AFのしくみ
カメラのオートフォーカス(以下AF)は主に被写体のエッジのコントラスト
を検出して距離を測っています。
ですから、全体的に均一な色合いや、画面が極端に暗かったり、
明るかったりするのが苦手です。
一般的なカメラの場合、ファインダーや液晶画面に”AFフレーム”
というものがあります。
これをピントを合わせたい物に向けてピントを合わせます。
昔は一つだけだったのですが、今はいっぱいあるんですなあ。
”画面のどこにあってもピントが合う”という訳なんでしょうが、
これが自分の思っている所に合わせてくれないんですなぁ。
大体、一番近くにあるものにピントを合わせる傾向があるようです。
ではどうするか?
勝手にカメラがAFフレームを選択しないように、自分でAFフレームを
選択し設定します。
そのフレームでピントを合わせ、ロックします(シャッター半押し)、
そのまま自分の意図の構図に変えてシャッターを下まで押します。
これをフォーカスロックと言っています。
このとき変えるのは構図だけで、ズームレンズのズームをいじっては
いけません。
設計上”ピントが合った状態でズームしてもピントは合ったまま”
のはずなのですが、中にはデキの悪い玉があるようで、ピント位置
がずれる可能性があります。
置きピン
鉄道写真のように、今いないんだけど来たときに素早くピントを
合わせるにはどうするか?
あらかじめ近くの電柱などにピントを合わせておきます。
そして”その場所に来たときに”シャッターを押します。
これを”置きピン”と呼んでいます。
このとき、電柱にピントを合わせたらマニュアルフォーカス(以下MF)に
切り替えておかなければなりません。
シャッターを押したとき、もう一度AF動作をさせないためです。
追従型AF、AIサーボAF
中級機以上のカメラでは上記のAFを搭載しているものがあります。
追従型AFはシャッターを半押ししている間、AF動作を繰り返します。
動いている物を撮影するときに使います。
AIサーボAFはもっと賢くて、等速で移動している被写体の速度を計算し、
次にいるであろう距離の所までレンズを先回りで移動させます。
成功写真が撮れる可能性が大きくなります。
主に、車や列車の撮影につかいます。
MF
「MFって手動でしょ?」
たしかに話はそれで終わりですが、補足事項があります。
ファインダー式のカメラの場合、暗いレンズだとピントが合わせずらい
傾向があります。
だったら明るいレンズならいいのか?
明るすぎるレンズは深度が浅すぎて、これまたピントが合わせずらいのです。
EF85mm 1.4Lクラスのレンズは絞り開放ではMFはムリと言われています。
またレンズの設計の違いでも、ピントが合わせやすい物と、そうでないもの
があるようです。
これを”このレンズはピントの山をとりやすい”などと表現します。
「俺わぁ、AFなんてものわぁ、使わねぇの!」
そんな自慢をしていたのは昔の話。
今のAFは人間の目よりはるかに優秀です。
積極的に活用した方がいいと思います。
なりより、神経を絵作りに集中できますからね。