はざまの庵

分類し難い存在を愛でる覚え書き by aiwendil お気軽にコメントをどうぞ。

手強い感冒。

2006-11-30 00:09:37 | さもないこと
熱が下がって活動すると再びぱーっと発熱する、という嬉しくない症状。
風邪の余波でトキソプラズマ再発かと戦々恐々していたら、今日になってようやく熱がおさまり一安心。
いやあ、手強い感冒でした。

インフルエンザの予防接種をすると、何故かその数日後に発熱&ひどい風邪に見舞われるような気がしています。
もちろん、インフルエンザワクチンは不活化ワクチンなので、ワクチンが直接の原因ではないはず。
抗体価上昇に伴う過反応かなとも思えますが、発症までの期間がまちまちですし、なにより風邪症状が出るので、今のところはワクチン接種と風邪との関連の可能性は棄却されています。
しかし、今年は大丈夫かと思っていたら、10日後にこれです。
過去4回が4回ともなので、ただの偶然とは思えなくなってきました(笑)。
ちょっとした特異体質?
統計の方法によっては興味深いことになりそうな気もします。
(疫学屋さん、どなたか調べてみませんか(笑)?)

なにはともあれ、適度な免疫力が欲しい今日このごろです。


東京遠征11/25。

2006-11-26 23:59:23 | アートなど
昨日、11月25日は前日に引き続き、東京で展示会を3つ観て参りました。

まずは、六本木ヒルズの森美術館で開催中の「ビル・ヴィオラ『はつゆめ』」。
ビデオアートの第一人者、ヴィオラの映像作品とインスタレーション作品を集めた大規模な企画展です。
土曜でしかも六本木ヒルズとあって、結構な人出でしたが、みなさんあまりじっくり作品を観ずに目の前をどんどん通り過ぎてくので、私としては自分のペースでゆっくり鑑賞することができました。
もったいないと思う反面、自分にとっては都合がいいのでちょっと複雑な気分です。
印象的だったのは、『クロッシング』と『ヴェール』、『ミレニアムの5天使』。対立する概念を融合し、新たな表現に昇華させる手腕はさすが。具体的な意味は持たない映像であるにもかかわらず、非常に文学的なものを感じました。
そして、スローモーションによる作品群。どれも見る者に強烈な心象を惹起させる作品です。普段の生活では目に見えない瞬間を提示するという意味では写真家の橋村奉臣氏作品にも通ずるものがあるような気がしました。そこにあるけれども見えていない、そのような風景を提示されることによって、人間は驚きとともに特殊な感情を抱くものなのではないかと思えます。
さらに、妙に好きだったのが『キャサリンの部屋』。季節と時間を表すように並んだ5つの部屋に、ひとりの女性が生活しているその様子を映し出した作品。小さなモニタで映像が一列に並ぶことによって、人形の家であるかのような不思議な可愛らしさが生まれていたように思います。また、同時に、一日と一年の持つ周期性が同居することで、どこか普遍的な永続性が醸し出されていたように思えました。人間文化の深層を映し出す神話や民話を思い起こさせる作品でもあるような気がします。これも、ある意味とても文学的な映像作品ではないでしょうか。
あまり体調が良くなかったので、少し急いで見て回りましたが、それでも2時間半ほどかかりました。
時間が許せばもう一度じっくり行ってみたいと思えます。

さて、次に、品川のYKK APのショールームで開催中の、福田茂雄によるエッシャーの『滝』立体作品展示。
エッシャーの名作騙し画『滝』を実際に立体で再現した作品が展示されているというので足を運びました。
『滝』がペンローズの三角形を元に構想したものだと聞いていたので、立体による再現のしくみについてはあらかた予想はついていて、実際予想どおりの構造ではあったのですが、実物を目にしてみると水の流れなど実に見事。
白一色で構成された模型は非常に良く出来たものであると思います。
なお、この展示はYKK APショールームの一角を利用して開催されているもの。窓やドアの製品を見て回ったその奥にちょこんと『滝』の展示があります。ごくごくあっさりした展示ですし、解説パネルは少々にわか作りな感が否めませんでしたが、『滝』の立体や福田茂雄氏に興味のある向きにはおすすめです。
ちなみに、この企画展に行ってアンケートに答えると、エッシャー作品に登場する不思議な生物『でんぐりでんぐり』をモチーフにしたストラップがもらえます。先着2000名さまとのことでしたが、あの感じですと、まだまだ余裕がありそうです。ストラップというよりキーホルダーと言ったほうがいいようなプラスチック仕様ではありますが、『でんぐりでんぐり』ファンにはちょっとおすすめかもしれません。

