赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

テロと戦争を仕掛けるラスボス

2023-10-28 00:00:00 | 政治見解




テロと戦争を仕掛けるラスボス :231028情報


パレスチナの武装組織ハマスがイスラエルに対し、かつてない規模の攻撃に出ました。ハマスとは、パレスチナ・ガザ地区を実効支配する武装組織で。イスラエルの破壊と、その後のイスラム国家の樹立を、目標に掲げています。

彼らは2007年にガザ地区を掌握して以来、イスラエルと何度か交戦してきています。戦争と戦争の合間にも、イスラエルに向けてロケット弾を何千発も発射するほか、他の武装勢力にも発射させ、別の攻撃方法でもイスラエル人らを殺害してきました。非常に残虐なテロを起こす存在なのですが、なぜか日本のメディアはハマスが被害者の様に報道することが多いのも事実です。

その理由は、日本のメディアが中国と極めて親和性があるからにほかなません。彼らは中国が何か問題を引き起こしても中国を攻撃しないのと同様に、ハマスも「敵の敵は味方」と感じているからです。親中=反米、アメリカとその関係先のイスラエルははじめから敵視する存在なのです。


さて、当ブログに、今回の「ハマスの大規模テロの裏には中国がいる」との情報が二つの別の情報源から寄せられました。大変興味深い内容なので、今日と明日の二日間、それぞれの情報をお伝えします。

まず、今日は、ソ連崩壊時からロシアに在住し、ロシアの手の内を知り尽くした北野幸伯さんの解説を許可を得て掲載いたします。



わたしは、数か月前から、「イスラエルーイラン戦争の可能性」についてお話ししてきました。実際に起こったのは、ハマスによるイスラエルに対する大規模攻撃でした。これに対し、イスラエルは空爆による報復を行っています。そして、近い将来地上作戦が行われることでしょう。

これ、現状「イスラエルーハマス戦争」ですが、実をいうと、「イスラエルーイラン戦争」でもあります。というのも、イランがハマスの背後にいるからです。

『朝日新聞DIGITAL』2023年10月9日付。:〈米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は8日、イスラム組織ハマスがイスラエルにしかけた大規模な攻撃はイランの関係者が準備段階から協力し、最終的なゴーサインを出したと報じた。ハマスと、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの幹部の話として伝えた。〉

〈WSJによると、イラン革命防衛隊のメンバーは8月から、パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するハマスと、イスラエルに向けた陸海空の侵攻について協議した。レバノンの首都ベイルートで革命防衛隊やハマス、ヒズボラらのメンバーによる会議が重ねられ、攻撃の詳細が計画されたという。最終決定の会合は2日にあったとしている。〉


ウクライナ戦争でロシアと戦い、イスラエルーイラン戦争で、イスラエルと共に戦うことになるアメリカ。当然、「二正面作戦」を望まないでしょう。外交力で、イスラエルーイラン戦争を止めることができるか、注目です。

現状、ハマスとつながる勢力は、以下のようになっています。

ハマス、レバノンの武装勢力ヒズボラ ←イラン ←ロシア ←中国
中国がラスボスです。


私は、こういうつながりを【 黒化勢力 】と呼んでいます。黒化勢力とは、要するに「独裁国家勢力」という意味です。赤化勢力は、「共産党の一党独裁」という特徴がありました。しかし、黒化勢力には、「独裁体制であること」以外の共通点があまりないのです。

共産党の独裁、金正恩の独裁、プーチンの独裁、ルカシェンコの独裁、タリバンの独裁、ミャンマー軍の独裁などなど。どれも独裁ですが、独裁の主体は個人、党、軍とさまざまです。

黒化陣営の勢力図を見てみましょう。

まずラスボスの中国がいます。東には、北朝鮮があります。北には、プーチンがどんどん「黒化」を進めているロシアがいます。

ロシアと中国の間には旧ソ連の中央アジア諸国がある。トルクメニスタン、ウズベキスタン、タジキスタン、カザフスタン、キルギスは、ロシアから離れ、中国と「運命共同体」を作ろうとしている「黒化勢力」です。

さらに中国の西には、アメリカ軍が去り、タリバンが復活した黒化アフガニスタンがある。中国の南西には、軍クーデターによって黒化したミャンマーがあります。

ロシアの西には、独裁者ルカシェンコが支配する黒化ベラルーシがあります。

そして、アフリカ大陸にも独裁国家が多い。

こう見ると中国を中心とする「黒化陣営」は、ものすごい勢力であることがわかります。あたかもソ連全盛時代の「赤化勢力」のごとしです。

ところで、日本でも世界でも、一定の支持を得ている「説」があります。それは、「プーチンは、悪のグローバリスト、国際金融資本(最近でディープステイトという言葉が流行中)と戦う英雄だ!」というものです。

この説を支持する人達は、奇妙なことに「習近平は悪だが、プーチンは善だ」と主張することが多い。これは、本当に興味深いことです。事実を言えば、プーチンと習近平は、大昔から「反米の同志」です。

ウクライナ侵攻で力の衰えたロシアは、中国の属国、プーチンは、習近平の僕のようになっていますが・・・・。

私は、2007年に『中国ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日』という本を出版しています。ロシアの動きを追っている私から見れば、ロシアと中国は、2005年からずっと「事実上の同盟国」です。

そういえば10月18日、プーチンは北京で習近平と会談。記者会見で「共通の外的な脅威は、ロシアと中国の交流を強めることになる」と語りました。「共通の外的脅威」とは、言うまでもなくアメリカのことです。

実際、2005年以降、プーチンは一貫してアメリカを批判し、中国を絶賛してきました。「プーチン英雄論者」は、この18年間の事実を完全に無視して、「プーチンと習近平は違う!」「プーチンは善、習近平は悪!」「プーチンロシアは善、習近平中国は悪!」と主張します。

「事実ベース」で世界情勢を研究している人たちは、この辺の矛盾に気づいているでしょう。

実を言えば、中国とロシアは、世界を「黒化」しようとしている。

なぜ?

「世界を自分たちと同じ体制にしよう」というのは、当然のことです。たとえばアメリカは、世界中どこにいっても「民主化」を叫びます。

アフガニスタンやイラクのように、全然民主主義の土壌がないところでも、自国の価値観を押し付ける。かつてソ連は、世界中の国々を「赤化」し、共産党の一党独裁体制」にすることを目指してきました。今中国とロシアは、世界中を「黒化」しようとし、かなり成功しているのです。

私は、「アメリカが善だ」とはいいません。ただ、中国とロシアは、「こういうことを狙っているのだ」と事実を語っているだけです。


(明日は、台湾独立運動家の視点から、「ハマスを裏で操る黒幕の正体」をお届けします)




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