赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

ロシア軍撤退は国家崩壊の予兆――ロシア情勢① topics(587)

2022-09-16 10:56:17 | 政治見解



topics(587): 
ロシア軍撤退は国家崩壊の予兆―ロシア情勢①


(今日から3日間、ロシア情勢をお伝えします)

プーチン氏の大誤算

ロシアによるウクライナ侵略、西側諸国による経済制裁や軍事援助で当初のプーチン氏の目論見は崩れ去りました。ロシア軍の撤退が現実問題となるだけでなく、ロシアそのものも国家体制崩壊に危機にあるといえます。

プーチン氏が、ロシアから西側に逃げ出そうとしたウクライナに制裁を加えようとして始めた戦いも、結局は、ウクライナに独立立戦争の意味を持たせただけでなく、喜劇役者出身で手腕が未知数だったゼレンスキー氏を護国の英雄に仕立て、国際社会からも信頼できる大統領との評価を与えてしまいました。

おかげで、ウクライナがNATOに入れなかった理由の一つであった、ウクライナが「ならず者国家」という認識をも忘れさせてしまい、いまや、ウクライナを悪く言うことさえ国際的なタブーとなりました。これも、皮肉なことに、悪役プーチン氏の功績ともいえるでしょう。


プーチン氏を気遣う日本のメディア

そのような状況下にあっても、私の偏見かもしれませんが、ウクライナが反転攻勢をかけ、領土を取り戻し始めた途端、日本のメディアはウクライナ情勢をあまり報じなくなったような気がします。それは、被害者のウクライナの悲惨な状況をしかめっ面をして伝えることが快感で、しかも、そこに映像としての価値を見出しているからなのか、それとも、マフィアの親玉になったように見えるプーチン氏が怖くて遠慮しているのか、どちらかでしょう。

実際、日本のメデャイの報道は、ロシアによって破壊された建物などが中心です。それに対し海外の報道は、ロシアが行ったすべての戦争犯罪、すなわち、赤ん坊や子供、強姦された女性のボロボロの遺体、拷問されて焼かれた人の遺体の写真や動画なども出しています。

日本のメディアは、あくまでも自分たちの好みの映像だけを出して「戦争は悪い」と言っているのですが、それでもその主張には、戦争の加害者であるロシア批判は少なめで、むしろ、ロシアの不利益になること、つまり、ウクライナが領土奪還したとか、国際社会の制裁でロシア経済はガタガタになっているといった真実は報道したくないようです。

事実、NHKにしろ、ロシアが大好きなテレビ朝日にしろ、ウクライナの侵略は悪いといいながら、加害者のロシア自体を責める風はありません。むしろ、プーチン氏がどうのこうのと批判をするように見せて、最終的には偉大な政治家のように報じることがしばしばあります。この点が、ロシアとプーチン氏に辛辣な海外メディアとの考え方の根本的違いがあると考えます。


報道されないロシア軍の窮地

それでは、報道されないロシアの真実の姿をさらしていきましょう。

まずは、軍事面から。現在の戦況を分析すると、地上戦ではウクライナの優勢は間違いないようです。このままいけば、クリミヤ半島奪還まで突き進むかもしれません。

軍事オタクの言葉を借りますと・・・。

・クリミア半島からはすでに露軍の作戦機と軍艦がほとんど撤収してしまった。それに続いて、造船所の労働者たちも続々とロシア本土へ脱出を始めている

・ヘルソン~クリミア方面では、露軍は、ロケット弾によって対人&対戦車地雷をバラ撒いている。もう、クリミア半島は抛棄する覚悟を決めたのだろう。

・ザポロッジア原発を迂回するようにウクライナ軍は攻めている。ロシア軍は、原発の近くで長期包囲されて放射能まみれになる事態は厭なので、総脱出の準備を進めている。

・露軍のカリブル巡航ミサイルはほとんど尽きた。短距離弾道弾のイスカンデルは、開戦前の2割の在庫しかない。対地攻撃用のミサイルを増産しようにもチップがない。だからあとは頼りにできるのは、イラン製の無人特攻機だけだ。

・ウクライナ軍が最近鹵獲したT-80は新品であることがわかった。ふつう、戦場にやってくるのは、3万時間から4万時間のエンジンの戦車なのに。そしてよく調べると転輪に白色塗装の痕がある。これはまぎれもなく、パレードに使われていた車体であろう。



この話は8月の時点で出された情報で、今はもっと進展しているようです。もはやプーチン氏の「ウクライナ解放、大スラブ主義の夢」はついえたと考えるべきです。

しかも、重要なことはウクライナ侵略が失敗に終わり、プーチン氏のロシアが崩壊の第一段階に入ったということです。かつてのソ連がアフガンに侵略と撤退が旧ソ連崩壊の端緒であったことを思い出せば、プーチン氏の失敗はロシア崩壊の予兆になります。ロシア人は旧ソ連につづいて二度目の国家崩壊を味わうことになる可能性が高くなってきました。

日本のメディアはもっと本当のところを取材して、真実を報道してもらいたいものです。

動画① ウクライナが奪還した町の住民が語る、ロシア軍支配「恐怖の数カ月」 
動画② ロシア軍は先週末、大量の武器を残したまま ウクライナ のイジュームから敗走

(明日は、「ロシアの味方は4か国」です)




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