さて、本当はこの後、台場の科学未来館と東京国際交流館で開催されていたサイエンスアゴラ2006や、新宿初台のオペラシティアートギャラリーで開催中の「伊藤豊夫展」へ行こうと思っていたのですが、体力の限界を感じて断念。
代わりに、新装開店した銀座の月光荘へ行き、その途中でギンザ・グラフィック・ギャラリーの「中島秀樹展 CLEAR in the FOG」を観て参りました。
ちょうど最終日ともあって、結構な人出。1階には大判のポスター類がずらり。さらに地下には、氏の手がけてきた雑誌・CDジャケット・書籍などが所狭しと並べられていました。
草間弥生展の図録など、見慣れたものもあってちょっとびっくり。
1階の作品は販売もされているとのことで、受付に値段表が置かれていました。レストランのメニューのような風情なのが妙に微笑ましい(笑)。
地下にあった、刺繍を利用した作品が私にとって一番印象に残りました。

移転した月光荘は、旧店舗の風情を残しつつなかなか素敵な改装を遂げていたと思います。
機会があれば地下でゆっくりお茶でも飲んでみたいです。

結局この日は最終電車で帰宅。
道路の気温表示は0℃。
とても寒くてたまらず、お風呂に入ってもまだ寒いのでおかしいなと思っていたら、どうやら風邪をひいていた模様。
26日はずっと寝込んでいました。
のど、鼻、咳、熱、頭痛、筋肉痛、のフルセット。これには参った。
東京の風邪は手強い。
早く復活できるようがんばります。


東京遠征11/24。

2006-11-25 01:52:03 | アートなど
昨日11月24日は、前日に引き続き東京で展示会を二つ観て参りました。

まずは、木場の東京都現代美術館で開催中の企画展「大竹伸朗 -全景-」および常設展。
大竹伸朗展については、完全に見くびっておりました。
とにかく半端ではない作品数。圧巻です。
2時間程度あれば充分だろうと思っていたところ、結局は常設展とあわせて約4時間かかってしまいました。
おそるべし。
地下1階から地上3階まですべてのフロアを総動員してコラージュや写真や絵画、立体、インスタレーション等々、様々な作品が所狭しと並んでいます。
具体的には、ライフワーク的なスクラップブックからはじまり、学生時代の落書きと作品、各時代時代で生み出した表現の数々がほぼ時系列順に並んでおり、氏の半生を記録する壮大なアーカイブのような展覧会でした。
作風も、媒体もがらりと変わる変幻自在の大竹作品ですが、なぜか常に変わらないのが密度の高さ。一見シンプルな作品でも、なぜだか高密度のエネルギーを感じさせる雰囲気のように思えました。不思議です。
企画展の作品を形容するなら、全般的に『何でもありのカオスとエネルギー』その一言に尽きるのではないかと感じます。
とにかく圧倒されました。

さて、次に渋谷のBunkamuraミュージアムで開催中の「スーパーエッシャー展」。
これも、少々見くびっておりました。
公式HPには、平均鑑賞時間約90分とあったので、2時間をみれば充分かなと考えていたら甘かった。
5時に入場して、会場を出たのは閉館ギリギリの9時。たっぷり4時間かかった計算です。
作品数が多いのもさることながら、内容的にも非常に密度の濃い企画展だったと思います。
2001年に大阪のサントリーミュージアムで観た「エッシャー展」よりも、ずいぶん構成がしっかりしていたように感じました。
私自身、版画の真似事でハンコを彫っているので、以前よりも着眼点が異なっていたせいか、いろいろと発見が。エッシャーの作品は木版が多く、ハンコ作成の上でもたいへん参考になる部分がたくさんありました。
ところで、観ていて強烈に感じたのが、エッシャーは数学やルールの人だったのだなあ、ということ。
作品制作の根底には常に、元となる数理概念や論理が潜んでいたようです。
そういう意味では、科学者と非常に親和性を持ったアーティストだったのだなと、今更ながら感慨深く思えました。
印象に残っているのは、作品では「夜のローマ」シリーズ。画を構成する線を、縦方向のみ、横方向のみ、十字形のみ、放射線のみ、45度方向のみ、など独自のルールで制限した作品群は、その制約がありながら不思議な精彩を放っていたように思えました。
正則分割のための習作ドローイングも、作者の考え方を知る上で非常に面白い。
(途中休筆。のちほどまた書き足します。)

