はざまの庵

分類し難い存在を愛でる覚え書き by aiwendil お気軽にコメントをどうぞ。

<font size="-3">NHK「禁断の科学」。</font>

2005-12-05 22:40:10 | 科学など
NHK教育の教養番組「知るを楽しむ」。
月曜の新シリーズは「禁断の科学」だそうです。
科学と技術の<便利>と<危険>の両面を、歴史を通して検証するといった主旨。
冒頭では、現在家電製品に使われている技術の多くが軍事技術に由来しているといった例を挙げ、科学技術は一般市民が思っている以上に物騒な側面も持つことを提示。
そこから、講師の池内了氏がアナウンサーとの対談形式で講義をすすめてゆく、といった体裁のようです。
なかなか面白そう。
「『科学者は予算に弱い』これは紛れもない事実。」池内氏の指摘に頷。
どう議論を展開するのか、興味深いです。
バランスの良い講義を期待します。
*番組詳細は→こちら



<font size="-3">「大人の科学」8号。</font>

2005-08-07 20:47:10 | 科学など
前々から気になっていた学研の「大人の科学」。
ずっと我慢していたのですが、今回の8号は付録に負けて購入してしまいました。
その付録とは、テンプ式振り子時計の組み立てキット。
otonanokagaku2←これがキット一式。
(本来ならばこんなことをやっている場合ではないのですが(^^;)さっそく組み立ててみました。
丁寧すぎるほどの解説書もあり、半時程度で完成。


otonanokagaku3
ところが、解説書どおりの重さの錘をつけたところ、振り子が1秒に満たない高速で振れてしまい、どうにも調節できません。そこで、錘重量を4割カット。
なんとか1拍1秒ほどのリズムで時を刻んでくれるようになりました。
一回のネジ巻で約13時間稼動します。
不安定にぎこちなく、しかし着実に時を刻む原始的な振り子時計。
職人たちの生み出す精緻な装置には遠く及びませんが、なんとも不思議な愛着を生むからくりです。






<font size="-3">キメラマウスでメス由来精子が発生?</font>

2005-03-01 22:20:44 | 科学など
Yahooニュースからの引用。
雌雄細胞のキメラマウス精巣内で、メス由来の精粗細胞と卵細胞がともに形成されることを、大阪大学の岡部氏が発表したそうです。
ソースは→こちら
元論文が掲載されるはずのPNAS 3月1日号電子版がまだ閲覧できないので、あくまで「精粗細胞」なのか本当に「精子細胞」まで分化しているのかまではわかりません。
もし本当に精子形成されているのだとすると、オス由来細胞のシグナルによってメス由来細胞が完全に雄性生殖細胞として機能するほどに分化し得たということになります。
つまり、「母親由来の精子」というシロモノをつくることが論理的には可能になるわけです。
が、いっぽうで、その、オス由来細胞のシグナルが充満した環境下で、なぜ卵細胞が無事発生し得たのか、ということもとても気になります。
いままでの性分化に関する知見の常識でいえば、オスの細胞が混ざっていた時点でその個体の生殖腺は精巣になり、その後の分化カスケードにともなってオス個体が形成される、と考えるのがふつうです。
キメラといえども正常オスの遺伝子を持った個体の生殖腺に卵細胞が発生したことのほうが、じつはすごいことなのではないかと思えます。
もしも遺伝子以外の外的要因(物質)によって卵精巣が形成されたのだとしたら、哺乳類でははじめての例になるのではないでしょうか。
とてもエキサイティングです。
・・・・・まあ、ソースはあくまでマスコミ記事ですので、元論文を読んでがっかり・・・ということも十分ありえるのですが(^^;。
いずれにせよ、元論文を読むのがとても楽しみです。



<font size="-3">「Mupid-ex」。</font>

2005-02-03 23:19:21 | 科学など
職場で新しい電気泳動槽が導入されました。その名も「Mupid-ex」。
遺伝子を扱うラボで汎用されている Mupid の上位機種です。
で、実物を見てびっくり。
たいへんなスグレモノです。
UV透過素材なので、泳動槽ごとバンド確認ができる。
最大104検体まで同時に泳動可。おまけに8連ピペット対応。
泳動タイマー付き。電圧4タイプ切り替え可能。
Mupid よりもほんのひと回り大きいだけなのに、これらの機能がコンパクトに収まっています。
しかもこのお値段。
もはや感動的ですらあります。
古いタイプの Mupid も愛着がありますが、これなら喜んで使えます。
ほんとうに、汎用機器の進化はありがたいです(^^。


「Mupid-ex」の情報は→こちら


<font size="-3">「細胞の分子生物学(第4版)」の日本語版、発売!</font>

2004-11-17 02:09:54 | 科学など
生物学に携わる者の必携とでもいうべき「細胞の分子生物学」。
9年ぶりの大改訂を行った『MOLECULAR BIOLOGY OF THE CELL FOURTH EDITION』が2001年に刊行されて以来、邦訳が待ち望まれておりましたが、その日本語翻訳版である『細胞の分子生物学 第4版』がとうとうニュートン・プレスより刊行になりました!
11月17日ごろから全国の書店で発売されるそうです。
おおまかな書籍情報は以下のとおり。


