はざまの庵

分類し難い存在を愛でる覚え書き by aiwendil お気軽にコメントをどうぞ。

<font size="-3">石川雅之「もやしもん」。</font>

2005-07-31 23:05:51 | 日記・エッセイ・コラム
奇妙で面白いマンガをみつけました。
石川雅之氏の「もやしもん」です。
何故か微生物が肉眼で見えてしまう特異体質の主人公が、東京の農大で繰り広げる蘊蓄満載の醗酵醸造コメディ。
何が可笑しいって、主人公沢木の目から見た微生物たち。
シャーレの中でS拳していたり、「かもすぞ~」とつぶやいてみたり。
妙にかわいらしい脱力系のキャラクターとして立派に成立していながら、ひそかに種の特徴をつかんでいるのが秀逸。
私自身は病原性微生物にしか馴染みがなかったので、描き出される有用な微生物たちの世界には正直感心してしまいました。
生物系、農学系のバックグラウンドを持った方には特にオススメです(笑)。
詳細情報はこちら→もやしもん



<font size="-3">クラフト・エヴィング商會「アナ・トレントの鞄」。</font>

2005-07-31 22:30:11 | クラフト・エヴィング商會
新潮社から出版されているクラフト・エヴィング商會の新作「アナ・トレントの鞄」を購入しました。
女優アナ・トレントが映画「みつばちのささやき」の中で持っていた鞄に魅了され、「あの鞄を手に入れたい!」と思い立ったものの、いつしか忘れてしまった商會3代目。
遠い日のその想いが甦り、今度こそ実現せんと3代目は旅に出ます。
3代目がその久々の仕入れ旅で出会った魅惑の品の数々が小さなエピソードと共に紹介されてゆきます。
今回も美しい写真とウィットは健在。
商會好きにはたまらない1冊です。
詳細はこちら→アナ・トレントの鞄



<font size="-3">佐藤雅彦「子供の仕事」「トゥーチカと飴」。</font>

2005-07-29 23:59:42 | 佐藤雅彦
紀伊国屋書店から部数限定で発行されている佐藤雅彦氏の小説「子供の仕事」と「トゥーチカと飴」を購入しました。
小さくさもないけれど、とても幸せな物語です。
映画「kino」の世界にとても近いものを感じます。
「子供の仕事」はどちらかといえば映像寄りの記述。ドラマ化して「kino」の中にそっと混ぜて欲しい作品です(笑)。
そして「トゥーチカと飴」。これには本気で感動してしまいました。
ものづくりに接してこられた佐藤氏の心意気に触れたような気がします。
この2冊、装幀もシンプルな私家版といった風情。
デザインや版組などの見た目もひっくるめて、佐藤氏の紡ぐこの世界、大好きです。
紀伊国屋書店の該当新刊情報は→こちら



<font size="-3">キリ番20000。</font>

2005-07-28 22:33:29 | お知らせ
いつのまにやらキリ番20000が近づいております。
20000を踏まれた方には粗品進呈を予定しておりますので、どうぞ今しばらくカウンタにご注目くださいませ。ちなみに、「何度来ても番号が変わらない、おかしい」という場合は、"表示"メニューから"画像の再読み込み"をすると最新番号が表示されるはずです。
なお、自己申告制ですので、キリ番獲得の方はこちらにコメント返信していただくか、筆者宛にメールくだされば幸いです。
メールは、この右側にある薄緑色のサイドバーの下のほう、「バナー」と書かれたところの上の「メール送信」という項目から送ることができます。御活用ください。
今回は久々のキリ番。
前回惜しいところでキリ番を逃した方々、今度こその幸運をお祈りしております(^^!



