赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

北朝鮮ミサイルの露骨なメッセージ topics(604)

2022-10-04 12:56:56 | 政治見解



topics(604):北朝鮮ミサイルの露骨なメッセージ


北朝鮮がミサイルを発射するときは明確なメッセージ性があります。

これまでの経緯をふりかえってみると、国際社会全体に対する「食糧援助をしてほしい」、アメリカに対しては「北朝鮮を攻撃しないでほしい、経済制裁を解除してほしい、もっとかまってほしい」との哀願が込められていることは、どなたもご存知のことと思います。

また、日本に対しては、ちょっと強気で「援助をよこせ」と言っているのですが、同時に、国会審議などで窮地に立つ自民党政権を結果的に救うためにミサイルを打ってきたと邪推することができる代物でもありました。

なお、たまに、中国に対するメッセージもありますが、その場合は、「援助しなければ核攻撃するぞ」との弱者の脅迫になっていたので仕方なく中国が応じていました。なお、韓国については、北朝鮮が属国と見なしているため基本的には脅しです。在韓米軍がいなくなったら直ちに攻め込むつもりは昔も今も変わりありません。

さて、今回のメッセージには様々な意味があると思います。基本的なメッセージは「北朝鮮がロシアの側に立った」ということに尽きると思います。

ロシアにとっては大変ありがたいメッセージであることは間違いありません。これで、第一に武器弾薬が北朝鮮から補給される見通しが立った上、第二にウクライナに集中している国際社会の目を東アジアに振り向けさせることができ、第三に北朝鮮軍と極東ロシア軍が協力して日本に攻め込もうとする姿勢を見せるだけでも日本を震え上がらせることができ、第四にアメリカの軍事力をウクライナから切り離す、あるいは半減させられる、と喜んでいるわけです。ロシアの喜びようがまるで手に取るようにわかります。

アメリカに対するメッセージは、バイデン政権に対し「トランプ時代のようにかまってほしい、経済制裁をといてほしい」というのは同じですが。いまでは「駐韓米軍の撤退」を強く望んでいると考えられます。9月29日、北朝鮮との非武装地帯を視察したカマラ・ハリス副大統領が記者会見で北朝鮮を誤って同盟国と発言して話題になりましたが、すでに米国の意識が朝鮮半島に興味がなくなったことを知った上で、北朝鮮は米国との関係を改めて構築したいわけです。なお、この場合の対ロ戦略とは矛盾を生じないようにしたたかな計算は行っていると思われます。

一方、中国に対するメッセージは、対ロ協力に消極的な中国の尻を叩くものです。

実のところ、習近平氏は10月16日の三選が決まる党大会までは何事もなく穏やかに過ごしたいのですが、TOP7の中で習氏は孤独で、江沢民-胡錦涛-李克強のラインとは激しい暗闘下にあります。先日の上海協力機構(SCO)首脳会議の開催に合わせて設定されたプーチン氏との会談でも、ロシアの強い支援要請をやんわりと断ったと見られています。人の心配よりも自分の心配が優先した結果です。したがって、北朝鮮ミサイルも「余計なことしやがって」と思っているのが本音だと思います。

北朝鮮の尻叩きに中国が乗るか否かは、10月16日以降の習近平氏の気分で決まると思いますが、ロシアのウクライナ侵略のおかげで国際社会が注目する台湾侵攻がしにくくなったことを恨んでいるかもしれませんし、反米ということで団結するのかもしれませんし、この部分はいまのところ予測がつきません。

さて、日本に対するメッセージは何か。第一に「ロシア制裁に加担することはやめろ」と言っていることはわかります。第二に「核兵器も弾道ミサイルもある」から「日本を攻めて破壊するのは簡単だ」として、南にシフトした自衛隊の配置転換を促しています。これは、中国に対して恩を売っています。台湾有事の際、日本海周辺でロシア軍と北朝鮮軍がうろちょろしていたら、米軍の戦力を半減させてしまいますので。

第三は、これまで通りの自民党を裏から支援する行動です。ミサイルは国会での「統一教会問題を止めろ」と言っているようにしか私には聞こえません。なぜなら、北朝鮮と統一教会は利益という架け橋で手を結びあっているからです。

1991年教祖の文鮮明が北朝鮮を訪問し、当時の指導者・金日成に「お兄さんになって」と言ったと最近の週刊文春が報じています。その記事には「極秘の予備交渉で、北朝鮮側は、文氏を受け入れる条件として1億5000万ドルの献金を求めました。統一教会側はその23倍にあたる総額35億ドルの資金援助を提示。当時の韓国政府も知らなかった文氏の平壌入りが実現したのです」とも記載されています。現在、統一教会問題で、資金が枯渇した現状に女性教祖が激怒しているとの話がありますが、北朝鮮への資金提供ができなくなっているからでしょうか?

したがって、日本の国会で統一教会問題がまだ続くようだと、北朝鮮は、今度は日本近海のEEZにミサイルを打つと思います。収束するまでは何度でも。北朝鮮系の国会議員辻元清美氏や前職でジャーナリストの有田芳生氏の言動を観察しておけば、北朝鮮の指令が確実にわかると思います。

なお、韓国に対するメッセージはとくにないとみます。これは前述したとおりです。

以上、北朝鮮ミサイルのメッセージ性について考えてみましたが、大方のところは間違っていないと思います。

これからは、日本の出方次第でミサイルを打つ回数が変わってくると思います。そういえば、以前、北朝鮮ミサイルは日本への祝砲代わりだといったことを思い出しました。北朝鮮とは実に不思議な国ですね。




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