はざまの庵

分類し難い存在を愛でる覚え書き by aiwendil お気軽にコメントをどうぞ。

芸術の秋ツアー2007@直島。

2007-09-30 11:44:07 | アートなど
Kabocha01


9月28日および29日は、今回のツアーの大本命、香川県の直島へ行って参りました。
とりあえず行ったところメモ。

28日
・ベネッセミュージアム 野外作品鑑賞ツアー
・地中美術館
・家プロジェクト 南寺、角屋、護王神社、石橋、はいしゃ、碁会所、きんざ
・まるやカフェ
・地中美術館 オープンスカイ ナイトプログラム
・ベネッセミュージアム 屋内作品
・ベネッセハウス オーバル

29日
・ベネッセハウス 野外作品
・高松港
・丸亀市 猪熊弦一郎現代美術館 エルネスト・ネト展
・高松空港 うどん屋

直島とベネッセハウスは予想以上に良かったです。
そして、ジェームズ・タレル!
やはり、南寺のバックサイト・オブ・ザ・ムーンが予想どおりにすごかった!
地中美術館の常設作品も良かったのですが、時間制限があるのでとても残念でした。
詳しくは後日。

ところで、予想外にとても嬉しかったのが、ミュージアムリンクパスの景品。
金沢の21世紀美術館と東京の森美術館と直島の地中美術館では3館共通のミュージアムリンクパスというものがあります。
上記3館を1年以内に回ると景品がもらえるという、いわばスタンプラリー兼共通割引券のようなものです。
わたくし、今年1月の金沢21世紀美術館を皮切りに、今回の直島行きで3館を制覇いたしました。
で、いただいた景品がこれ。
Keihinall

Keihinmug

3館のロゴの入ったマグカップと、それを入れるトートバッグ。
デザインもナイス。
売られていたら普通に欲しいような豪華景品です。
近いうちにこの3館を巡るご予定のある方は、このミュージアムリンクパス、おすすめです。


芸術の秋ツアー2007@広島。

2007-09-28 01:19:49 | アートなど
昨日9月27日は広島をうろうろ。
とりあえず行ったところ一覧。

・ひろしま美術館「野田弘志展 写実の彼方に」
・広島現代美術館「MONEY TALK」
・広島市中清掃工場 エコリウム
・アステールプラザ KKP「TAKE OFF」

この日特に面白かったのが現代美術館の常設展「MONEY TALK」。
収蔵作品を購入価格ごとに分類展示し、芸術作品の価値をめぐる考察を促すという画期的なテーマコレクション展でした。
美術館の予算をめぐる厳しい状況を理解できるのはもちろんのこと、普段知ることのできない作品の市場価値を知ることができます。
購入価格が添えられた作品たちに、納得するやら驚くやら。
相場というものが何となく読めて、とても勉強になりました。
他の公立美術館でもぜひとも同様の企画を見てみたいものです。


芸術の秋ツアー2007@岡山。

2007-09-27 23:59:23 | アートなど
昨日9月26日は、岡山県の倉敷近辺をふらふらしてきました。
とりあえず行った場所メモ。

・倉敷駅から美観地区にかけてを徒歩。
・大原美術館(本館、工芸館、分館)
・加計美術館
 (児島虎次郎美術館は時間切れで行けず。残念。)
・三宅商店
・バスで倉敷駅→児島駅

大原美術館で、中学美術部時代に模写したミレーの「グレヴィルの断崖」に遭遇してびっくり。
国内にあったとは。旧友に会ったかのような気分。
工芸館、分館、と巡り、現代美術も積極的に収集するそのバランスの良さに驚く。
大原美術館、あなどれじ。

ひそかに探していた、近藤良平氏が「なんにもない」の歌を歌っていた路地(参照→webタウン情報 おかやま-近藤良平 「倉敷で踊る」ということ。
http://www.vis-a-vis.co.jp/jl/interview/kondou/index.shtml)
はわかりませんでした。残念。


