皆さま、こんにちは。3月も第2週に入りました。
いよいよ平成27年度 最終展示会が昨日3月6日より始まりました。
葛皓展★まずは、会場風景をご紹介




次に、画家の葛皓氏をご紹介いたします。
葛皓氏は、1972年にスペイン・マドリッドに留学し、その後フランスに渡り
パリ美術学校「アトリエ17」に学び、そのままパリに留まりアトリエを構え
現在に至っています。
その作品はスペインリアリズム絵画の影響を色濃く残し、花・籠や器に盛られた
果物・貝殻・ガラスなどを細密に写実し、背景はすべて抽象化された色面とテクスチャーで
構成して描かれています。
作品の神秘性と精神性はこの背面の画面の完成によりもたらされているといえます。
このような画法は、パリにおいて異邦人であることを意識する中で得たものであり
日本の美術史と日本的精神性への回帰の中から生み出されてきたものです。
さらに、作品を実際に鑑賞すると不思議な非現実的な空間世界を感じさせますが
それは描かれた作品が、画面の奥へと向かい見えない奥へと広がっていくためです。
つまり、作品は物を描いていますが、その物を描いているのではなく、物を通して
人間の生命であるとか、宇宙の摂理のような言い難い叙情的精神を描いているためで
あります。
葛皓氏とのご縁は、若き日の葛氏の才能を認め、作品を深く愛され
「長浜芸術版楽市楽座」を始めとして、長浜の芸術を通した街づくりに
おける中心的存在として活動された、故石井英夫氏によりみいだされたことに
始まります。
それから四半世紀を迎えた現在、皆さま方の変わらぬご支援とご理解をもち
長浜とは深い絆で結ばれております。
前回の故白木正一氏といい、葛皓氏といい、長浜市とのご縁を作ってくださった
故石井英夫氏に、当ギャラリースタッフの私としては大変興味を覚えるところです(笑)
平成7年に50代の若さで他界されたと伺っており、石井氏の街づくりにかける
情熱を思う時、志半ばで実に無念だっただろうと、心が痛みます。
展示会のご案内の最後になりますが、故石井氏の意志を受け継ぎ
芸術を通した街づくりを進めている当ギャラリー楽座を、
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます

葛皓展
会期:平成28年3月6日(日)~3月20日(日) 木曜休廊
会場:ギャラリー楽座 長浜市元浜町14-23
問合せ:0749-65-0393