<font size="-3">佐藤雅彦 新刊情報。</font>

2005-07-25 23:31:37 | 佐藤雅彦
佐藤雅彦氏の小説新刊が出版されるようです。
刊行されるのは
「トゥーチカと飴」
「子供の仕事」
の二冊。
既刊の「砂浜」同様、早乙女道春氏による挿絵のついた絵本的な書物のようです。
現在、紀伊國屋書店 新宿本店4Fの紀伊國屋画廊で「早乙女道春展」が開催されているらしく、そこで、この『トゥーチカと飴』と『子供の仕事』を限定先行発売しているそうです。


なお、一般発売は7月27日とのこと。
詳細は佐藤雅彦氏のオフィスTOPICSのHP→こちら  をどうぞ。




<font size="-3">地震再考。</font>

2005-07-24 22:49:01 | 日記・エッセイ・コラム
昨日の東京における地震の報道を見て、2年前の宮城県北部連続地震のことを思いだしました。
2年前の地震では震度6クラスの揺れが1日のあいだに3回続いたわけです。
実際、一部の地域では甚大な家屋被害が発生しました。
我が家でもテレビが転落、PCも落下、食器が軒並み割れ、台所の流し台が動き、しまいには本棚が倒壊して腰まで本の海になった、という苦い(でも、笑ってしまうほどに見事な光景でした。思わず記念写真を撮ってしまったほど。)経験があります。
地割れ、山崩れ、電柱倒壊などがあったのも事実です。
しかし、あれだけ大きな揺れがありながら、二次的な被害が波及することはほとんどありませんでした。
今回の東京の地震報道を見ていると、揺れそのものの被害ではなくむしろ都市機能に附随する二次的被害が大きいことがうかがえます。
地震という災害の被害を測る上で、震度と同等、いやむしろそれ以上に重要なのは場所と人口密度なのではないか、そう痛感した昨日でした。
震源に近い地震の場合、独特の地鳴りとともにやってくる余震はとても嫌なものです。
東京近郊にお住まいの方々の被害が少ないこと、余震が少ないことを祈ります。


そういえば、2年前の地震のときに発見したのが有事におけるネットの強さです。
電話が有線も携帯も不通状態にあるなか、Air'Hを介したメール通信・チャット等がいとも簡単に成り立ったのが印象的でした。
緊急時のインターネット利用は想像以上に有用な可能性を秘めているのかもしれません。



<font size="-3">いそもの の味。</font>

2005-07-20 22:51:44 | 佐藤雅彦
isonomo02先日の「いそもの」が届きました。
店頭で聞いた話によると、すでに茹でてあるので自然解凍するだけで食べられるとのこと。
さっそく解凍して食べてみました。
身を取り出すのに苦労するかと思っていたのですが、以外にも簡単。
蓋をつまんで巻き方向にねじりながら引っぱると、身がきれいに取れます。
味は、ツブ貝を凝縮したような素朴なおいしさでした。
写真の通り、大中小さまざまな大きさの貝があったのですが、小さいもののほうが味が濃く、かつ口当たりが良くておいしく思えました。
そして、おいしいだけでなく、裏側にきれいな緑の模様と銀虹色の光沢があって、とても綺麗です。
非常に愛すべき貝に思えます。

isomono03ところで、たくさんの いそもの の中にひとつだけ違う貝が混じっていました。「しったか」という貝のようです。いそもの を買ったときに売り場でレジの方が一瞬間違え、「しったか・・・じゃなくって いそもの ね。しったか はもうちょっと尖ってるから・・・」とおっしゃっていたように、いそもの に良く似ています。
isomono04いそもの(写真右)が波状の凸凹があって少し平たく、内側にアワビのような光沢を持っているのに対し、しったか(写真左)は、いそもの よりも色が黒く、表面が滑沢。味もざりっとした触感があって、あきらかに別物でした。
両方味わえてちょっと得した気分です(笑)。



<font size="-3">「佐藤雅彦研究室展」開催情報。</font>

2005-07-20 21:09:18 | 佐藤雅彦
ふと、アップしていなかったことに気付きましたので早速掲載。

東京銀座で「佐藤雅彦研究室展 -課題とその解答-」が開催されるそうです。
会期:8月4日(木)~8月29日(月)
会場:DNP銀座ビル ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)
開館時間:11時~19時(土曜日は18時まで)
     日曜祝日は休館
料金:入場無料