他にも、森美術館で開催中の展覧会「ビル・ヴィオラ 『はつゆめ』」にも行くつもりだったのですが、残念ながら時間切れ。
色々な意味で密度の高い展示巡りだったと思います。


東京遠征11/23。

2006-11-24 08:48:20 | アートなど
昨日11月23日は、東京でイベント1件と上映会1件、展示会を1つ観て参りました。

とりあえずメモ的に。
・丸ビル 7Fホール 「明和電機会社説明会」
 慶応大学オープンリサーチフォーラムとの抱き合わせイベント。デジタルアートアワード授賞式の記念講演的な位置づけで明和電機の会社説明会が行われたもの。明和電機代表取締役 土佐氏による約1時間のプレゼンテーション。スライドショー、ビデオ、パチモクやサバオによるパフォーマンス、質疑応答。
質疑応答の中で「明和電機はどこを目指しているのか?」という質問に対し、「自分の中の分類不能なごちゃごちゃしたよくわからないものを表現するためのフィールド、入れ物が『明和電機』や『エーデルワイス』であるので、自分でもよくわからない。もっといろいろな表象を経て最終的には何でもありの統合世界になればいいなと思っている」という趣旨の社長の言葉に妙に納得。
説明し難いモノ、未だ世の中にないモノを具現化させようとしたとき、その表象を定着させるための手法、媒体がアートになるのかなと腑に落ちました。形態は違えど、明和電機は佐藤雅彦氏と中村至男氏の『勝手に広告』と同じ意味合いを持つものなのだなと感じました。

・ラフォーレ原宿 「RESFEST2006 『RESMIX SHORTS』」
 RESFEST2006のうち、日本のショートフィルムを集めたプログラム。
 元々ショートフィルム好きなのと、NAMIKIBASHIに興味を持っていたのとでこの回を鑑賞。
 NAMIKIBASHIの「折り紙」も面白かったのですが、マイベストは『昭和ダイナマイト』。ごく普通の中小企業が町の平和を守るというシチュエーションだけで既に面白いのに、登場するモチーフや細部がことごとく私のツボをヒット。最高です。シリーズがあったら映像が欲しいなと思いました。
 他にクラクラしたのが、「TONER」と「RAPID MOVEMENT」「停止円」「TRAIN」。
「TONER」は音と図形とのシンクロ具合が心地良い。
「RAPID MOVEMENT」は、ズームアップによるミクロの世界と具象的なマクロの世界とが実写とCGを併用して混在するという非常にエキサイティングな映像。貨幣や羽根のどアップと分子のようなパーティクルと小さな羽毛が同じ画面に入っているなんて、もうそれだけでクラクラきてしまいました。
「停止円」は、人工物である写真の中の赤い円を固定し、逆に周囲の風景を相対的に配置したコマ撮り映像。コンセプトは良いし、外側世界が写真へ侵入してゆくアイデアも良いけれど、いまひとつコンセプトを描ききれていないのが惜しい。ループ構造を利用するなど、もうひと工夫あれば絶品のクラクラ映像になっただろうなと思えるだけにとても残念。
「TRAIN」は電車のループ映像を利用してリズムを刻む、非常にユニークな映像。電車を2分の1→4分の1→8分の1→・・・と分割してゆき、分割された電車の幅で音声=リズムを表現。三三七拍子やカエルの歌はまあ普通ですが、輪唱が始まったときには面食らって『すごい!すごいぞ!』と喝采したくなりました。最後のクレジット映像には、佐藤雅彦研究室の佐藤匡氏の映像作品「反復かつ連続」を電車で再現したような表現があってニヤリ。

