阿部ブログ

日々思うこと

日本電産 と SRモーター

2011年10月21日 | 日記
最近、京都方面に出かける事が多いが、新幹線から見ると日本電産のビルが聳え建っている。ここの社員は社長の影響もあり土日も働く事で有名だが、この日本電産がレアアースを一切使わないSRモーターの開発を加速させている。
この為、川崎に「モーター基礎技術研究所」を新設し10月に着工した。また日本電産はSRモーター製造工場を建造する予定で2012年7月にⅠ期棟を、2014年7月にはⅡ期棟を稼働させる計画。
この背景には、電動化による省エネが広がる中、エネルギー効率が高いことや、価格が高騰するレアアースが不要なこともあり、引き合いが急増している事がある。

SRモーターは、Switched Reluctanceの略で、騒音や振動などまだまだ改善課題を抱えているが、低コストで大量生産に向く、このモーターを日本電産では、コントロール回路などを改善することで振動問題などをクリアできる見通しで、2012年から重機関連、2013年から農業用トラクター向けに量産を開始し、将来は電気自動車向けにも提供できるクォリティを持つSRモーターを開発販売する方針。

矢野経済研究所によると、小型モータの2011年度世界市場規模は104億7241万個の見込みとし、「省エネ・環境ニーズ」の高まりから小型モーターに適用分野が拡大すると予測している。また小型モータの世界市場は2012年度以降もプラスで推移し、2013年には123億4943万個に達すると予測している。背景には新興途上国の経済発展を背景にした民生機器や家電製品の需要拡大が小型モータの出荷増に結びつくとしている。更に新規分野として電動化(省エネ)により油圧シリンダやエアシリンダなどが電動シリンダへの置換えが期待されるとも指摘する。

日本電産は、小型モーター分野、特にハードディスクでは世界市場の80%を占める最有力企業であるが、アップルのMAcAirやインテルのウルトラブックなど軽量化するPC、及びiPadなどスマートデバイスの市場が拡大すると、ハードディスクを使わないデバイスが増るので、2011年3月期に示された成長戦略に狂いが生じる可能性があると考えている。但し同社及びグループ会社の多角化、新興市場の開拓、モーターの新規分野展開などが順調に推移するだろう事から影響は少ないとも考えるが、まあ、最大の影響はやはり世界的なインフレ襲来だろう。