会津天王寺通信

ジャンルにこだわらず、僧侶として日々感じたことを綴ってみます。

県博での興福寺展と一三権実論争について

2019-06-18 19:05:15 | 日記

 福島復興記念展として「興福寺と会津 徳一がつないだ西と東」が7月6日から8月18日まで会津若松市の福島県立博物館で開かれ、国宝の維摩居士坐像などが展示することになっていますが、仏都として会津が見直されることは、大変良いことだと思います。

 興福寺は南都六宗のうちの法相宗ですが、そこで学んだ徳一は9世紀初め、天台宗の最澄と一三権実論争を繰り広げたのでした。それ以降の法相宗の教えはあくまでも奈良や京都にとどまり、法華経を重んじる私どもの天台宗が大きな流れとなり、鎌倉仏教の法然、弁長、証空、一遍、親鸞、栄西、日蓮、道元もまた、比叡山で修行をしたのでした。

 その論争について考える上で、今私が読んでいる楠淳證・舩田淳一編の『「仏性論文集」の研究』は大いに参考になります。龍谷大学アジア仏教文化研究叢書7として今年2月に発刊されたばかりですが、著者の菩提院蔵俊(1104~1180)は平安末期の著名な唯識学者であり、「序辞」において楠淳證氏は「世親の『仏性論』について多角的視野からの検証を行った優れた書物であり、ことに現行の『仏性論』が漢訳者の真諦三蔵(499~569)によって改変されたものであると主張している点に大きな特色を有する書物であることが明らかになった」と述べるとともに、徳一撰の『教授未学章』『中辺義鏡章』『法相了義灯』が収録されていることから、「従来の一三権実論争研究に対しても一石を投じる貴重な文献であるといってよい」と力説されています。

 私ども天台宗は「誰もが成仏できる」との信仰にもとづいています。しかし、その信仰を打ち固めるためには、徳一の存在があったわけですから、私は『「仏性論文集」の研究』をじっくり読むつもりです。感想については、後日ブログにアップしたいと思っております。

                            合掌

 

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今はサツキやヤマボウシが満開  柴田聖寛

2019-06-01 16:10:58 | 日記

入梅の候となりましたが、皆様にはいかがお過ごしでしょうか。会津天王寺の境内にはサツキやヤマボウシの花が満開です。サツキの花言葉は「節制」、ヤマボウシの花言葉は「友情」です。今の殺伐した時代にあっては、忍耐強さと、真の友を持つということが大事ではないでしょうか。

会津天王寺では、このあとサルスベリも見頃になりますので、ぜひお立ち寄りください。

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早起きをして草むしりや花の手入れ 柴田聖寛

2019-05-19 09:42:45 | 日記

 もう会津も初夏の装いですが、会津天王寺の境内は霧島ツツジ、オオムラサキ、百日紅などが咲き乱れる季節になりました。今月に入ってからは、いつもより私は早起きをして、花の手入れや草むしりをしております。お茶のみ方々気軽に天王寺にお出で下さい。お待ちしております。   

                                                                                           合掌

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聖寛のホーホケキョ「令和に思う」

2019-04-16 17:26:54 | 日記

 もう少しで平成が終わろうとしていますが、色々な思い出が脳裏をよぎってなりません。私が天王寺に入山したのが平成4年4月でした。バブルが崩壊して、世の中が大きく変わろうとしていたときでした。関西で修行した身としては、会津は何もかも30年から50年後れていると、私が直感の人間ですから、来てすぐに瞬間的に思いました。

25年間無住であった寺を再建するのは大変でしたが、平成15年には山門を整備し、平成18年と平成19年には、本堂と観音堂を改築することができました。皆様のご協力の賜物と感謝いたしております。

 忘れられないのは「一隅を照らす40周年東日本大会」を平成21年10月、「一隅を照らす45周年東日本大震災復興記念大会」を平成26年11月に郡山市の磐梯熱海で開催されたおりには、事務局としてお手伝いができたことです。とくに「一隅を照らす45周年東日本大震災復興記念大会」は平成23年3月11日の東日本大震災からの復興に向けた祈りの場として、大きな意義があったと自負しております。

 個人的には平成28年に東京の出版社から『聖地大仏都会津巡礼』を、また、平成30年には冊子の『聖地仏都巡礼』を世に出すことができました。無鉄砲だといわれましたが、おかげさまで『聖地大仏都会津巡礼』の方はほぼ完売しました。

 新しい「令和」の時代においては、私の使命は人材育成だと考えております。伝教大師最澄の「山家学生式」の教えには「国宝とは何物ぞ 宝とは道心なり 道心ある人を 名づけて国宝と為す」とあります。「道心ある人」を一人でも多く、育成するのが目標です。暇があれば出かけて行って、お話をするように心がけていますのも、それがあるからです。

 平成は波乱万丈で、天変地異の自然災害がありました。「令和」には東京オリンピック・パラリンピック、大阪万博も予定されています。平和で豊かな国家を築くことで、必ずや世界から高い評価を受けるのではないでしょうか。ホーホケキョ。

                            合掌

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ー新年にあたってのご挨拶ー    柴田聖寛

2012-12-16 15:22:31 | 日記

2013年(H25年) 住職ご挨拶

 千年に一度の東日本大震災と人災でもある原発事故

「今年は参回忌です」

天台宗徒として祈りも大切です。

傳教大師の思いと「志」は、あと「実践」です

その実践とは(習慣の壁を破る事。それには自分を高めようと挑むこと。・身についてしまえば習慣になる・更に新たな課題に取り組む勇気である)

国民と共にバランス的思考と目線に立って「復興真最中」突進あるのみ!!

技術立国である我らが国土「助け合いの精神」老若男女ガンバロウ!

福島を救うのは「信仰の力」だ!

おのおの第一歩・・・・前進

努めよ!努めよ!!

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