・青山スパイラル「NSKベアリングアート展」
 工業製品であるベアリングをモチーフにしたアート作品を集めた展示会。日本精工主催。
 無料とは思えない充実のラインナップ。とにかくすごい。
 ベアリングの回転や形をモチーフにした作品から、ペアリングの中に使用するベアリングボールを利用した驚きの作品までじつに多様な内容でした。特に印象に残った作品をいくつか。
 名和晃平氏の、磁石を利用したベアリングボールオブジェや、流れる極小ベアリングボールを使ったPIX-Cellシリーズ作品には目を奪われました。まるで水滴のような粒が正方形のマスを流れる様子はとても美しく幻想的。
 鈴木康広氏の、気流を利用してベアリングボールを空中に保持する装置、これも非常に面白い。空中でくるくる回るベアリングボールは幻想的でどことなくユーモラス。
 日比野克己氏のベアリングの海、これはもう文句なくアイデア勝ち。ベアリングボールを敷き詰めた『海』にタライの船でこぎ出す小冒険が体験できます。笑いが止まりませんでした。
 川瀬浩介氏の「ベアリンググロッケン」。これは、この日に観たあらゆるものの中で一番感動した作品。ベアリングボールを落下させて鉄琴を奏でる装置なのですが、鉄琴ユニットにぶつかったボールがきれいな放物線を描いて一列で4つの音を奏でる、その正確無比な動きと、4列の鉄琴が奏でる音楽が非常に美しく、視覚的にも聴覚的にも物理的にもたいへん美しい装置作品でした。
 あのような 『音楽』が実現するためには、電子制御で落下タイミングを厳密に規定すること、跳ね返るボールの滞空時間を均一にすること、ベアリングボールが真球であること、落下先の鉄琴面が限りなく平らで水平であること、などなど、実に多くの技術的問題をクリアせねばならないはず。それをあのような形で見事に、しかも美しく実現していることに、すっかり感動してしまいました。あの作品は計り知れないほどの努力と技術の結晶なのではないかと思います。
 ボールが跳ね返るたびに放物線の頂点が次第に低くなってゆく様子、常に正確無比な着地位置とタイミングを保っている様子、いくら観ていても飽きません。アディクトしてしまいそうな勢いです。
 理工系でアート好きの方や、物理法則の好きな方、科学未来館の「インターネットの物理モデル」が好きな方、そして、ピタゴラ装置にときめいてしまうような嗜好の方々には絶対におすすめです。
 なお、この「ベアリングアート展」の会期は26日(日)まで。
 少しでも興味のある方はお早めに!

そういえば、ラフォーレ原宿から青山スパイラルへ移動する途中の右側にルイ・ヴィトンのお店があって、そこになんと! オラファー・エリアソンの作品がディスプレイされていました!
すごい、すごいぞルイ・ヴィトン!
小さな太陽のような単一波長ランプと鏡からなる作品で、お店と一体化していました。
写真はのちほどアップしますが、とりあえず。
エリアソン好きは要チェックです。


ラーメンズ第16回公演題名に関する論考。

2006-11-22 23:41:28 | お知らせ
少々宣伝を。
The Japanese Society of Rahmensiology(架空法人 日本ラーメンズ学会)学会ブログでは、現在、ラーメンズ第16回公演題名『TEXT』の意味についての議論が行われています。
読み方、印象、仮説、論考、妄想、予想など、広く考えを募集しておりますので、興味のある方はどうぞふるってご参加ください。

学会ブログは→こちら


風で動く人工生命。

2006-11-20 02:19:01 | アートなど
丸面(Chubb)さんの Chubb's Chamber*Reading Room No.2 経由で教えていただいた情報。

「idea*idea」というブログのエントリ「風の力で動く巨大な生き物」で紹介されている奇妙なモノ。
テオ・ヤンセンという彫刻家の作った巨大風力ロボットなのですが、これがすごい!
骨格だけなのに、まるで生き物のように動きます。
しかもとても美しい!
上記ブログで紹介されている動画を見た瞬間に心臓を射抜かれました。
実物を見てみたくて仕方ありません。
直線的でシンプルなパーツから複雑で有機的なシステムを作り上げた手腕に脱帽。
しかも動力は風のみ。
ときに技術者やアーティストのモノ作り力は、物語作家の想像力を軽々と飛び越えてしまうような気がします。
事実は小説より奇なり。科学とアートの融合、モノ作り万歳。
宮崎駿バージョンのハウルの動く城はこれを参考にしたのかな? とも思えます(笑)。
エッシャーや明和電機や現代アート、面白いモノ好きは必見です。

