阿部ブログ

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イラン革命防衛隊「アル・クッズ」部隊 ~イランがシリアでの活動を認める~

2012年09月17日 | 日記
イラン革命防衛隊「アル・クッズ旅団」ペルシャ語では نیرویقدس

シリアの動乱が収まらないが、反イスラム映画を契機とする反米デモの拡大というこのタイミングで、イラン政府が、イラン革命防衛隊の「アル・クッズ旅団」のシリア国内での活動を認めた。
シリアにいる「アル・クッズ旅団」の規模は不明であるが、軍事作戦には従事していないとしているようだが、それは嘘だろう。

「アル・クッズ旅団」は、革命防衛隊のエリート部隊で、特に隷下の第400部隊は、海外でのテロ活動を行うなど海外、特にイスラム圏での活動を積極展開している。

この「アル・クッズ旅団」は最高指導者アリ・ハメネイ師の直接隷下の軍事組織で、イラン大統領府情報部や情報省など、政府系の諜報機関と協働で、海外工作を実施しているが、部隊員は高度な訓練を施されており、海外でのテロ実行能力は、他の追随を許さない実力を有する。

「アル・クッズ旅団」は、イラン=イラク戦争時に新編された部隊で、危険な第一線に投入されイラク軍の攻撃を阻止する上で多大な貢献をした。その後は、レバノンにおけるヒズボラを支援、イラクにおいてはクルド民兵支援、アフガニスタンではアフマド・シャー・マスードのタジク人部隊を支援、またボスニアではイスラム教徒軍を支援し、海外での軍事工作とテロ活動に関する経験とノウハウ、世界各地で活動するテロ組織との人的ネットワークを着実に構築してきた。

「アル・クッズ旅団」は、不正規戦の訓練センターをスーダンとレバノンに保有していると言われる。特にスーダンのアル·ナスルキャンプでは、イラクのシーア派とクルド民兵の訓練施設があり、北西イランのマシュハド近くのキャンプには、アフガニスタンとタジキスタンの反政府活動家を支援・訓練する施設が確認されている。

イマーム·アリ大学には、イラン革命防衛隊の特別講座と訓練プログラムがある。コム、タブリーズ、マシュハドにも大規模な訓練キャンプがある。
バンダルアバスには、フログメンを養成する水中戦闘の訓練施設があるが、ここはホルムズ海峡の閉塞作戦を担当するイラン海軍とイラン革命防衛隊の中核である。

「アル・クッズ旅団」のテロ活動は「特殊作戦会議」で決定される。この会議メンバーは、ハメネイ師、大統領、イラン大統領府情報部長、外務大臣、情報大臣、国防最高評議会で構成される。
さて「アル・クッズ旅団」の部隊規模は、6000人から7000人と推定する向きが多いが、第400部隊などテロ活動の中核要員は500名~1000名の間と推測している。

このイラン革命防衛隊「アル・クッズ旅団」は、CIAやイスラエルのモサド、サウジアラビアの統合情報局が最大の主要敵と目されているが、今回のシリアでの活動を認めた事により、より公然と活動を展開する予兆ではないだろうか?
ハメネイ師は「特殊作戦会議」で、シリアなど海外での活動を積極的に展開するよう指示したが、反米活動の時期と同期している事から「アル・クッズ旅団」の活動には注意が必要だ。

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