「 白いハマナスがあるんですってね~ 」
その人が言いました。
そう、ハマナスと言えばピンク色。
様々なところへ問い合わせ、受け取りに行きました。
白いハマナスを。
1つは母ちゃんが持ち帰り、
もう1つは、その人へ送りました。
送ってあげたかったのです。
急いで。
笑ちゃんは心が美しいので、その人の声が聞こえると思います。
その人に宛てて。
その人は、母ちゃんの愚痴を大きな心で聞いてくれていました。
その愚痴は、それはそれはくだらない内容で。
それでも、その人は、
親身になり聞いてくれました、味方になってくれました。
ときどき絵本が、その人から送られてきました。
1つ読むたびに、なぜだか反省の気持ちが沸き上がり。
一瞬でも嫌な事が頭から離れてくれました。
何度も愚痴を聞いてくれました。
そして、何冊もの絵本が送られてきました。
絵本を通じて、
母ちゃんに足りないところを埋めようとしてくれたのでは?
そんな風に思えるようになりました。
送られてきた絵本の中に、不思議な一冊があります。
何が不思議かというと、読むときにより、
感じ方が違うのです。
今から110年前のニューヨークに生まれた作者。
マーガレット・ワイズ・ブラウン。
68年前に42歳と、まだ若くして亡くなられている方です。
母ちゃんの父方のばあちゃんとは、5歳違いで。
ばあちゃんは、104歳までこの世にいました。
ばあちゃんとは同年代。
その頃の人が書いた本。
ニューヨークと日本と離れているせいなのか、
うちのばあちゃんが、こんな事を頭に描けたのかな?
そこまで想像は膨らみました。
ページをめくるたびに、たいせつなことがこころに突き刺さる1冊ですが。
樹木希林さんの娘、内田也哉子氏が初めて翻訳した絵本です。
あとがき、の文章にも魅力を感じます。
これが25歳の文章とは、驚きです。
まだ、本当のところはたぶん理解していない母ちゃんだと思います。
これからも、読み続ける1冊です。
その人を思い乍ら。
タイマーもかけていないのに。
毎年同じ頃に花を咲かせ香りを風に乗せてくれます。
その人を忘れないように。
「 白いハマナスがあるんですってね~ 」
声が聞こえてこないかな~