赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

ロシアから3,000億ドルを没収?

2024-04-06 00:00:00 | 政治見解



ロシアから3,000億ドルを没収した米国 :240406情報


時として、世界で最も重要なストーリーが、話題にならないことがあります。それが、専門的すぎるためか、恐ろしすぎるためか、メディアがなぜこのようなテーマを取り上げないかは、はっきりとしません。

そこで、今回は、メディアが取り上げようとしない「ロシアから3,000億ドルを没収した米国」について、株式投資戦略家の意見を掲載したいと思います。



ロシアから3,000億ドルを没収?

—ドイツ首相のショルツ氏、欧州はロシアの凍結資産をウクライナへの武器支援に利用する予定—
ベルリンにて、西側で保有されている3,000億ドルがキエフ(ウクライナ)を助ける可能性が高まる:出所: The Wall Street Journal

2021年末時点、ロシアの準備金は以下のような内容で構成されていた。
・約3000億ドルの米国債
・約2000億ドルの金
・約1000億ドルの外貨資産
米国の国債は、デジタル形式であり(最後の紙の国債は1979年頃に発行)、そのデジタル台帳は米国財務省によって管理されている。

そして、2022年2月にロシアのウクライナ侵攻が始まった際、米国はロシアの国債を凍結。これは珍しいことではない。米国は、過去にイラン、北朝鮮、ベネズエラ、キューバ、シリアなどに対して、経済制裁を実施してきた。

現在行われている資産の凍結により、現状ロシアは国債を所有していても、それらを売却したり、担保にしたり、利息を受け取ったりすることはできない。さらに今、米国とEUは資産を押収しようとしている。この押収は、凍結とは全く異なるものだ。

つまり、それは米国がロシアから国債を奪い、自分たちの資産として使用することを意味する。

現在の米国の目論見は、ロシアが保有する米国債の全額3000億ドルを押収すること。そして、その資金をロシアに対する戦争に充てようとしている。さらに理不尽な計画として、ロシアが保有する米国債を担保にした、ウクライナの債券を600億ドル分発行しようとしているようだ。

この場合、もしウクライナが債務不履行に陥ると、この債券保有者はロシアの資産を担保として差し押さえることができる。

通貨の信頼損失が何をもたらすのか? これらはすべて、国家レベルの窃盗だ。しかし、見落とされていることがある。それは「ロシアの資産を盗むことが、米国の信用と法の支配を破壊すること」である。

ドイツ、イタリア、フランス、日本の債券も同様である。中国、台湾、サウジアラビアなどの大口保有者は、発行者による資産凍結リスクを避けるために、西側金融システム全体を信頼しなくなるだろう。

では、そうした国々の債券が信用を失った場合、投資家はどこに資産を移せば良いのだろうか。逃れる場所は1つしかない。それは金である。



【特注】(ある投資専門サイトから引用)

覇権国家米国は二つの見せ金システムをもっています。一つはドルが金の裏付けがある通貨であった頃の名残で、NY連銀とフォートノックスの地下金庫に各国から預かったとされる金の延べ棒が大量に保管されているというものです。

ベトナム戦争で疲弊した米国はそれを勝手に使ったに違いないと考えたフランスのドゴールは米国から金を強引に持ち帰りました。最近はドイツが1700万tの金を返還しろと迫りましたが、一度ではなく、何回かに分けて返還するという事になりました。これは1700万tは金庫にはすでにないという事になります。日本の預けた850万tももちろんないという事になります。

もう一つの見せ金は米国債です。これもNY連銀の地下金庫に保管されている事になっています。実物は一部は各国とも保有していますが、それを換金しようとすると、かつて日本の財務関係者がイタリアで押収されたように、米国の元に罰則的に返還されるシステムとなっています。

米国債にはもう一つの特権があって、それは敵対国条項というもので、米国債はある国が米国および米国の同盟国に軍事行動を行えば、大統領令一発で無効化できます。

米国債は登録制で、しかも米国の安全保障などに敵対する国家の保有分は国際緊急事態経済権限法等により無効化出来る仕組みとなっています。特に米国債の最大の保有者である中国が、尖閣諸島を不法に占拠した場合は、この敵対国条項が適用され135兆近い米国債が没収されてしまいます。中国はよほどの覚悟がないと日米とは一戦を交えられないという事になります。逆に言えば、中国が米国債を大幅に減らす行動に出ない限り戦争は起きないという事になります。




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