なお、「idea*idea」の該当記事は→こちら

追記:テオ・ヤンセンについて少し調べてみたところ、英語版Wikipediaに記述を見つけました。(→こちら
オランダの動体彫刻家にしてアーティスト。いわゆるキネティックアートの作家さんのようです。技術とアートの融合を目指しているのだとか。どうやらBMWのCMで一躍有名になった模様。
追記2:もっと詳しい記事を発見。「和蘭生活事始」というサイトの連載記事(→こちら)に、作品制作のコンセプトや解説が掲載されています。写真も豊富。おすすめです。
追記3:作家本人のウェブサイトは→こちら。 strandbeestのfilm項から「砂浜生物」たちの動画一覧を見ることができます。 


おすすめいろいろ。

2006-11-19 23:18:12 | お知らせ
おすすめの作品についての記事が流れてしまうのを、常々残念に思っていたところ、アマゾンのインスタントストアを利用したリストページを作れると知り、さっそくおすすめページを試作してみました。
自分なりに簡単なレヴューもつけておりますので、興味のある方はサイドバーのフォトアルバムを転用した「おすすめいろいろ」または→こちら のリンクからご笑覧ください。

なお、今のところ、佐藤雅彦氏関連、クラフト・エヴィング商會関連、トールキン関連、京極夏彦関連、の4カテゴリー。
使い勝手などの様子をみながら随時追加編集してゆければいいなと考えています。


【情報】ラーメンズ第16回公演「TEXT」。

2006-11-18 16:31:03 | お知らせ
日本のコメディコントユニット、ラーメンズの次回本公演日程が決定したようです。
タイトルは「TEXT」。
4都市5会場、48公演。
封切りは2007年2月1日、東京天王洲銀河劇場。
その後、神戸、福岡、東京を経て、大楽は4月1日、札幌かでる2.7。
チケット発売日は12月23日とのこと。
「ALICE」のように情報を小出しにせず、一度に公表してくれるのは助かります。

それにしてもホーム札幌で大楽というのは嬉しいけれど、年度の変わり目という嫌がらせのような日程。
苦吟。

テクストとコンテクスト、テクストとノヴェル、文字と言葉。様々な連想が浮かびます。
テクストとゆらぎの対立、という小林賢太郎氏の課題を統括するかのような公演名かと。
自己言及的な構造を持った作品が展開したりするのでしょうか。
小林氏のソロライブや片桐氏の外部公演を経たラーメンズの方向性をうかがう上でも非常に興味深いです。

なお、公演詳細はラーメンズ公式HP→こちら でご確認を。


ICC次回企画展は「八谷和彦-OpenSky 2.0」。

2006-11-17 22:05:55 | お知らせ
東京初台のインター・コミュニケーション・センター(ICC)の次回展示は八谷和彦さんのOpenSkyプロジェクトだそうです!
会期は2006年12月15日(金)~2007年3月11日(日)とのこと 。
会期中はさまざまなイベントもある模様。
やった!

このOpenSky プロジェクトとは、メーヴェのような小型飛行機で有人飛行をしてみよう、というアートプロジェクト。
(八谷氏のウェブページは→こちら
度重なる試行錯誤を経て、この9月にはゴム動力でのテストフライトに成功しています。
少しずつ着々と実現に近づいているこのOpenSkyプロジェクト、そのコンセプトと情熱と技術に対し、わたくし、以前からひそかに注目しておりました。
なので、この企画展は純粋に嬉しいです。
12月が楽しみでなりません。

なお、「八谷和彦- OpenSky 2.0」企画展情報の詳細は、ICC Online のプレリリース(→こちら) でご確認を。


送電線とデンマーク人。

2006-11-15 22:55:00 | ことば
フジモトマサル氏のブログ「フジモトマサルの仕事」の11月15日付エントリ「最近頭の中をよぎった諸問題」より。

『・「送電線」という言葉はカタカナで書くとデンマーク人の名字のような気がしてくる。』

この方の着眼点はいつも面白いですが、これには声を出して笑ってしまいました。
カップ焼きそば問題も、じつに鋭い。
言葉に対する感度が非常に高い方なんだなあと思います。
クラフト・エヴィング商會つながりで知ったのがきっかけですが、独特の画風と感性が素晴らしく、目が離せなくなりました。
とても好きなクリエイターのひとりです。

