福島第一原発の事故について、NHK教育TVで、去る6月10日の夜10時から1時間にわたって報道された「ネットワークでつくる放射能汚染地図6川で何が起きているのか」は、福島県内がどれだけ深刻な事態になっているかを私たちに教えてくれた。
福島県内を流れる阿武隈川、阿賀野川がどんなことになっているかについて、上流から下流まで400ヶ所を調査した結果を踏まえ、その危機に迫ろうとしたのだ。文部科学省によると、阿武隈川では1日当たり1700億ベクレルの放射性物質が移動しており、29万6千ベクレルであった郡山市の酒蓋公園の池をはじめ、場所によって今もなお川底の泥から6万ベクレルを超える高濃度の汚染が検出された。それは会津地方を流れる阿賀野川でも同じだ。会津坂下町を流れる支流でも、1万7千ベクレルに達している。このことについて、その番組の紹介文では「水によって集められ、川という道で予想外に遠くまで移動し、留まり、汚染を拡大させている放射性物質の実態と、その動きに翻弄される流域住民の苦悩を伝える」と書いている。
現実を直視する勇気をもって対処しなければ、この危機は乗り越えられないのであり、私たちは現実から目をそむけてはならないのである。
合掌 会津天王寺 柴田聖寛