わん太夫の迷路

気ままに人生を送りたいな~、との希望的観測と共に

秀山祭九月大歌舞伎 夜の部

2018年09月14日 15時51分13秒 | 古典芸能

吉右衛門による「俊寛」はさすが人間国宝の重厚な演技が見ものでした。

新作歌舞伎舞踊 幽玄(ゆうげん)...
能を題材とした羽衣 石橋(しゃっきょう) 道成寺はまさに玉三郎ワールド。
天女や白拍子花子を演じますが、佐渡の太鼓芸能集団「鼓童」との共演が驚異的に素晴らしかった~


八月納涼歌舞伎

2018年08月28日 13時50分53秒 | 古典芸能

ひと昔前までは八月の歌舞伎座はベテランの出演はなく、
若手の花形が出演することになっていたので、入りは今一つでした。
歌舞伎座が改築なってからは、松竹も客集めの必要も有り対策に真剣に取り組むようになりました。
ひと昔前のように怪談ものに頼ることなく、楽しめるエンターテイメントなってきました。

そこで、ここ数年来の「東海道中膝栗毛」の上演と相成った次第。
一昨年、昨年と見ましたが楽しい、笑わせてくれます。
今年も第2部の公演で上演。今年は中村獅童達3人の 早替りが受けましたね。
幸四郎の弥次さん、猿之助の喜多さんで楽しい舞台。

第3部では四世鶴屋南北作:盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)
松本幸四郎の薩摩源五兵衛(実は不破数右衛門)を中心に忠臣蔵の裏話的ストーリー。
さすが鶴屋南北の作だけあって話の筋立てもしっかりしていて見応えのある舞台でした。ちょっと気になったのは、最後の場で幸四郎が金子を畳にこぼすシーン。何となくばらばらと落ちて行った感じ。ちょっと風情が無いな~と。

舞台は暗~いイメージのまま幕なのかと思ったら、一瞬パッと明るくなり最後は「切り口上」
役者全員が舞台に正座し客席にお礼のお辞儀をして緞帳が降りて幕。


七月歌舞伎座夜の部:源氏物語

2018年07月13日 15時30分37秒 | 古典芸能

今回は海老蔵親子の競演でも話題になっていますが、それよりも、歌舞伎、能狂言、オペラなどとのコラボ、構成が面白い。
物語の内容は日本人なら誰でも知っているもの。

今回の舞台では、光源氏の心を覆う闇の部分と、「光の君」としての輝かしい部分をテーマとし、紫式部が描きたかったことを表現しています。
その象徴として、オペラ歌手二人がそれぞれ白い装束、黒い装束で光源氏の心を歌い上げる。

能狂言方では、須磨に配流された光源氏を救う龍神に観世喜正を配するなど豪華なキャスト。
さらには、能舞台で登場する「合狂言」が舞台のナレーターよろしく舞台を進行させていく。
さらに舞台では、華道家元池坊による生け花ライブなどが見所の一つ。

さらに本公演の最大の見どころは、海老蔵が龍王になり、宙乗りで舞台の袖から3階の揚幕(?)に入るシーン。本来歌舞伎座では拍手はしないものではありますが、客席一同手拍子で盛り上がりました。
さらにびっくりしたのは、歌舞伎公演では有り得ないカーテンコールがあったこと。
しかも2度にわたって。まさにレビューを思わせる幕切れでで客席会場は大いに盛り上がった舞台でした。

ちょっと気になったのは海老蔵の声がいつもと違って聞こえたこと。マイクを使っていたのか、風邪でも引いたのか。とにかく疲れを残さず無事千穐楽を迎えて下さい。


四月大歌舞伎夜の部に行く

2018年04月18日 17時33分23秒 | 古典芸能

  

