『待つわ』-⑥
月影の下、ジーンとデイックは強烈な香りを放つライラック茂みの中に佇んでいた。
⑥デイックが彼女の体に腕を回した。ジーンは自分の腕が、殆ど腕自身の意思で、するりと彼の首に巻き付いていくのを感じ取っていた。少しの間、このようにして二人は佇んでいたが、やがてデイックが彼女にキスをした。彼女は目を閉じたままで、一瞬、高鳴っている心臓の鼓動を彼に気づかれたくないと思った。しかし次の瞬間、彼女の頬に、彼の心臓がドキドキと波打ってくるのが感じられた。(続く)
原文:⑥Dick putt his arms around her and she felt her arms slide around his neck, almost with a will of their own. For an instant they stood so, and then dick kissed her. Her eyes closed and for a brief moment she hoped she would not notice how hard her heart was beating. But then, against her cheek, she could feel his heart pounding, pounding...
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