『細胞の分子生物学 第4版』
ブルース・アルバーツ,アレクサンダー・ジョンソン他著
中村桂子,松原謙一 監訳
A4変型判並製/本文カラー4色刷/総ページ数1,728ページ
総図版数 1,600点以上
『用語集』『英語・日本語索引』付
定価22,050円(本体21,000円+税)
ISBN4-315-51730-5 C3045


詳しくは発売元HPの特集ページをどうぞ。

特集ページは→こちら

英語版をみていると、第3版にくらべてかなり大規模に再編され、図版も増えてより充実した内容になっているようだったので期待していました(装丁がまたオシャレ。裏表紙が某有名アーティストジャケットのパロディになっておりまして(^^;。)。いやあ、第3版を買うのを控えて待った甲斐がありました。
(えっ?英語版は買わないのかって・・・? それは・・・・・ごにょごにょごにょ・・・・)
さっそく購入したいと思います♪





<font size="-3">バナナを食べた子牛。</font>

2004-11-05 03:08:48 | 科学など
同僚が行った東北地区獣医師大会3学会の抄録集をながめていたら面白い演題をみつけました。
「バナナ給与がF1導入子牛の免疫細胞におよぼす影響」
松田さんという方の発表です。
以下、抄録から抜粋引用しますと・・・・


1 はじめに:現在、F1肥育農家では子牛導入直後からの感染症が多発している。そこで、今回我々は導入時における免疫力の低下を防止する目的でバナナを導入子牛に給与し、免疫細胞に及ぼす影響を調査した。
2 材料と方法:調査期間は2004年6月18日から7月3日とし、管内肥育農家に導入されてきた約1か月齢の雄のF1子牛18頭を供試した。導入0、5、10、15日目に頚静脈より採血を行った。導入1日目より5日間、給与群(n=9)はバナナ(2g/kg)を脱脂粉乳に混ぜミキサーを用いて撹拌し、哺乳バケツで経口給与した。対照群(n=9)は、脱脂粉乳のみを同様に給与した。血液検査は、白血球数、単核球数の測定と白血球表面抗原の解析を行った。白血球表面抗原の解析は抗ウシCD3、CD4、CD8、CD14、CD45R、WC1、TcR-N12、MHC class-II 抗体を用いフローサイトメトリーで行った。各群の検査成績は、導入0日と導入後の各採血日の比較および、同日の給与群と対照群の比較を student の t 検定を用いて行った。
3 成績および考察: (省略・・・・)以上の結果より、F1子牛へのバナナ給与は、メモリーT細胞、γδT細胞の増加を誘導することが明らかになった。子牛に対するバナナの給与は幼齢期における免疫の成熟を促進することが示唆された。
<平成16年度 東北地区獣医師大会抄録集 p36より>


だそうです。
ウシにバナナを食べさせるというだけでも微笑ましいのに、バナナを食べさせた子牛の血液でフローサイトメトリーまでしてしまうという、ローテクとハイテクの共存が強烈に可笑しくって、抄録を読みながら独りで笑っておりました(^^;。
いや、でも、これ、真面目な研究なんですよ。念のため(笑)。
しかも有意に免疫促進効果も得られているし。画期的なのかもしれません。実際(^^。


追:ちなみに、F1というのは、ホルスタインの母に黒毛和種の父を持つ混血牛のことです。雑種1代目の略号で「F1」。ホルスタインよりも少し小柄で肉質も上がるので、出産が楽&肥育できるということで、乳牛の子として重宝されています。
追2:さらにちなみに、フローサイトメトリーというのは、白血球の表面にある物質を特殊な抗体で印をつけ、どんな種類の白血球がどのくらいあるのかを調べるための方法です。ものすごく高価な検出機器がないとできない、とても難しい実験です(^^;。




<font size="-3">魅惑のアナホリフクロウ。</font>

2004-10-18 23:42:22 | 科学など
「地球! ふしぎ大自然」という番組を見ました。
特集はアメリカ中西部に棲息するアナホリフクロウ。
仰天しました。
フクロウらしからぬ長い足。しかも俊足。
真っ昼間から走る走る。
プレーリードッグの巣穴を拝借して地面の穴に住み、かと思うと、チョウゲンボウも真っ青のホバリング飛行。
たいへん器用。素晴らしい。
しかしながら、思わず笑ったのがヒナの顔。
親よりも「おっさんくさい」のです(笑)。
それに限らず、アナホリフクロウという存在自体が醸し出す独特の可笑しみ。
クセになりそうです。
あの面白さ加減はきっと見なけりゃわかりません(笑)。
魅惑のアナホリフクロウ。
鳥好きはもちろんのこと、オモシロ動物好きも必見です。
再放送は木曜深夜1:00~1:43(ただし、近畿地方のみ別番組のため休止)だそうですので、興味のある方はぜひ。おすすめです。


「NHK 地球! ふしぎ大自然」HP アナホリフクロウ紹介ページは→こちら