通し狂言 絵本合法衢(えほんがっぽうがつじ)
片岡仁左衛門一世一代にて相勤め申し候

仁左衛門が悪の二役を演じる。
仁左衛門と言うと菅原伝授手習鑑の菅丞相とか勧進帳の富樫など、凛とした役を思い浮かべてしまう。
しかし、女殺油地獄の与兵衛のような悪役も妙に色気がある。
今回のも悪役だが、二つとも悪役の質が違う。
人殺し的悪役の太平次と大悪党の大学之助。それぞれの悪のスケールの違い分けを演じる。
まさに仁左衛門一世一代にふさわしい演技でした。

http://www.kabuki-bito.jp/


国立能楽堂一月公演 狂言の会

2018年02月01日 15時55分55秒 | 古典芸能

演目

狂言 鍋八撥(なべやつばち)  大藏吉次郎 大蔵教義(大蔵流)
素囃子 男舞
狂言 蛸(たこ)   野村萬斎 野村万作(和泉流)
狂言 千切木(ちぎりき) 茂山 七五三(大蔵流)

http://www.ntj.jac.go.jp/schedule/nou/2017/11052.html?lan=j

鍋八撥には先日の日本酒の会でご一緒した大蔵教義さんが出演していました。
若い方なので狂言には珍しく激しい動きのある演技をされていました。
ぴょんぴょん跳ねてみたり、橋掛かりを下がる時は側方倒立回転で退いて行く。
器械体操のような溌溂とした演技でした。

終演後は能楽堂の外で皆既月食の開演でした。


鎌倉能舞台秋の東京公演

2017年10月08日 21時55分45秒 | 古典芸能

 

演目も秋にふさわしく、狂言は栗燒、能は土蜘蛛。

鎌倉能舞台の公演は能を始めてみる人にも分かり易く楽しめるための工夫を凝らしています。

演目についても単に難曲ではなく、見ていて何となく楽しめる曲を選ばれているようです。

字幕等も今は試行錯誤の段階かもしれませんがいろいろな試みをされています。

シテの貫太さんは文部科学省の学術振興の一環として全国各地の小学校に出向き能の普及活動をされています。

国立能楽堂は一般の演者にとっては敷居の高い場所と言われていますが、「鎌倉能舞台の能を知る会」の公演では、

あくまでも能を分かりやすく見ていただくという姿勢が貫かれています。

開演前には、元NHKのアナウンサーの葛西聖司氏の分かり易い解説、そして終演後には貫太さんが舞台に登場して質疑応答があります。

至れり尽くせりですね。

次回はの能を知る会横浜公演は11月15日(水)午後2時開演です。

演目は狂言 「腰祈」野村萬斎、能 「谷行」中森貫太

詳細は以下をご覧ください。

http://www.nohbutai.com/
http://www.nohbutai.com/perform/yokohama.htm

今回もソフィアンの後輩の菅家ゆかりさんたちとご一緒さでていただきました。

チケットの手配をして下さったソフィアンの後輩の中森三佳さん、ありがとうございました。

 


 


国立能楽堂七月公演

2017年07月07日 15時11分29秒 | 古典芸能

今月は3回行きます。

5日(水)...
狂言・和泉流:八幡前(やわたのまえ)シテ 能村昌人
能・観世流:善知鳥(うとう) 前・後シテ 観世清和

平日昼間の公演とはいえ、観世流宗家のシテとあって正面席前の方は和服をお召しになっている方が多かったですね。
でもその他のお客様は結構ご年配の方が多かったですね。

まだこれからですが、
28日(金)は狂言に中央区の狂言講座の石田幸雄先生がシテ、野村萬斎がアドで演ぜられます。
能は人間国宝の梅若玄祥がシテの「名取ノ老女」をされます。

30日(日)は狂言が大蔵流「靭猿(うつぼざる)」
能は人間国宝の大槻文藏がシテの「鵜の羽(うのは)」

両日とも能は復曲能だそうです。 


歌舞伎座六月公演 夜の部

2017年06月23日 15時15分47秒 | 古典芸能

演目

一、鎌倉三代記(かまくらさんだいき)絹川村閑居の場 幸四郎

...