芸術の秋ツアー2007@香川。

2007-09-26 03:16:22 | アートなど
Neto01

とりあえず概要のみ。
本日9月25日は、香川県丸亀市にある熊谷弦一郎現代美術館で開催中の「エルネスト・ネト展」へ行って参りました。

鹿児島ー岡山便があるのを知らずにうっかり大阪を経由してしまったため、大きなタイムロス。
丸亀には午後遅めの到着でした。
JR丸亀駅の駅前広場と連続する形でそびえるオモシロ建築が熊谷弦一郎現代美術館(通称MIMOCA)。近い!
Mimoca00

行ってみれば、ネト展の作品はじつは1点のみ。
「キスをするふたり。愛し合い、ともに夢見る。よりよい世界を、まだ見ぬ我が子を、そして人生と人類とこの星の未来を。」という長~い題名の作品です。
しかしながら、この作品自体がこの美術館のために設計企画されたもので、3階のC展示室を使い切った予想を上回るものすごい巨大作。
鑑賞者は靴を脱いで作品の中に入り、様々な場所で思い思いに作品に触れ、全身で体験します。
もはや、作品に溶け込んで作品と一体になる感覚です。
文字通り、作品に包まれて身を委ねるような場所もあり、これが非常に心地良い。
鑑賞者がそれこそ思い思いの鑑賞行動をとるので、作品の中も相当に面白い光景になってきます。
赤ちゃんから小学生、中学生、高校生、大人、来場していた皆が作品の中で笑ってはしゃいで癒されてしまうような、そんな空間が作り出されているのです。
時間の許す限りずっとそこに居たくなること請け合い。
チャンスがあるなら、これはぜひ一度体験してみるべき。
おすすめです。





芸術の秋ツアー2007@鹿児島。

2007-09-25 00:41:14 | アートなど
Torayan01

昨日9月24日は、鹿児島県の湧水町にある霧島アートの森で開催されていた企画展「ヤノベケンジ『トらやんの世界』展
http://open-air-museum.org/ja/art/exhibition/yanobekenji/
へ行って参りました。
大阪出身の現代アーティスト ヤノベケンジの、近年の集大成ともいえるまとまった展示です。

青森美術館オープン企画で、子供の命令だけに従い火を吹く巨大ロボット ジャイアント・トらやんの噂を聞いたのが昨年11月。
東京都現代美術館の常設展でヤノベケンジのアトムスーツプロジェクトに衝撃を受け、なおかつ会場の映像から氏とトらやんの名前が私の中でつながったのが今年6月。
横須賀美術館の「生きる」展でもヤノベ氏の作品が出展されていたのですが、ちょうどタイミングが合わず見逃してしまったことを悔しがっていたところ。
その後、この鹿児島で大規模な個展があると知って、思い切って最終日へ滑り込みました。

ヤノベケンジ氏は、「生き残るための機械」をテーマに作品を製作している造形作家。
少年時代に大阪万博会場が解体されてゆく現場を目の当たりにし、未来が廃墟になってゆくという不安のイメージを抱いてしまった氏が、その妄想から逃れるかのように作ったのが様々なサバイバルマシーン作品群です。いずれも実際に稼働するのが大きな特徴。
特に有名なのが「アトムスーツ」。
アトムスーツとは、胸や局部に放射線検出器をつけた黄色い防護服。実際に線量を計測でき、腹に放射線量のカウンターがデジタル表示されるようになっています。潜水服のような外観ですが、ヘルメットには鉄腕アトムを彷彿とさせる角がついています。
この「アトムスーツ」を着て万博会場跡地のエキスポタワー廃墟を訪れたり、太陽の塔の目玉部分へ侵入したり、チェルノブイリ原発事故跡地の高汚染地帯ZONEを訪れたり、といった活動が氏の「アトムスーツ・プロジェクト」です。

また、こういった活動から少し方向性を変えて生まれたのが「トらやん」の世界を体現した作品群です。
トらやんとは、黄色いアトムスーツを観にまとった、ちょびヒゲにバーコード頭の腹話術人形。
オリジナルは3歳児サイズですが、30cm程度のミニ・トらやんや、7.5mものジャイアント・トらやんなど、様々な大きさのトらやん族が存在します。
終末世界を冒険しながら太陽を甦らせる、という再生・希望の担い手であり、大人と子供と性別を超越した世紀のトリックスターがトらやんなのです。

