阿部ブログ

日々思うこと

原子力潜水艦の原子燃料の交換は如何に?

2012年07月13日 | 日記
現在の商用炉の主流を占める軽水炉は、原子力潜水艦用炉STR (Submarine Thermal Reactor) から発展した加圧水型軽水炉 (Pressurized Water Reactor, PWR、WH社系列)である。GE社が開発した沸騰水型軽水炉 (Boiling Water Reactor、BWR)は、福島第一原発事故を引き起こした。BWRに未来は無い~

世界初の原子力潜水艦は、1954年就航の米国USS Nautilus号。
1958年には歴史上初めて、北極海の下を潜航し、歴史に名を刻んだ。旧ソ連最初の原子力潜水艦は、Leninsky Komsomol号で1958年に就航。

Nautilus号向けの核燃料を開発したのは、米国バテル記念研究所で、ウラン燃料セラミックペレットを開発している。バテルがね~

原子力潜水艦の燃料は、ウランとジルコニウムのセラミック、若しくは金属合金で、ウランの濃縮度は20%~98%であり、米国の原子力潜水艦の燃料体の場合は,戦闘の衝撃に耐えられるように設計され,重力の50倍以上の戦闘衝撃負荷に耐えることができる。これは,商用原子燃料体の地震衝撃負荷の10倍以上である。

原子力潜水艦の原子炉本体は、全体が完全に溶接されており、一次系は,炉心を収納する原子炉圧力容器と一次冷却水の循環パイプによって構成され、加圧された高熱の水を一次系の中に閉じこめる単一の構造体を構成している。

一次冷却水を循環させるポンプは,密閉された水没型のモーター・ポンプで、全体が完全に溶接された一次系の金属の防護壁の内側に格納されている。このポンプは,外側から電磁力によって操作されポンプに動力を供給するために一次系の外壁に穴を開ける必要はない。原子力潜水艦の一次系防護壁を貫通する金属物は存在しない。

さて原子力潜水艦の原子燃料の交換は如何にの答えであるが、原子燃料の交換は退役まで行われない。20年から30年の現役期間を過ぎると原子力潜水艦本体は解体され、核燃料が抜き取られ原子炉区画だけがハンフォードに運ばれる。

米海軍の場合は、以下のプロセスを経る。

(1)米国海軍は、退役した原子力艦艇、原子力潜水艦の原子炉部を本体から分離し、陸上にて施設にて残存する使用済燃料を取り出したのち米国海軍ピュージェット湾造船所 (ワシントン州シアトル付近)に係留され海上保管される。

(2)海上保管された原子炉からは順次、使用済燃料が分離され、核燃料自体は、列車で国立アイダホ原子力研究所に輸送される。

(3)燃料が取り出された原子炉は、除染され廃止措置が行われた後、原子炉部は、ワシントン州ハンフォードへ輸送され永久処分される。

こうした退役原子力潜水艦や艦艇の原子炉は、2007年9月までに 117基 がハンフォードへ搬入されている。

日本は中国の軍拡を眼の前にして原子力潜水艦に核ミサイルと搭載して排他的経済水域を中心として遊弋して、核抑止力を持つべきではないか?
AIPを搭載した「そうりゅう」が就役しているが、AIPでOKか?