二、曽我綉俠御所染(そがもようたてしのごしょぞめ)御所五郎蔵

御所五郎蔵:仁左衛門、星影土右衛門:左團次

三、一本刀土俵入(いっぽんがたなどひょういり)

駒形茂兵衛:幸四郎、お蔦:猿之助

http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/527

今回の見どころは何と言っても御所五郎蔵での仁左衛門と左団次との掛け合い。

河竹黙阿弥の作なので、その七五調の台詞回しと掛け合いが実に気風が良く楽しい。


市川右團次襲名披露公演

2017年01月15日 17時57分58秒 | 古典芸能

壽新春大歌舞伎 市川右團次襲名披露公演・29年1月

先代市川猿之助(現 猿翁)のもとで鍛えられた市川右近が「右團次」を襲名した。

そしてその長男が「市川右近」を同時襲名した。

実は、中央区の歌舞伎講座で2度もゲスト出演されています。

しかも直近はつい先だっての11月に。

その時の話では、右團次襲名についての裏話の数々を披露していただきました。

で、その時右近さん(当時)から1月の襲名公演に足を運んでくださいとのご案内がありました。

お邪魔した夜の部は

一、源平布引滝(げんぺいぬのびきのたき)義賢最期

    木曽先生義賢 海老蔵

二、三代目市川右團次襲名披露 口上(こうじょう)

    右近改め右團次 幹部俳優出演

三、錣引(しころびき)摂州摩耶山の場

    順礼七兵衛実は悪七兵衛景清 右近改め右團次

    虚無僧次郎蔵実は三保谷四郎 梅玉

    
四、猿翁十種の内 黒塚(くろづか)

    老女岩手実は安達原の鬼女 猿之助

    山伏讃岐坊 中車

    阿闍梨祐慶 右近改め右團次

http://www.kabuki-bito.jp/news/3356


国立劇場開場50周年記念 通し狂言 仮名手本忠臣蔵 三ヶ月連続完全通し上演

2016年10月25日 15時47分28秒 | 古典芸能

国立劇場開場50周年記念
通し狂言 仮名手本忠臣蔵 三ヶ月連続完全通し上演

 

 

第一部を見てきました。

...

大序:鶴ヶ岡社頭兜改めの場
二段目:桃井館力弥使者の場、同 松切りの場
三段目:足利館門前の場、同 松の間刀傷の場、同 裏門の場
四段目:扇ガ谷塩冶館花献上の場、同 判官切腹の場、同 表門城明渡の場

仮名手本忠臣蔵は元々は人形浄瑠璃で上演されたものを歌舞伎にして上演されたもの。
ですので、舞台には文楽の太夫、三味線が上手の床で進行を誘っている。江戸時代の赤穂浪士仇討事件であるが、当時の幕府に憚って設定は鎌倉時時代で足利将軍家としている。

この第一部の見どころは何たって、何たって四段目判官切腹の場。
切腹し、息も絶え絶えになっている中村梅玉の塩冶判官が、「由良之助は未だか」と虫の息で言うところ。史実では浅野内匠頭の臨終には間に合わなかった大石内蔵助ではありますが、歌舞伎ではかろうじて間に合い、判官から遺言を耳打ちされる。
そして息が絶え葬送されて花道を去るわけですが・・・・・

何とこのシーンで思いっきり拍手を送る観客が多いこと。

呆れ返ります。なんで厳粛な葬送のシーンの哀愁漂う空気をバッサリ切る拍手。
葬式で拍手をする人などいないと思いますが・・・・

せっかくの舞台を台無し、ぶち壊す拍手は興ざめですので厳に慎んでいただきたい。
何でもかんでも拍手をすればいいと言うものではありませんね。
舞台進行の妨げとなるような拍手に役者は次のセリフのタイミングが難しいそうです。
どうか劇場と言う空間を舞台客席で一体として共有しましょう。


市川右近をゲストにお迎えして!! 中央区民カレッジ歌舞伎ものしり講座 28年秋季

2016年10月18日 15時36分34秒 | 古典芸能

市川右近をゲストにお迎えして!!