氏の原点「未来の廃墟」というイメージと、サバイバルのための機械作品群、その延長にあるパフォーマンスアートとしてのチェルノブイリ訪問。
そこで出会った現実。子供と保育園廃墟の壊れた人形、壁に描かれた太陽。
そして、氏の父親が唐突に作り出したバーコード頭にちょびヒゲの腹話術人形「なにわのトらやん」。
氏の表現の底流にあったイメージと、チェルノブイリで受けた衝撃と、なにわのトらやんという存在、そして子供たちへのまなざしが出会うことで、偶然的に誕生した「トらやん」の作品世界。
展示会を行うたびに成長する物語と予言神話的な偶然の符丁が重なってゆくさまは、鳥肌が立つほど。
氏が「トらやんは『降りてきた』」と形容するのも充分頷けるような気がします。

どこか禍々しい終末的な世界観を提示していながら、同時にほほえましく新しい希望を感じさせる作品世界は圧巻。
ジャイアント・トらやんの鼻歌とSOSのラッパが今も耳を離れません。
そして特に「亀島 - 霧島」という作品にはたいへん感動させられました。
思い出すだけで泣けてきます。

会場には子供も大勢来ていて、赤ちゃんから小学生くらいまで皆が皆楽しそうだったのが印象的でした。
そういえば、こんな出来事がありました。
ジャイアント・トらやんのSOSラッパに泣き出してしまった幼児がいたのですが、ふつうなら迷惑がられそうな状況なのに、わたくし、号泣する姿を見て思わず温かな気持ちになって笑ってしまいました。ふと周りを見渡せば、同様に会場中の皆が暖かく笑って見守っているではありませんか。
つくづく、トらやんの世界は次世代を担う子供たちの味方なんだなあと、感慨深かったです。
とても感動的な企画展だったと思います。

この日はちょうど作家ヤノベケンジ氏自らによるギャラリーツアーやサイン会もあり、少しながらお話しさせていただくこともできました。
大阪弁で飄々と、フレンドリーかつオープンに語るヤノベケンジ氏の姿が忘れられません。
年末に大阪で展示が予定されているそうなので、都合が許せばそちらもぜひ足を運んでみたいと思います。

よりによって南の果て。空港からの足が無くレンタカー必須であるなど困難が山積みで、計画段階では少し迷ってもいたのですが、結果的には行って大正解でした。
思わず食事を忘れてしまうほど没入してしまったツア-2日目。
色々な意味で忘れ難い体験となりそうです。


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芸術の秋ツアー2007@大阪。

2007-09-24 03:04:39 | アートなど
昨日23日は大阪近辺をうろうろ。
とりあえず見たものリストをメモ。

A 大阪国際空港滑走路着陸地点近傍
B 岡本太郎「太陽の塔」
C 国立民族学博物館 常設展
D 小林賢太郎プロデュース「TAKE OFF -ライト3兄弟-」再演2007バージョン 18時公演
E 西宮市 甲山大師神呪寺

ネイティブの協力を得て質量ともに充実のスタート。
AがDの、 BCEが今後の前振りになっていて幸先良し。
幸福なツアー第1日目でした。


対向車。

2007-09-23 02:42:42 | さもないこと
10トンダンプの後ろを走っていると、対向車線から同種のダンプがやってきた。
すれ違いざま、対向車の運転手が軽く手を上げて挨拶、と思いきや、満面の笑みではしゃいだように激しく手を振った。
運転手は、いかつい初老の男性。
前のダンプに親友でも乗っていたのだろうか。
不可解だが妙に微笑ましい。


意味と笑い---ピタゴラ装置を見る者に何が起こっているのか。あるいは小林賢太郎氏のつくる笑いの特徴と

2007-09-21 00:18:09 | アートなど
NHK教育で放映中のテレビ番組「ピタゴラスイッチ」には、ボールなどの転がりが連鎖して面白い動きを見せる装置が登場します。
この装置は佐藤雅彦研究室が製作しており、番組のシンボル的存在として『ピタゴラ装置』と呼ばれています。
(↓参考)
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=hazamanoiori-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B000HOL7HY&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>