内容は、佐藤雅彦研究室の仕事を総括的に紹介する展示のようです。
研究室の映像作品(未公開映像含む)上映もある模様。
また、会期中には佐藤雅彦氏と茂木健一郎氏の対談イベントもあります。
佐藤雅彦ファンはもちろんのこと、1月の佐藤研の特集番組に興味を持たれた方にはおすすめの展覧会です。


・「佐藤雅彦研究室展」詳細情報はこちら→ggg Next Exhibition

じつは、なんとわたくし、上記の対談イベントの予約を取ることができました(^^。
念願叶って佐藤氏ご本人から生でお話を聞くことができそうです。
しかも、最近私が注目している茂木健一郎氏との対談。
いったいどのような話が展開するのか、今から非常に楽しみです。



<font size="-3">そうだ、戸田へ行こう。</font>

2005-07-18 00:48:30 | 佐藤雅彦
hedagyokyou静岡県の戸田村(現在は沼津市)に来ています。
知る人ぞ知る、佐藤雅彦氏の故郷です。
昨年出版された佐藤氏の小説「砂浜」の舞台でもあります。
以前は、佐藤氏の故郷には若干の興味があったものの、わざわざ行こうとまでは思っていませんでした。
しかし、この小説を読んでからというもの、どうしても行ってみたくてたまらなくなってしまったのです。
いわば佐藤氏と「砂浜」を辿る旅。
3連休の初めに東京まで出たついで、ここぞとばかりに足を運びました。


実際に訪れてみてわかったのは、小説が戸田村の記憶をじつに忠実に描いているということです。
定期船も、としちゃんが渡船と競争した御浜から大浦への道すじも、海金魚と呼ばれる青い魚の群れも、ロシア水兵のお墓も、御浜の外洋も、牡蠣殻のついたブイも、すべてが小説世界そのままに実在しており、不思議な懐かしさすら感じました。もちろん若干の違いはあります。しかしそれも、きっと時間経過による変化。おそらく、限りなくノンフィクションに近い小説なのでしょう。佐藤氏の戸田村への想いが具象を得ていきいきと甦るような、なんとも言えず暖かな心持ちになりました。
「砂浜」出版時のインタビュー記事で佐藤氏は「御浜の砂は特別で、その砂をイメージした装幀にしてもらった」と述べていました。いったい何が特別なのか、この記事を読んだときにはピンとこなかったのですが、御浜を実際に訪れてみて砂浜を観た瞬間に「!」となりました。たしかに独特の風合いを持った砂質だったのです。即座に「砂浜」の外カバーが頭に浮かびました。
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ところで、宿泊先のご主人がたまたま佐藤氏と同級生だったそうで、ご主人曰く、「小さい頃から頭が良かった」「ここからすぐ近くのところに住んでいた」「あっちのコンビニの名前は佐藤さんが手がけた」等々。貴重な情報を教えていただきました(笑)。
umitakeyamatake02コンビニの看板はさっそく確認。「海竹山竹ストア」という印象的な名前です。看板はあのかわいらしい文字。そしてしっかりロゴキャラクターまで配置している周到さ。控え目ながら佐藤雅彦カラーは存分に発揮されていました(笑)。


今回は造船資料館と深海生物館、御浜の外洋・内海、大浦、宝泉寺、道龍川、戸田小学校、などを巡ったわけなのですが、途中立ち寄った戸田図書館で思わぬ発見がありました。
地元の図書館です。著作本がないかと探してみると、日本文学の棚に紛れるようにしてひっそりと「砂浜」がありました。図書館所蔵書籍の宿命として外カバーは外されています。せっかくなので手にとって開いてみるとそこには・・・・・ なんと、佐藤氏直筆のメッセージがあるではありませんか。
見開きの扉絵、水中眼鏡のイラストがある頁の余白にブルーグレーのインクでこうありました。
「戸田村のみなさんへ
  戸田は 僕にとって どこにも
  かえがたい場所です。
  未来の人たちに こんな素晴らしい
  ところがあったことを 伝えたくて
  この物語を書きました。
     平成十六年八月十五日
       口南にて 佐藤雅彦 」
他でもない、佐藤氏から戸田図書館への寄贈本だったのです。
佐藤氏の心の底にはきっと、ここ、戸田の風景が深く刻み込まれているのでしょう。
遠く離れていても風景は常に共にある、きっとそんな存在なのでしょう。
佐藤氏の戸田への想いがいかに深いかを垣間見たような気がしました。
決してメディアには現れない、そんな佐藤氏の素顔になぜだかむしょうに嬉しくなってしまいました。
何とも形容し難い幸福感という思わぬ収穫があった今回の戸田訪問です。