中央区民カレッジ歌舞伎ものしり講座 28年秋季
 
講師:元歌舞伎座支配人 金田栄一先生

第1回:おぼえておきたい名せりふ
第2回:役者と襲名
第3回:歌舞伎グルメ考
第4回:観劇の手引きと観劇
第5回:江戸時代の用語あれこれ

講師の金田先生はNHKラジオでも歌舞伎講座の講師をされていました。

第1回の「おぼえておきたい名せりふ」では、三人吉三や白波五人男などからの紹介。

第2回では、歌舞伎役者の市川右近をゲストに迎えいろいろお話を伺う。
来年1月に新橋演舞場で市川右團次の襲名しますが、その裏話など盛りだくさんのトーク。
息子さんも同時に市川右近を襲名されるとのことです。
襲名に当たっては、師匠の市川猿翁(先代猿之助)、現猿之助、市川中車などと相談し、市川宗家の海老蔵にも相談をされたとか。襲名に当たっては手拭いや扇子を配るということです。
それにしても襲名とは大変な作業で1年程かけて行うとのことでした。


文楽二月公演第一部に行く

2015年02月16日 11時36分47秒 | 古典芸能

  
画像左:二月公演チラシ
画像中:実盛が馬に跨る場面
画像右:「文楽手帖」高木秀樹著

初日の第一部なので、正に初っ端。

開演前に「幕開き三番叟」で舞台が浄められる。

演目は、「二人禿」、「源平布引滝」

「二人禿」は小品で、歌舞音曲の類で肩の凝らない楽しさ。

「源平布引滝」は平家の斎藤実盛が主役の話であるが、

文楽人形遣いの見せ所満載。遣い手は桐竹勘十郎。

馬に乗って退場する場面や、悪役を斬首する場面など、

人形浄瑠璃ならではの演出。歌舞伎とはまた一味違う。


この回のイヤホンガイドはエース高木秀樹氏。

NHKの古典芸能番組でも副音で解説をされている方。

太夫や役者の生声などを邪魔しないような解説で舞台に集中できます。

休憩時間にばったりお会いし、ご著書を頂きサインまでして下さいました。

大感激 \(^o^)/


久し振りに柳家小三治独演会に行く

2014年10月23日 14時39分47秒 | 古典芸能

前回の高座の時は、初めの一席目の「まくら」が長すぎて

後半の二席目が何と時間切れで、太鼓がドンと入り切り口上となってしまったのですが。

今回は人間国宝指定後初のチケット売り出しで取得したもの。まさにプラチナチケットの観があり

ました。


今回の演目は、「時そば」と、「あくび指南」

いずれも極めて定番の出し物ですが、さすが小三治師匠、文句なく楽しませていただきました。

「時そば」は「今何時でえ…」が聞かせどころ。

特に蕎麦をすする辺りは、こちらも一緒に食べているような気がしてきた。

その他の細かい仕草も、客をひきつけて止まない。

後半の二席目あくびをするのであるが、その使い分けが何とも言えない。

揺れる船の中でのんびり煙草を吸う仕草。師匠と弟子との演じ分けが見事。

この二席ともラジオやCDなど映像無しではここまで盛り上がらないでしょうね。

落語は話術とはいえ、やはり寄席などの会場に足を運び目でも楽しむものですね。


ちなみに今日は、小三治師匠は皇居で天皇陛下から人間国宝の認定書を親授されるそうです。

おめでとうございます。


久し振りに能を鑑賞して来ました

2012年11月07日 15時20分16秒 | 古典芸能

演目は「融」です。

能は幽玄なものとか寿ぐものが多いと思っておりましたが,

これは,雅な演目です。

シテ:宇高道成

ワキ:福王和幸


旅の僧がワキ(相手役)として登場し,

前シテ(演目の前半に登場する主役)の塩汲み翁に問いかける。

ここはその昔,源融(みなもとのとおる)という左大臣の広大な屋敷跡。

そこに陸奥の塩釜模した池があったとのこと。


後半になると,その翁が実は源融(後シテ)であるとして登場し,

月光の下,艶やかな舞いを演じる。

その舞いはとてもエネルギッシュなのに優雅。

観ていて舞台に引き込まれそうでした。

ただ台詞はよく聞き取れませんでした。

もう少し耳が慣れないと無理かな (^u^)

 

今回は国立能楽堂でしたが,正式の舞台での能を観るのは初めてでした。

また行きたいですね。