装置はいずれも様々な日用品を組み合わせたもので、その映像は番組の合間に挿入されています。
この装置の特筆すべきところはその精度とメカニズムです。動きのきっかけとなる冒頭に人の手が加わる他は、重力にしたがってひたすら転がってゆくボールや、それを支える樋、動きを伝える磁石など、物体の持つ物理現象のみをよりどころにしており、動力や人力を一切使わずに装置の動きが成立しています。
綿密な物理法則を駆使した結果、驚異の映像表現が生まれ、老若男女問わず多くの人々が映像に魅了されているようです。

さて、このピタゴラ装置には50種類以上あるのですが、そのうちのいくつかは必ずと言っていいほど見る者に笑いを引き起こします。
顕著なのは「音階」「乾電池」「バンジー」「走る路」など。
とりわけ「音階」では、私が個人的に観察した知人17名のうち16名が映像の最後で笑い声を上げました。
その場面の概要は次のようなものです。

『木のバチがロープウェイのようにぶら下がりながら傾いたアルミ棒を伝って滑り落ちてゆく。その勢いでバチが水の張ったコップに当たってピタゴラスイッチサウンドロゴのメロディを奏でるのだが、最後の音の手前で動きの勢いが弱まり、その一音が鳴らないかに思えた瞬間、少し遅れて最後の一音が鳴る。』
ここで大抵の人間が笑いを浮かべます。

2005年夏の「佐藤雅彦研究室展」においても、この場面では必ず見物人の間から老若男女問わずどっと笑い声が上がっていました。
ところが、よくよく考えると、これはとても不思議なことです。
この映像には、じつは明確な『意味』が無いのです。
『バチとコップという物体が物理法則に従って動いている』、客観的に形容するならただそれだけの映像にすぎません。
意味はもちろんのこと、ストーリーも無い
しかし、それなのに笑いが起きてしまいます。


ピタゴラ装置の映像によって生じる笑いが意味によらない笑いだと気付いたときからずっと、私はこの現象のことが気になってしかたありませんでした。
日常を振り返ると、ふつう、人間の笑いは意味に対する反応として発露しています。
可笑しいと感じるとき、言葉にせよ音にせよ身振りにせよ、我々はその意味に反応して笑っていることが多いのです。
私にとっても、意味と笑いは不可分のように思えていました。
しかし、無生物の物理法則という事象に対して笑いが生じる事例を目の当たりにし、その認識は根本から覆ってしまいました。
ピタゴラ装置では現に意味の無いところに笑いが生じています。
これはいったいなぜでしょう?


考えるうち、私はふと、脳科学のシンポジウム(覚え書き→こちら)で『脳のショートカット』を紹介した坂井克之氏のプレゼンテーションのことを思い出しました。
プレゼンテーションの中で、坂井氏は脳のショートカットの一例としてHeider & Simmel(1944) の研究を紹介していたのです。
紹介されたのは簡単なアニメーション。
大小2つの三角形が動いている映像なのですが、見る者にはそれがどうしても「三角形の親子」のように見えてしまうのです。
(元文献はこちら→Heider, F. and Simmel, M. (1944) An experimental study of apparent behavior. American Journal of Psychology, 57, 243?249.)
同じ映像ではありませんが、Heider & Simmel の研究映像一例を以下に例示してみます。

http://anthropomorphism.org/img/Heider_Flash.swf

この映像例では、大小2つの三角形と小さな円が動いているだけなのですが、見る者はまず間違いなくドラマチックなストーリーを感じ取ってしまうでしょう。
このように、本来意味が無いはずの図形の動きに対してまで人間の脳は勝手に反応し、意味づけと共感を引き起こしているのです。
いわば、意味が無いのに人間の脳が勝手に意味づけをしているということのようです。


さて、ここからが推論。
この図形たちのように、ピタゴラ装置においても同じ現象が起こっているのではないでしょうか。
見る側が、連動する動きを伝える物体たちに人格と共感を投影して、意味の無いところに意味を与えているのではないか。
そう考えると、コップの音階に対する笑いにも納得がゆきます。
表現そのものに意味はないけれど、見る側が意味を付与する、という意味において、この佐藤雅彦研究室の作るピタゴラ装置の表現は非常に希有な特徴を持っているものと思われます。


