会津天王寺通信

ジャンルにこだわらず、僧侶として日々感じたことを綴ってみます。

東北復興は「求法人」の祈りの心で(上)  会津天王寺住職 柴田聖寛

2013-08-29 08:15:32 | ボランティア

 

東北復興は「求法人」の祈りの心で(上)

―東日本大震災から2年半を経過してー

                                                     2013年9月13日

                                                              会津天王寺住職 柴田聖寛

慈覚大師1150年御遠忌が平成24年4月1日から平成27年3月31日までの期間にわたって行われますが、平成23年3月11日に東日本大震災が発生したこともあり、「求法人(ぐほんじん)」の祈りが全国津々浦々に広がっています。

東日本大震災と同じ規模の千年に一回ともいわれる貞観大地震が起きたのは、貞観11年(869)年7月6日のことでした。慈覚大師円仁は貞観6年(864)正月14日に亡くなられましたが、由緒あるお寺は全国で615カ寺ともいわれており、その偉業ははかり知れないものがあります。東北地方だけに限っても106カ寺に達します。その地震の前にも、天長7(830)年の出羽国で大きな地震があり、天地は裂け、山崩れとなり、人々は恐怖におののいたのでした、それを見かねた慈覚大師は巡礼の足をのばしたのでした。

とくに、貞観大地震の地震や津波で大打撃を受けた東北地方は、天台宗のお寺が中心となって祈りを捧げたのでした。慈覚大師が撒いた天台宗の種が、東北の人々を励まし元気づけたのです。そうした故事にちなんで、今回の東日本大震災に際しましても、天台宗は祈りと復興への協力によって、東北の人たちを積極的に応援してきました。

東日本大震災に際しては、春のお彼岸の時期でもありましたが、ガソリンが来なくなったり、福島第一原発事故で会津地方も大騒ぎになったりしていましたので、それどころではありませんでした。

被災地への救援物資の輸送にも私は携わりましたが、まだ高速道路の規制があった3月19日、滋賀県の東雲寺の御住職、真光寺の副御住職の御協力を得て、比叡山延暦寺を中心に、関西各地の宗派を超えた御寺院様から御預かりした救援物資を積み込み、私たちが運転して、会津若松、本宮、郡山というように回りました。それに引き続いて4月1日には、南相馬の日光寺様に食料などを届けました。目が回るほどの忙しさでしたが、私の性格からしても、じっとしてはおれなかったのです。

また、私は天王寺の住職として平成23年4月28日、自寺で慰霊祭を執り行いました。そして、5月9日に気仙沼の大島で天台宗有志、5月11日には陸前高田、気仙沼の観音寺で、座主猊下が参列しての天台宗の慰霊法要がしめやかに行われました。陸前高田では、高台の梨畑は自衛隊や警察の車両で埋まり、そこで宿泊していたのを目撃しました。

「一隅を照らす運動45周年記念大会」が来年11月12日に郡山市の「ユラックス熱海」で開催されます。東北の地に一日も早く平安な日々がもどるように、さらなる祈りを捧げたいからです。

東日本大震災では、津波などでの死者と行方不明者は約2万人にのぼります。それにともなう福島第一原発事故によって、約30万人もが避難を余儀なくされています。忘れてはならないのは、福島第一原発の事故は今もなお続いていることです。収束にはいたっていないのです。今年の8月になってからは、汚染水の問題が明らかになってきており、放射能との闘いは未だに終わっていないのです。

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柴田聖寛の独り言

2012-09-09 08:04:01 | ボランティア

最近思うこと

---平成24年9月1日のメモより---

今年は暑かった。冬は寒くおそらく大雪だろう。

これからは発信力の戦いだと、漠然とながらそう思えてなりません。近いところでは、ドル、ユーロ、円を刷りまくって最後は債務不履行で大恐慌か?大震災あっても生活はもとのまま。そこに奢りはないのだろうか。経済的にはドイツと日本は今のところ安泰、 しかし、遊び人の国は危うい。