なお、「フジモトマサルの仕事」の該当記事は→こちら
ブログもおすすめです。


夢を見た話。

2006-11-15 22:16:16 | さもないこと
野暮を承知で。

夢を見ました。
ものすごく尊敬している研究者と話している夢。
研究室の打ち上げに混ぜてもらうことになり、学生さんたちを待つあいだ、その先生とふたりで話し込みました。
学生さんたちの教育方針のことや、研究室としてのテーマと学生個人の目指すテーマが異なる場合にどう折り合いをつけるかが話題になり、自分の経験を語る私。
大学の研究室で二つのテーマを追ったこと。
就職してからも、本職とは別に某テーマで研究を続けたこと。
大変だけれど楽しかったこと。
でも、体を壊してしまったこと。
研究は現在リタイア中だけれど諦めてはいないこと。
二足のわらじ状態の困難と快楽。
研究の種類を問わず、すぐに結果を求められることの不条理について。
すると先生が酵母を使った実験の難しさについて語り、一年ぐらいでは結果の出るはずのない実験系なのに『だからダメなんだ』と言われるのが頭にきてしまう、とエキサイト。
この研究室でも酵母を使っていたのかと意外に思ういっぽう、この先生もこんなふうに怒るのかと意外に思いつつ、互いに『これじゃ良い研究は出来ませんよね』と、せっかちな社会に対して苦言を呈しながら意気投合。
・・・という、妙にリアリティのある不思議な夢でした。

目覚めたときには静かな幸福感と安らぎが。
夢に登場した先生とは直接の面識はないので、ちょっと不思議な気分です。
しかし、まったくありえない話ではないので、正夢になることを願いつつ、忘れないようここに記しておこうと思います(笑)。
いろいろがんばろうと、そう思えた良い夢でした。
夢の神様とレム睡眠に感謝。


古道具に宿るもの。

2006-11-14 00:19:07 | さもないこと
職場の近辺にアヤシげな古道具屋があります。
田舎特有の古民具やらガラクタやらが所狭しと並び、ときたまとんでもなく古い骨董や江戸時代の書物が紛れ込んでいるという、まさに玉石混淆のカオス。値段の付け方もいいかげんで、スーパーのお菓子についているような値札シールに数字が印字されているものの、ほとんどが褪色して桁数すら怪しいというていたらく。値札があるものはまだいいほうで、店内のモノの大半には値段がついていません。気になる古道具を店のおかみさんに問うと、たいてい「500円」という声が返ってきます。つまり、小物に限ればほぼ500円均一も同然の古道具屋(笑)。
置いてあるものはボロボロのガラクタがほとんどなのですが、気になる道具に巡り会う場合もあるので、たまにふらりと寄ることがあります。
で、先週、その店から久しぶりに古道具を2つほど連れ帰りました。
まずは、妙に気になった小ぶりの湯呑み。
Yunomi01白磁。透かしが入っていてなかなかいい風情。地と模様のバランスも私好み。大きさもほどよい。
日常で臆せず使える感じが良いです。
ちなみに、裏にはMADE IN CHINAの手書き風文字。高台には若干の溝。いったいどんな由来の焼物なのでしょう。
気になります。
 
つぎに、薄汚れた帆布バッグ。
Sekijujibug01戦時中のものでしょうか。『日本赤十字社』の文字が裏に。
表側には『昭和化工株式会社製』のタグが見られます。
なんとも風情のある鞄。どことなく、クラフト・エヴィング商會的でもあります(笑)。
肩掛けヒモの他に、もう一組のヒモがあるのも気になります。跳ねないように腰で結ぶためのものでしょうか。
大きさはちょうどA5版の本が入るくらい。すこし厚めの辞書がすっぽり納まるほどのマチがついています。
メモ帳や画材など、ちょっとしたものを入れるのに良さそうです。
もちろん、このままではホコリがひどくて使えたものではありませんので、まずはじっくり洗剤につけて長年の汚れを落としたいと思います。
 