ところで、佐藤雅彦研究室の仕事を意識した表現として私がまず思い出すのが小林賢太郎氏の「ポツネン」シリーズ。
氏のソロコントライブ「ポツネン」では、佐藤氏の言う『見立て』や『人間にとって抗いがたい表現』を利用したコントパフォーマンスが目立ちました。
しかし、両者を決定的に異ならしめているのが「意味」との関係性であると私は考えています。
小林氏の表現はすべて意味から脱却できていません。
無言のコントも見立てのコントもすべて『意味』に依拠した表現となっています。
表現自体が意味を担っているので、見る側が意味を付与する余地はありません。
佐藤雅彦研究室の表現と表面上は似ていながら、意味に頼っているという点でこの2者の表現は本質的に異なったものとなっています。
以前私は、ラーメンズ小林賢太郎氏のコント作品が日本語という言語に深く依拠していると指摘しました。(参照→こちら )
それは小林賢太郎氏の表現の特徴であり、強みであり、同時に限界であるともとらえることができるかと思えます。
言語における意味の破壊と再構築に依存していた表現から、言語を使わずに意味を構築する表現へとスライドしたのが「ポツネン」という作品であったととらえることもでき、そういう意味では小林氏の表現手法は進化途上にあるとみなすこともできそうです。
もしもすべての人間に相通じる根源的な表現を目指すのであれば、小林氏の「ポツネン」における表現手法は到達点としてはまだ片手落ちと言えるのではないか、と思えます。
もっとも、小林氏がどのような表現を目指しているのかはわかりません。「TEXT」において意味と日本語という言語表現へ徹底的に依存した表現手法へ立ち返っているところをみると、小林氏自身は意味からの脱却にはさほど興味を抱いていないのかもしれません。
しかしながら、あらゆる笑いの可能性を探る姿勢を見せる小林氏が、『意味に依存しない笑い』という難題に取り組んだとしたら相当に面白い表現が生まれ得るものと期待され、佐藤雅彦研究室と小林賢太郎氏との表現上の接点に非常に興味深いものを感じます。

今後も観察してゆきたいテーマです。

*なお、このエントリはJSRブログへも投稿しています。


【情報】「midnight animation」発売。

2007-09-20 23:08:39 | アートなど
某熱帯雨林書店から拾ってきた情報。
佐藤雅彦研究室出身のクリエイター集団、ユーフラテス。
かれらの新作「midnight animation」が明日付けで発売されるようです。

<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=hazamanoiori-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4568503248&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>

これ、昨年10月に、日本橋のDIC COLOUR SQUAREで開催中されていた「COLOUR OF 10」という展示会に出品されていた作品です。
真っ暗な中で鑑賞するための、アナログかつ斬新で素朴なアニメーション。
予備知識無く触れたなら、純粋に驚きを感じること必至。
まったく新しい考え方のメディアだと思います。
面白いモノ好きや、お子さんをお持ちの方には文句無くおすすめです。

なお、昨年展示を観に行ったときの該当記事は→こちら



TENORI-ONデモ映像。

2007-09-15 00:24:35 | アートなど
</object>

岩井俊雄さんの「TENORI-ON開発日誌」で知った情報。
『0予算プロジェクト』としてToutubeにアップしたTENORI-ONのデモ映像が数日でなんと20万ビューを超えた模様です。
すごい!
せっかくなのでこちらでも宣伝(笑)。
上の動画をどうぞ。
楽器の概念を飛躍させる全く新しい楽器、光と音のTENORI-ON。
知名度が順調に上がっていってくれることを期待。
日本でも早く発売されますように。


おけらが好き。

2007-09-14 20:41:53 | さもないこと
先日、通勤帰りにコンビニエンスストアに立ち寄ったところ、懐かしい生物たちに出会いました。

Okera02

おけらくんです。
正式名称ケラ。土中生活性の昆虫です。
子供の頃に側溝の土で遊んでいてよく目にしました。
れっきとした昆虫ですが、モグラに似た頭部と前脚、びろうどのような手触りのせいか、どことなく哺乳類っぽい印象。
しかも、このおけらくん、土を掘るばかりか、空も飛び、水の中も泳げるという水陸空なんでもこなす凄いやつ。
妙に親近感を覚えます。
私にとってはちょっと嬉しい遭遇でした。

