社会保険庁の基幹システムである「社会保険(記録管理)オンラインシステム」の本番系と開発系は、NTTデータの三鷹市下連雀にあるセンターで運用管理されている。因みに開発系は地下1階にある。
社会保険庁のシステムは、マルチベンダ方式で調達されており、オンライ系は富士通(GS8000×11台)、バッチ系は日立製作所のMP5800×3台、配信系はNECのACOS×2台で構成されている。
以前のシステムは電電公社が開発したOSであるDIPSで稼働していたが、システム更改の際にマルチベンダ方式の調達となり、プライムがNTTデータ、その配下で富士通、日立、NECがそれぞれ開発を担当する事となった。
(DIPS自体は良いOSだったと思う。)
最終的にDIPSの火は社会保険庁のシステムを最後として消える事となった。(お疲れ様でした~)
DIPS時代から、現在のシステムまで延べ1兆3000億以上の巨費がこのシステム開発と運用に投じてきたと言われるが、5000万件以上の宙に浮いた名寄せデータが10年に渡り放置されてきたのは社会保険庁の無能さは勿論、NTTデータの責任も極めて大きく、かつ重大である。
政府のITガバナンスを強化する為にも、遅ればせながらNTTデータにメスを入れるべきであり、個人的には天下りは必要悪で取り立てて止めろ~とは言わないが、過去から現在に至る経緯・背景を調査し、必要な改革・改善を施す必要がある。
そして本当に社会保険庁のシステムが単独で必要か?との検証の是非とも必要。
基本的に社会保険のオンラインサービスの提供は、お役所なので基本9時~17時で、バッチ処理とバックアップを含めても繁忙期を除けば22時には終了しシャットダウンされる。つまり翌朝7時まではシステムは動いていないのだ。
クラウドコンピューティングとか言われている時代に、これは明らかに無駄だ。
今後税収が増える事は考えにくく、国家財政の自由度が急速に失われている中で、増税はやむ終えないのだろうが、しかし政府自体の無駄の排除も必須であり、やはり政府のIT全体最適は避けて通れない。
その中でもNTTデータが担う政府系システム、社会保険もそうだが、特に国税総合管理システム(一般にはKSKシステム)と呼ばれる国税庁の基幹システムにも大々的にメスを入れる時が来ている。
KSKシステムは文祥堂と言う銀座の文房具屋さんがプライムになっており、その裏には日本IBMの存在が取りざたされているが、勿論、NTTデータも勿論一枚かんでいる。(KSKシステムは陸上自衛隊・朝霞駐屯地に隣接する国税庁事務管理センターにある。)
まあ、でもメスを入れるとは言っても日本人では難しいだろうから外国から政府CIOを招聘し、その配下には元官僚の皆さん、例えば佐藤優氏や高橋洋一氏、それと9月26日付で経産省を退職した当方期待の古賀茂明氏などを配置するのが良いのではないか。まあ彼らの能力からするとIT系以外でも破壊と創造をお願いしたいものだ~
でも民主党政権ではこの手の改革はやる能力が本当に無いないので、どうせ次の選挙で民主党が大敗して、またまた政権交代となった時に、大いに活躍して頂こう。
それまで臥龍。沈思黙考で政策構想を練ろう。