスト」や「ネーション」といったタイの有力英字紙は無視、かろうじて地元紙「マティチョン」などが報じるのみ。中国の影響力が強まりつつあるタイの現状を示唆しているのかも知れません。
▲タイの地元紙「マティチョン」がオンラインで
しかし、台湾は違います。
「安倍晋三元首相の命日に日本人は安倍氏の写真を見て涙を流した」と中央通信社が大きく報じました。「安倍晋三元首相の一周忌にあたり、日本の与党自民党と安倍家は8日朝、東京の増上寺で合同式典を行った。8日の午後、一般市民が献花、涙を流す人もいた」と。
蔡英文総統も日本語のツイッターで追悼
一周忌に敏感に反応したのは、むなにもマスメディアだけではありません。台湾の蔡英文総統は安倍晋三元首相の一周忌を迎えた7月8日、ツイッターを更新し、「『台湾有事はすなわち日本有事』と強調していた安倍元首相は、台湾の人々が最も懐かしさと親しみを感じる日本の首相です」とした上で、「台湾のために多大な貢献をされたことについて、私は改めて感謝申し上げます」と日本語で追悼しました。
蔡総統はさらに「自由で開かれたインド太平洋戦略」の外交構想を安倍元首相が提唱し、多くの国々ががこれに賛同したことにも触れ、「何度も実際の行動をもって台湾支持の姿勢を示した上で、台湾と日本の人々の深みのある交流を促進し、安全保障、経済、観光などの分野で台日関係に大きな進展をもたらしました」と安倍元首相の行動力を高く評価しました。
▲蔡英文総統
また台湾外交部(外務省)も同日、安倍元首相を「先見性を持った政治家で、台湾にとって真の友人でした」とツイッターに投稿し、安倍氏の遺志を貫徹することが最良の追悼になると訴えました。
台湾の与党、民進党の大統領候補である頼清徳副総統は、台湾と日本は運命の共同体であり、両国は権威主義的拡大との対決の最前線にあり、安倍氏に感謝すると同時に台湾と日本の関係を深めると述べました。
頼清徳副総統もツイッターを更新し、「私たちはこれからも、安倍元首相が台日関係に多大な貢献をされ、自由と民主主義を守るために揺るぎない決意を示したことに感謝し続けます」とつづっています。台湾、有難う!