フィリップ・プルマン作の児童文学「ライラの冒険」が映画化されると知ってから数年。
ふと気付けば日本でも公開目前。いつの間にか公式サイト等もできておりました。
ところでこの「ライラの冒険」の物語世界を特徴付けるもののひとつがダイモンという存在です。
ダイモンはこの物語世界の人間が必ず持って生まれてくるその人の分身のような存在で、動物や虫の姿をしています。子供の頃は気分に応じて様々に姿を変えますが、長じるにつれてその人の本質を表すような形に固定されます。いわば魂が身体の外に現れたもの。心理学でいうところのアニマやアニムスといったものを彷彿とさせる、実に魅力的な設定です。
件の映画のサイトに、なんと、このダイモンを調べようというコーナーがありました。
簡単な性格分析から被験者を31種に分類し、対応した生物へあてはめようという企画です。
作中のダイモンはもっと多様ですが、これはこれでなかなか面白い。
試してみたところ、私はユキヒョウでした。名前はアポロニオスだそうです。
端正な絵柄と凝った造りが美しい。
さらにもう一度試してみたところ今度はライオン。名前はファイロン。
他にもちょっとした回答差でヤマネコやオオヤマネコが出ました。
どうやら私はまだダイモンの姿の定まらない子供らしい(笑)。
いずれにせよ性格的にはネコ科猛獣っぽいイメージのようです。
プログパーツもあったのでユキヒョウを貼り付けてみます。
リンクから診断サイトへ飛べますので興味のある方はどうぞ遊んでみてください。
<script type="text/javascript" src="http://deamon.tempdomainname.com/daemon.js"></script>
<script type="text/javascript">
</script>
(おっと、ocnはこのブログパーツをサポートしていない模様。
興味のある方はブログパーツのサイト→
http://daemon.gyao.jp/blogseal/list/
もしくは公式サイトの該当ページ↓ へどうぞ。
http://www.goldencompassmovie.com/?&start=daemons
少し重いサイトなのでナローバンドの方は注意。)
なかなか力の入った「ライラの冒険」映画宣伝。
肝心の第1部「黄金の羅針盤」本編は日本では3月1日公開とのこと。
どういった作品になっているのか興味深いので、できれば足を運んでみたいと思います。
ちなみに、この3部作原作はかなりの大風呂敷なうえ、キリスト教文化圏では物議を醸しそうな内容をはらんでいるため、万人に諸手を上げておすすめとは言えないのですが、とりあえず読書好きで英国児童文学好きなら読んで損はないと思います。
ところで、せっかくなので昔書いた書評を掘り出してみました。
以下、2001年に書いたブックレビュー。読んでみようかという方は参考にどうぞ。
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フィリップ・プルマン著 (1992~1999)
〈ライラの冒険シリーズ〉 ☆おすすめ☆ カーネギー賞受賞作。
1「黄金の羅針盤」 2「神秘の短剣」 3「琥珀の望遠鏡」
His dark materials との副題の着いた三部作。第一部は我々の世界と少し異なる世界、第二部は我々自身の世界からはじまる。第三部は各世界間を移動する。
心の一部が動物(ダイモンという)の形をとって現れる世界に住む孤児の少女ライラは、ある日のいたずらを機に思わぬ陰謀と冒険に巻き込まれる。子どもに降り注ぐ光の粒子「ダスト」の秘密やダイモンの不思議をめぐって謎は謎を呼ぶ。真理計に導かれ、母を名乗る怪しい女性や美しき魔女、気球乗りの冒険家や誇り高き熊の王などに出会い、ライラは次第に運命の渦へ巻き込まれてゆく…。(第一部)
児童文学の形を借りていながら、実は非常に過激な問題作。特にキリスト教の文化圏にとっては…。
スケールの大きな世界観と強烈な登場人物達。息もつかせぬストーリーテリング。読んで損はありません。一巻ラストと最終巻では思わず涙しました。完結したのは最近ですが、おそらく児童文学の歴史に残る大作でしょう。
一部、二部を読んだ時点で、もし三部でコケてもすべて許せる! と思わせるくらい魅力的だったのがダイモンという存在。生まれた時からくっついてくる分身のような存在で、動物や虫の形をしています。話し相手にもなるし、けっこう減らず口だったりも…。子どもの頃は自由に姿を変えますが、大人になるとその人の本質を表わすような姿に固定され、もう変わることはありません。自分にダイモンがいたらどんな姿をしているのか、と考えるのもまた一興。おすすめです。
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