ところで、どうやら件のコンビニエンスストアでは、おけらの生活に適する環境(適度な湿り気を帯びた土がたくさん)に囲まれているため、周辺に住まうおけらたちが店の光に引き寄せられていたようです。
その後、夜であればいつ行ってもおけらを見かけます。
さながらおけら広場といったところでしょうか(笑)。

なお、せっかくなのでおけら写真集を以下に。
虫嫌いの方がいると困るので、一応畳んでおきます。

全身像。特徴的なシルエットです。
Okera01

腹面。でっぷりしたお腹とびろうどのように密生する金色の毛がモグラっぽさをさらに強調。
Okera03

頭部および胸部上面。こちらは虫っぽさ抜群。
Okera004

腹面。こうなると完全に昆虫らしさ炸裂です。
Okera04


以上、おけら写真館でした(笑)。
おそまつ。

ジベレリンの思い出。

2007-09-12 00:47:00 | さもないこと
近所で買った地場産のブドウが感動的に美味しかったのでメモ。
赤嶺(せきれい)という品種だそうです。
Sekirei01
100gあたり58円。これで227円也。(写真は半分ほど食べてなくなっています)
皮が薄く、種も無いのでまるごと食べられます。
皮の食感がぱりっとしていて歯ごたえが良く、実は柔らかい。そして林檎のように上品な香り。しかもめっぽう甘い。
非常に旨いです。
食べるために手が汚れないので、面倒くさがり屋向けのフルーツかもしれません(笑)。
おすすめ。

ところで、ブドウと言えば思い出すのが学生時代のバイト。
種無しブドウを作るためのジベレリン処理バイトを単発でよくやっていました。
じつは、種無しブドウはそういう品種なのではなく、開花前後にジベレリンという植物ホルモン剤処理をすることで種が出来ないようにしたもの。
この薬剤処理というのが、粉末薬剤を溶かした液体をカップに入れて、その中へひとつひとつの花房を手作業でドボンと浸けてゆくという非常に原始的かつ地道な作業。
ブドウ棚から下がる花房をひたすらカップに浸してゆくので、上を見っぱなし。かつ、腕を上げっぱなし。けっこうハードです。
液体は食紅でピンクに着色されていて、一度浸した花房を見分けられるように工夫されているのですが、しかし、花房に付く色はごく薄くて微妙。なので、たま~に浸したかどうかわからなくなって、同じ棚を何度も無駄に処理してしまったり、見落とされてしまう花房もあったりします。
また、すっかり浸したつもりが房の上部だけ薬液に浸かっていなかったりすることもあります。
ゆえに、種無しブドウに種が入っていて悲しい思いをするのはたいてい房の上部の粒なのです(笑)。

この種無し処理の数週間後にふたたびジベレリン処理をし、実を太らせる基礎づけをしたら、あとはお天道様の力次第で立派な種無しブドウが出来上がるというわけです。
このバイトをしてはじめて、種無しブドウが割高なわけに納得がゆきました(笑)。
つくづく、農業はあなどれません。

今でもブドウを見るたびこのバイトのことを思い出します。
懐かしい思い出です。


行きたい催し9-10月篇。

2007-09-10 23:12:37 | アートなど
備忘録的に。
(*9/11 0:50 3件追加。No.2、5および9。)

まずは、行きたいけれど行けそうにないイベントから。

1 ヤン&エヴァ・シュヴァンクマイエル展 -アリス、あるいは快楽原則-
http://www.lapnet.jp/eventinfo/img/cm/lm/070825_svankmajer/index.html
会場:ラフォーレミュージアム原宿 (原宿 明治神宮前駅近く)
会期:8月25日(土)~9月12日(水)

チェコの映像作家ヤン・シュヴァンクマイエルとその妻エヴェの作品を集めた企画展。
行ければゆきたいと思っているうちに会期が迫る。


2 ますむらひろしの世界展
http://www.yumebi.com/
会場:八王子市夢美術館 (東京八王子市)
会期:7月20日(金)~9月17日(月)

