赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

幻想の水素社会...水素論者が結論は○○社会!?

2023-10-10 00:00:00 | 政治見解




幻想の水素社会...水素論者が結論は○○社会!?:231010情報


10月4日の午後のブログで「洋上風力発電」には、脱炭素への期待はできないどころか、金の無駄遣いとの指摘がありました。

それなら、トヨタなどが進めている「水素社会」はどうなのか。

同社は「水素社会実現に向けた取り組み」の中に、「地球上に無尽蔵に存在し、さまざまな方法で製造が可能なため、将来も安定して確保できます。また、気体・液体・固体での輸送や貯蔵が可能であり、電気の欠点を補えることから、国や自治体、産業界が幅広く連携して、水素の利用・普及に力を入れています」と述べています。

ところが、水素をつくる製造方法には、化石燃料を燃やす過程でできる水素と、水から水素をつくる「電解法」、つまり電気で分解する方法があります。前者はCO2を排出しますし、後者は、水を電気で分解する過程で大規模な量の電力が必要となります。いまのところいい方法は見つかっていません。

この現状を、国際政治学者は以下のように分析しています。理想と現実の間には大きな乖離がありそうです。



水素を作るのにもコストがかかるのです。水素というのは、その辺りを掘ったら出てくるものではありません。

クリーン水素、グリーン水素と言っていて、そもそも水を電気分解すれば水素と酸素に分かれることは誰でも知っていますが、膨大なエネルギーが必要となります。それであれば、初めからその電気エネルギーを使った方が良いのではないでしょうか。一旦、水素に換えるというのは電気の無駄です。

それから化石燃料であればエネルギーの6割は、そのまま燃やす暖房といったことに使われるので、発電に使われるエネルギーは4割です。その6割のエネルギーは、そのまま温水にするとか、工場で機械を動かすといったことに直接使われるものであり、電気に換えるものではありません。だから、水素に換えてから使用するのではなく、化石燃料のまま熱源として使えば良いのです。

水素というのは今の段階で言えば、非常にコストの高いエネルギーであって、それに化石燃料を使うならエネルギーの無駄遣いになります。よっぽど安くて水素ができるということになれば話は別ですけど、今のところ、そういう話は聞いていません。それで洋上風力が良いのではないかと言うのですが、結局、洋上風力は駄目だということになります。

そうすると水素社会というのは、二酸化炭素を出さないクリーンな原発で電力をどんどん安く作って、水素を作って動力源にしましょうというものです。既に水素で自動車が走れるわけですから、そういう動力源にするというストーリーになっていて、私は水素社会=原発社会ということだと思います。

その水素社会というのはコストが高くかかりすぎて、原発も現実的に言いますと太陽光発電、陸上風力発電、天然ガス発電よりもコストが高くなっているのです。

たとえ原発を回して安全であったところで、水素社会は非常にコストの高い社会でしかありませんから、自由競争の社会では成立しないと私は思います。それから、水素は非常に軽い気体なので液化天然ガスにしないと運べません。液化天然ガス(LNG)の巨大なタンカーがありますけど、あれは巨大な冷蔵庫です。LNGの温度をすごく下げて気体を液化して持ってくるような仕組みになっています。

要するにその間、冷やしているというだけで物凄いエネルギーがかかるということです。これは水素を液化して使うというのは大変なことでもあります。

確か普通の天然ガスでもマイナス160度くらいに下げて液化できるそうです。水素の場合はマイナス250度くらいまで下げなければいけません。絶対零度が273度ですから、ものすごく低い温度にならないと液化できないので、効率的に運ぶことができないということになります。だから水素社会は幻想だと思っているので水素プロジェクトは儲からず、それに関わる会社やプロジェクトは潰れるのではないでしょうか。

最終的にコスト高であれば、政府が永久に補助金を出し続けることはできません。補助金を出すということは、それは国民全体が税金で賄っているものですから、結果としてコストが高いということに繋がります。つまり政府の補助金が出たとしても、それは国民の税金でやっているのですから、最終的には国民が負担しているということです。

だから国家全体、国民全体がより高い電力、あるいは水素を動力源として使うにしても、水素に対して払っているということに繋がり、そういった馬鹿みたいな話には絶対にならないと私は思います。要するに経済合理性がないということです。9月12日のブルームバーグの日本語版が「水素社会は完全な幻想で時間の無駄だ」と報道しています。

イギリスにヘッジファンドがありますが、その中にアルゴノート・キャピタル・パートナーズという会社があって、そこの最高投資責任者のバリー・ノリスが「水素社会について残念ながら完全に時間の無駄だ。多くのこれらの企業のビジネスモデルがうまくいくかどうか懐疑的だ」と言っており、要するにうまくいかないということです。このノリスは水素関連ビジネスに関連してショートポジションを取って、株価下落で儲けようとしています。この人は大儲けできるのではないでしょうか。水素社会は幻想であるということを言っている方がいます。



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