古いモノ、古い道具、物語を宿していそうな風情のあるモノが好きです。
決して流通上の価値があるわけではありませんが、骨董に付けられる値とはまた別種の価値が、こういう道具たちには宿っているような気がします。
田舎の古道具屋は、案外あなどれないものなのかもしれません。
古いモノ好き、とりわけクラフト・エヴィング商會好きには田舎の古道具屋めぐり、おすすめです(笑)。


Macintoshと私。

2006-11-13 02:25:49 | さもないこと
get a macキャンペーンのCMに、Macの社会的位置づけの変化を見た気がして、妙に感慨にふけってしまった昨日。
記憶にとどめる意味で、この機会にちょっと語ってしまいます。

Macintoshとは、かれこれ10年以上の付き合いになります。
初めて触れたのは兄のところで。
一体型の箱形モデルや、白黒液晶のノートがあったわけなのですが、ゴミ箱を空にする時にセサミストリートのオスカーが歌いながらやってくるというおちゃめぶりに心を奪われた記憶があります。
その後、大学で入った講座には、生物系の研究室の例に漏れずMacがありました。
OSは漢字Talk7.1だったような気が。
まだまだインターネット黎明期。データベース検索をするのに、学内LAN経由でLinuxを利用せねばならなかったため、とても苦労した思い出があります。
マシンのスペックも貧弱で、Netscapeを立ち上げると、日本語入力ができなくなるというていたらくでした。
当時のワープロソフトはEGword。図表を作ろうと思ったらクラリスワークス、メールはEudoraが一般的でした。
その他にも、分子生物学で必要不可欠とも言える分析機器はほとんどMac上のソフトで制御されていて、それらはたいがい英語版のMacで動いていたわけです。画像解析の伴うシークエンス機器などはその筆頭。
う~ん、なつかしい。
そうこうするうち、Mac G3 が登場、講座にも導入されました。
OSも8.1に進化。
画像ソフトのPhotoshopやIllustrator、統計ソフトのカレイダグラフやプレゼンテーションソフトのデルタグラフ、遺伝子解析ソフトのGENETIXなどが導入され、研究環境はかなり快適になりました。
同時にインターネットのデータベース機能も日々進歩していったのがこの時期です。
この頃は、MacとWindowsのファイル互換性が低く、講座間でOSが違うとデータのやり取りに苦心したものです。
また、ウィルスの問題が取り沙汰されたのもこの頃。技術的に無理だと言われていたメール添付のウィルスによる被害が出始め、一部ではパニック状態に。しかし、Macではあまり深刻な被害は聞かれませんでした。

研究室では結局、私物コンピューターやマイクロソフトのOfficeは使わずに過ごしてしまったわたくし。
しかし、就職してみると不便この上なし。慌ててマシンを探しました。
知り合いから中古で買い取ったのがPowerBook2400c。OSは8.1。
加えてOfficeを導入。
職場では慣れないWindowsに苦戦し、いっぽう家ではMac使い。
互換性の問題に悩まされた挙げ句、そのうち父親からIBMのノート機を譲り受け、一時期はwindows95を使用しました。
しかし、アプリケーションの問題などいろいろと不都合も多く、次に譲り受けたのが初期型のiMac。OS8.6。
このマシンがアリの襲撃でクラッシュし、一念発起して初めて自分で購入したマシンがiMacG4 17インチ。OSX。
ところがこのマシン、OS9での独自起動ができないと判明。遺伝子関連でOSXと拮抗するソフトがあり、仕事上どうしても不都合があったので、慌てて、OS9で起動できる最後の機種、iBookG3も併せて購入。途中、地震の被害で液晶が壊れたりとアクシデントもありましたが、OS9.2でかなり長いこと愛用してきました。
現在使用しているのはiBookG4 12インチ。OS10.4.6。これまたiBook最後の機種。
かろうじてクラシック環境が使える最後の機種です。
今後ノートを買うとなると、intel macにならざるを得ないわけですが、今まで使用してきたソフトを引き継げないので悩ましいです。