異世界アタゴオルを舞台にした奇想天外な作品群で、独特のマンガ世界を構築するますむらひろし。
作中に登場する究極のトリックスター、デブネコのヒデヨシなど忘れ難いキャラクターのファンはひそかに多いはず。
宮沢賢治への傾倒から、賢治作品のマンガ化も積極的に行うなど活動の場は幅広い。
そのますむら氏の作品展ということでぜひとも行かねばと思っていたところ、つい次期を逸す。
敗因は交通の便か。残念。


3 チェーンリアクション展 音を見る、絵を聞く展覧会
BankARTの広報→http://www.bankart1929.com/whatsnew/200709.html
チラシの画像→http://www.bankart1929.com/whatsnew/images/chain002.jpg
会場:BankART1929 (横浜 みなとみらい線 馬車道駅すぐ)
会期:9月12日(水)~17日(月)

絵を見た作曲家が音楽を作り、その音楽を聴いた芸術家が絵を描く・・・・という作業を積み重ねて生み出された作品群の展示会。
一枚の白いキャンバスを出発点にした、言わば「イメージの伝言ゲーム」。クリエイター32人が参加とのことで、いったいどんなことになってしまっているのか興味深い。
行ってみたい! けどたぶん行けない!


4 山口晃展 今度は武者絵だ!
http://www.city.nerima.tokyo.jp/museum/tenji/yamaguti-ten.html
会場:練馬区美術館 (西武池袋線 中村橋駅 近く)
会期:8月17日(金)~9月17日(月)

山口晃の作品から武者絵を集めた企画展とのこと。6月の「アートで候」が記憶に新しい山口氏の作品群。非常に興味深い。しかし、行けない!
誰か、図録だけでも買ってきてくれないかなあ・・・・。


5 めくるめくろじめぐり
http://www.geidai.ac.jp/labs/machi-yatai/index.html
会場:八谷玉林寺周辺 (地下鉄根津駅 近く JR鴬谷駅、上野駅から徒歩15分程度)
会期:9月7日(金)~9月17日(月)

東京藝術大学建築学科主催のイベント。
MACHI-YATAI PROJECT 2007。
UENO TOWN ART MUSEUM という企画のひとつでもあるようです。
上野の町並みに隠れる路地にアート作品を配し、地域を美術という『場』として提示しようという試み。
観念的ではありますが、何やら楽しげ。近くに寄るのであればぜひとも行ってみたい。
会期の短いのが惜しまれる。


6 岩井俊雄「10人のプロフェッショナルが語る劇的3時間SHOW」
http://www.geki3.jp/schedule_07.html
会場:青山スパイラルホール (地下鉄 表参道駅 近く)
日時:10月7日(日)18時半~21時半

毎日日替わりで各界のプロフェッショナルを呼んで話を聞こうというイベント。
10人のうちの一人として岩井俊雄さんが出演予定。
TENORI-ON発売で勢いに乗るメディアアーティスト岩井俊雄さん。
岩井さんのことですから、サービス満点のエキサイティングなパフォーマンスやプレゼンを見せてくれるものと期待されます。
まだ受付締切されていないかどうかわかりませんが、アートやものづくりに興味のある向きはおすすめ。



次は、多分行くであろうイベント。

7 ヤノベケンジ展 トらやんの世界
http://open-air-museum.org/ja/art/exhibition/yanobekenji/
会場:霧島アートの森 (鹿児島県湧水町)
会期:8月1日(水)~9月24日(月)

現代アーティスト ヤノベケンジの企画展。
青森県立美術館開設時に、『子供を守るロボット』して火を吹くジャイアントトらやんのパフォーマンス報道を目にして気になっていたところ、7月の東京都現代美術館の常設展(第1期)でアトムスーツや太陽の塔征服映像に衝撃を受け、以来、まとまった作品展を見たくて仕方なかったヤノベケンジ氏。
企画展が開催されていると知って喜んだものの、開催地はよりにもよって南の果て。一時期は諦めかけていたのですが、どうにかこうにか目処が立ち、行けそうな気配です。
なにわのトらやんとの対面。楽しみ。


8 エルネスト・ネト展
http://web.infoweb.ne.jp/MIMOCA/event3.html#EVENT_1
会場:丸亀玄一郎現代美術館 (香川県丸亀市 丸亀駅前)
会期:7月15日(日)~10月8日(月)