合掌

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地獄の中の菩薩

2012-07-25 18:24:20 | ボランティア

 東電福島第一原発事故で収束作業の陣頭指揮を執っていた前所長、吉田昌郎氏の福島民友新聞の記事(平成24年7月25日)危険を顧みず行動する部下「地獄の中の菩薩」と云い感謝したと言われた。それに法華経の地面から湧いて出る菩薩をイメージしたと言われています。

 私は、この記事を読んだときにすぐ法華経の縦地湧出品第15であると思った。この経典は、お釈迦さまは即座に、この娑婆世界には出家在家を問わず無数の菩薩がいると私が入滅したのち不惜身命に教えを説き広めてくれます。

貴方たちの援助は不要です。ときっぱりと断られたのである。

空中で説法を聴聞していた大衆がアッと声を上げて驚いた

見下ろすと地上から無数の菩薩が湧き上がって来たのであります。先頭の四人に続いて、菩薩達が雲集して空中のお釈迦さまと多宝如来に合掌礼拝し、お釈迦さまはこの難しい娑婆世界でのご化導まことにご苦労様です。とお釈迦さまを懐かしい目で見上げ礼拝しました。呆気にとられた娑婆の弟子達を見られたお釈迦さまが最初に来た四人は、上行、無辺行、

浄行、安立行で菩薩達の先達だ。過去の世から私の教えを実践してきたのだ。ここに湧き出た菩薩達はみな衆生を救い導く力を養っている。だから輝いているのだ・・・・・

御仏の仰せはすべて真実です疑うことはありませんが私たちの想像をはるかに超えています。凄まじい状態の中で吉田前所長は部下の後ろ姿に「手を合わせて感謝」。

この方は上記の四人の中の一人であって大先達ではないでしょうか

 

合掌

会津天王寺 柴田聖寛

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「阿武隈川や阿賀野川の支流で放射性物質の汚染拡大」

2012-07-06 17:15:35 | ボランティア

 福島第一原発の事故について、NHK教育TVで、去る6月10日の夜10時から1時間にわたって報道された「ネットワークでつくる放射能汚染地図6川で何が起きているのか」は、福島県内がどれだけ深刻な事態になっているかを私たちに教えてくれた。
 福島県内を流れる阿武隈川、阿賀野川がどんなことになっているかについて、上流から下流まで400ヶ所を調査した結果を踏まえ、その危機に迫ろうとしたのだ。文部科学省によると、阿武隈川では1日当たり1700億ベクレルの放射性物質が移動しており、29万6千ベクレルであった郡山市の酒蓋公園の池をはじめ、場所によって今もなお川底の泥から6万ベクレルを超える高濃度の汚染が検出された。それは会津地方を流れる阿賀野川でも同じだ。会津坂下町を流れる支流でも、1万7千ベクレルに達している。このことについて、その番組の紹介文では「水によって集められ、川という道で予想外に遠くまで移動し、留まり、汚染を拡大させている放射性物質の実態と、その動きに翻弄される流域住民の苦悩を伝える」と書いている。
 現実を直視する勇気をもって対処しなければ、この危機は乗り越えられないのであり、私たちは現実から目をそむけてはならないのである。

              合掌  会津天王寺  柴田聖寛

 

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祈りと実践で東日本の復興を!   -柴田聖寛ー 

2012-05-25 06:25:37 | ボランティア

 千年に一度の東日本大震災として人災である原発事故の一周忌を迎え、天台宗徒として祈りも大切であるが、傳教大師の思いと志は、あと「実践」あるのみ。
 国民と共に、バランス的思考と目線の上に立って、復興に向かって突進あるのみ。
 
技術立国である我らが国土「助け合いの精神」老若男女…ガンバロウ。半歩でも前に…。福島第一原発四号機のメルトダウンを即刻解決することを祈る。来年は三回忌にあたります。  おのおの方一歩前進。

                        平成24年(2012)5月16日

                                           合掌

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