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<font size="-3">クリオネプロデュース「パリアッチ」。</font>

2005-07-17 00:37:55 | ラーメンズ
東京新宿の共済ホールスペースゼロで上演されている、クリオネプロデュース「パリアッチ」の7月16日14時公演および19時公演を観て参りました。
ほぼ片桐さん目当ての観賞でしたが、不思議な舞台世界は私にとってとても印象に残るものとなりました。
受けとめようによっては単純にも複雑にもとれる物語のように思え、私自身もいくつかの解釈の間で揺れています。
直接は関係ないものの、何故かヴェルディのオペラ「仮面舞踏会」とモーツァルトのオペラ「魔笛」を思い出しました。
片桐さんは素敵な活躍ぶりでした。ちょっとだけパパゲーノのイメージ(笑)?
ああ、やはり自分は片桐さんが好きなんだなあと再確認。存在するだけで場の空気を和ませてしまう片桐仁氏。あの和み能力は唯一無比のものに思えます。
そして、片桐さんとならんで目を奪われたのがぼくもとさきこさんです。
あの存在感。一目惚れしてしまいました(笑)。
ぜひ別の舞台も観てみたいです。
余談ですが、今日の2公演も収録カメラが入っておりました。
この1年で4回目。
収録遭遇率が高い観劇人生を送りそうな予感がいたします(^^;。



<font size="-3">東京遠征、びっくり三重奏。</font>

2005-07-17 00:00:23 | さもないこと
今日(7月16日)は新宿で、クリオネプロデュース「パリアッチ」2ステージと、映画「姑獲鳥の夏」を観て参りました。
「そういえば『姑獲鳥の夏』も今日からだったなあ~」という程度の認識で、「パリアッチ」前に新宿の映画館へ行った訳なのですが、まずそこでびっくり。
なんと、ちょうど初日舞台挨拶があったのです。
上映後に実相寺監督、出演者(堤氏、宮迫氏、阿部氏、原田知代氏、田中麗奈氏、いしだあゆみ氏)、原作者京極氏が登場し、それぞれコメントを述べておられました。
俳優の方々はさておき、まさか京極夏彦氏の姿を生で見られるとは思ってもみなかったので、とても驚きました。
それにしても京極氏、話が上手すぎます。随所で笑いを取りつつ、しかるべき場所にすとんと落とす素晴らしいトーク。俳優陣に混じっても全くひけを取らない話っぷりは、まるで噺家さんのようでございました(笑)。


ふたつめのびっくりは「パリアッチ」昼公演後。
会場を出て歩いていると、すぐ横にG2氏が!
どなたかと話し込みながら歩いていらしたので何をするでもなく看過。
ただ、たまたま方向が一緒だったらしく、図らずも数百メートルず~っと行程を共にする結果となりました(笑)。
噂に違わぬ大きな手。なんとも不思議な遭遇でした。


そして、3つめにして最大のびっくりは、「パリアッチ」夜公演前。
開場よりもかなり早めに着いてしまったので、会場近くの某コーヒー店へ向かっていると、なんと、向こうから片桐さんが歩いてくるではありませんか!
楽屋へ戻るところだったのでしょう。ドリンクを手に、共演の野口さん、ぼくもとさんと3人で和気藹々。
蛇崩ヘア-にお馴染み眼鏡、素敵Tシャツに夏仕様短パン。とてもリラックスした様子が楽屋の雰囲気の素晴らしさをうかがわせました。
度胸がなくて声はかけられませんでしたが、遭遇だけでも充分に嬉しい出来事でした。


「へぇ~、あるんだ実際。」
今日という日を総括するならばこの一言につきます(笑)。
びっくり3連続の東京遠征でございました。