有機膜を思わせる個性的な造形で独特の世界を形づくるインスタレーション作家エルネスト・ネトの大規模な企画展。
かつて2001年の横浜美術館や箱根彫刻の森美術館、つい最近のオペラシティアートギャラリー「メルティング・ポイント」などで散発的にその作品と遭遇したことはありましたが、個展としてのまとまった展示は未見。
他都市は巡回しないらしいので、これはぜひとも行っておかなければなりませんねえ。


9 野田弘志展 ~写実の彼方に~ 現代リアリズムの極限に挑む
http://www.hiroshima-museum.jp/special_top
会場:ひろしま美術館
会期:9月15日(土)~10月21日(日)

リアリズムの極致。アンドリュー・ワイエスもびっくりの筆致。上田薫氏を思い出すも、それ以上の細密っぷりか?
画像からもそのとんでもなさがうかがえ、実物はどのような質感なのか興味深い。
ぜひとも作品群と対面してみたい企画展。


10 インタラクティブ東京(i-tokyo)
http://interactivetokyo.jp/2007/about.php
国際学生対抗バーチャルリアリティコンテスト(IVRC)
http://ivrc.net/2007/
会場:日本科学未来館7階 (台場 ゆりかもめ 船の科学館駅 近く)
会期:9月29日(土)~30日(日)

インタラクティブ技術を広く一般に向け展示したイベント。VR技術の新発想を問うコンテスト作品展示も同時開催。
メディア芸術祭やメディアアート好き、面白いモノ好きは必見。


11 地下展 空想と科学がもたらす闇の冒険
http://www.miraikan.jst.go.jp/j/sp/underground/
会場:日本科学未来館 (台場 ゆりかもめ 船の科学館駅 近く)
会期:9月22日(土)~2008年1月28日(月)

個人的に注目している内田まほろさんキュレーションの科学企画展。
地下というものに焦点をあて、1階特別展示会場すべてを使った かつてない規模で催される未来館渾身の展示。
『空想と科学』と『闇』というキーワードに心惹かれる。
これは是非とも行ってみなければなりませんねえ。


12 千厓・センガイ・SENGAI -禅画にあそぶ-
出光美術館のサイト→http://www.idemitsu.co.jp/museum/honkan/exhibition/schedule/200702.html
フジテレビ情報のサイト→http://wwwz.fujitv.co.jp/events/art-net/go/494.html
会場:出光美術館 (有楽町駅近く 帝国劇場ビル9階)
会期:9月1日(土)~10月28日(日)

なんとも摩訶不思議な味わいのある禅画を描く千厓(←たぶんwinでは文字化けする。まだれに土ふたつ。せんがい)の没後170年記念企画展。
一見しただけで目を奪われる独特の画風は一見の価値ありかと。


13 馬と現代美術展
http://www.mmat.jp/timetable.html#2007
会場:目黒区美術館 (目黒駅から徒歩15分)
会期:10月11日(木)~11月25日(日)

良質の渋い企画展を次々と繰り出してくれる目黒区美術館の次期企画展。
現代美術の中の馬に着目するという、その目のつけどころに拍手喝采。馬好き必見?


14 六本木クロッシング2007:未来への脈動 展 -今、見たい日本のアーティスト36組-
http://www.mori.art.museum/contents/roppongix02/index.html
会場:森美術館(六本木ヒルズ53階)
会期:10月13日(土)~2008年1月14日(月)

今注目の日本の現代作家作品を集めた企画展。
佐藤雅彦氏と桐山孝司氏の「計算の庭」が出展されるので、まずもって楽しみ。
さらに、出品作家を見ると、人形作家四谷シモン氏や、「くらしいきいきいきいきいきいき」が記憶に残る田中偉一郎氏、私の中で『正規分布の橋』として名高い横浜トリエンナーレ2005のウェルカムゲートの池水慶一氏、pixcellシリーズの名和晃平氏、辻川幸一郎氏など、素敵な取り合わせの名前がずらり。
これはかなり楽しみな展示です。


まだまだたくさん気になるイベントがあったような気がするのですが、とりあえずここまで。
思い出したら付け足します。