赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

日本が“石油大国”になる???

2023-10-25 00:00:00 | 政治見解




日本が“石油大国”になる???:231025情報

イスラエルとイランが戦争になれば、イランやサウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)などの産油国が面するペルシャ湾とオマーン湾の間に位置するホルムズ海峡を航行する原油タンカーの通行が見通せなくなります。

また、台湾有事となれば、タンカーが台湾南部海域で中国軍によって航行を阻害されるだけでなく、臨検されたり拿捕されたりすることで航行の安定が阻害される恐れがあります。要は、有事によって日本の原油輸入が左右され、経済に大打撃を被ることがわかります。

国内に原油が産出されればこんな苦労することもないのにと思ってしまうのですが、実は、日本にも大量の油田があるらしいのです。実際、地震が多い国は「原油がある」と聞いてはいたのですが、ずっと日本に「原油はない」と刷り込まれていましたので、以下の話を聞いた時には驚きを禁じえませんでした。




上左の画像の地図をご覧ください。九州の左下あたりに赤い丸がありますよね。実は、この海域に莫大な量の”資源”が眠っているそうなのですが、何か知っていますか?

銅や亜鉛、レアメタルなどの鉱物ではありません。もちろん金銀財宝でもありません。それは、「エネルギー資源」です。実際、国際政策研究所 ウッドロー・ウィルソンセンターの調査によると、そこには大量の天然ガスと石油が眠っていると言います。

しかも、少し取れる程度の話ではありません。サウジアラビアの埋蔵量の40%に相当する原油、そして同国の70%近くの天然ガスが取れる可能性があると言うのです。そう、この海域の名は通称”第7鉱区”。

九州、韓国、上海に囲まれたこの地域には、天然ガスが5,000〜6,000立方キロメートル、原油は1,000億バレル眠っていると推定されています。

世界有数の産油国であるサウジアラビアの資源埋蔵量は、
・天然ガス:8,500立方キロメートル
・原油:2,600億バレル
つまり、その約40%に相当する原油、約70%の天然ガスが眠っているということです。

現在、原油1バレルあたりの価格は約12,000円ですから、第7鉱区から生まれる経済効果は原油だけで約1,200兆円の計算になります。(2023年10月時点)これは、2022年度日本の国内総生産(540兆円)のおよそ2.2倍。

いかに大きな可能性を秘めているかがわかりますよね。でも、不思議ではありませんか? 一体なぜこんなにも豊富な資源を今まで掘ってこなかったのでしょうか? そこには、これまで日本が手を出してこなかった”ある事情”がありました。

そもそも、この第7鉱区に大量の資源が見つかったのは1968年のこと。国連が「東シナ海に巨大な海底油田が存在する!」と報じたことがきっかけでした。すると、韓国は真っ先に「この海域は自分たちのものだ」と主張を開始。しかし、当時の韓国には資源を掘るのに十分な資金がなかったため、日本と共同で開発を進めることに。以降、日韓で共同開発が行われてきました。しかし、韓国側からの資金提供が少ないことから、事業は長らく停滞してきたのです。

1996年には国際法が変更され、その大半が日本のものへと変わりましたが、それでも利益は折半。そのため日本は、協定が切れるのを密かに待ち続けてきました。

現在は領土と領土の中間を領海とするので日韓の条約切れでほぼ全域が日本領海となるので単独で採掘可能になります。(最近の国際裁判所の判断【※1】に従えば、この領域は日本の排他的経済水域になる)。

【※1】1985年に国際司法裁判所(ICJ)が『リビア・マルタ大陸棚事件』で、中間線を基準にした判決を元にすると、ICJの下した中間線論理では、同協定の共同開発区域の大半が日韓中間線以南の“日本側”大陸棚に設定される

そして、5年後の2028年。ようやく協定が切れ、この莫大な資源は日本のものになろうとしています。おそらく、2028年を迎える前には第七鉱区はもっと認知度が上がっているでしょう。韓国では第七鉱区を題材とした映画が10年ほど前に上映されています。映画のきっかけもあり、韓国では第七鉱区の認知度が高いのですが、日本の認知度は低く、大半の方が知らない状況です。

実際、2023年7月、米下院インド太平洋小委員会のアミ・ベラ議員は、「経済分野における実質的な成果が期待できる」と発言。第7鉱区は日本経済が成長する重要な鍵になるかもしれません。

なお、今は、日本だけではなく、石油業界は盛り上がりを見せています。
・2022年6月、アフリカ諸国ナミビアは近海にて、110億バレルの原油、62立方キロメートルの天然ガスを発見。
・マレーシアは7月、沖合に新たな6つのガス油田を発見。
・OPECは9日、2045年の石油需要は2022年比16.4%成長すると発表。新規石油プロジェクトも加速させるべきとの見解を述べています。




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