さて、今まで7台のMacと付き合ってきました。
今までを振り返って感じるのが、「Macゆえの不便」が今はずいぶんなくなったということ。
初期に恐れられた爆弾マークを見ることもなくなりましたし、OS8シリーズで頻繁だったフリーズもOSXでは滅多に起こらなくなりました。
ジョブの複相化によって、プリント中でも他の作業が出来るようになりました。
Windowsとの互換性も格段にアップしました。
OS9で泣きを見ていたweb環境も、OS10.4.6に変えてからは、Safari使用でweb閲覧にストレスを感じることもほとんどなくなりました。
Doc機能もスマート。
デフォルトでヒラギノ書体が入っているのも嬉しい。
動画やFlashに強いのかな、といった印象も。
総じて、オールインワン的な使用感が強化されてきたのかなと思えます。
Macそのものは非常に使い易い。
ただ、唯一にして最大の問題は、Macをサポートしていない他社サービスが多いということ。
家電売り場のソフトウェアコーナーにおけるMac対応ソフトの少なさといったら、想像を絶するものがあります。
手頃なデータベースソフトがないのも惜しいです。

iPodの普及によって、アップル、ひいてはMacの知名度は格段に上がったものと思えます。
しかし、仙台圏などではMacのシェアは1割程度なのだとか。
まだまだ少数派であると言えます。
アップルストアのアットホームな雰囲気や、サポートサービスの手厚さ、セキュリティの優位性、これらは少数派ゆえの利点という側面を持つのではないかと思えます。
Mac mini による布石やIntel Core 2 Duoのアピールによって、Macに乗り換えてみようかと感じているWindowsユーザーは潜在的にたくさんいそうです。
(そういう意味では、今更Windowsを揶揄する必要などないと思える私。)
今後Macがシェアを拡大していった時に一体何が起こるのか。
少数派ゆえのユーザー優位性は減衰してしまうのか、あるいはより強化されるのか。
アップルがこれからどこへ行くのか、ヘビーユーザーとして興味深く見守ってゆきたいと、そう思います。


アップルのサイトトップにラーメンズ。

2006-11-11 13:20:38 | アートなど
アップルジャパンのサイトトップに接続すると、ラーメンズ起用のCMムービーが!
うひゃあ。
心臓に悪いです。
内容は、アップルユーザーのこだわり、「『パソコン』と『Mac』」の違いを主眼に据えて喧伝したCM。
とてもAppleらしい。
イヤミになりがちなところを、片桐氏のかわいらしさが素敵にフォローアップしているのが微笑ましい。
私自身はアップルユーザーですが、逆にPC氏を応援したくなってしまうのは片桐氏のお人柄のせいでしょうか(笑)。
配役を逆にしたバージョンもあればいいのになと夢想してしまいます。
アメリカ版ではたくさんのシリーズが出ていますので、今後の展開にも期待。

なお、アップルジャパンのサイトは→こちら
すべてのCMは→こちら

ちなみに、ご本家サイトの元CMは→こちら
アメリカバージョンとラーメンズ起用日本バージョンを比べてみると面白いかもです。
日本版ウイルス編
アメリカ版ウイルス編
日本版iLIFE編
アメリカ版iLIFE編


【情報】ピタゴラブック「フレーミーとそうじき」。

2006-11-09 23:08:15 | お知らせ
「ぴったりはまるの本」が記憶に新しい、ユーフラテスのピタゴラブック。
その第2弾が発売された模様。
今度はユーフラテスと内野真澄さん名義での出版です。
題名は「フレーミーとそうじき」。
フレーミーが掃除機を嫌いになった理由があきらかになる、という内容です。

本日書店で購入してきたところ、たいへん微笑ましい素敵な絵本でした。
フレーミーならではの小さな(?)事件。フレーミーらしさにあふれています。
物語としてもそつがなく、思わずふふっと笑ってしまう内容です。
子どもだけでなくピタゴラ好きの大人も楽しめる内容になっていると思います。
紙の質感もほどよく、見開き全体が黄色の枠線で縁取られている体裁も愛おしい。

個人的には7番目の見開き右側の台詞と、8番目の見開き左側のフレーミーに愛着を感じました。
私も子どもの頃、似たような理由で掃除機が怖かったので、自身の幼少期を思い起こして感慨もひとしお。
いろいろな方、とりわけお子さんをお持ちのご家庭で読んで欲しいなと感じました。
思わぬ楽しさに満ちたこの絵本。おすすめです。

なお、画像つきの解説は、TOPICSの「TOPICS of TOPICS」(→こちら)をご参照ください。
amazonでの取り扱いもあるようですので、気になる方はリンク先をどうぞ。
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