すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。
コラム(141):自民党若手に奮起を望む
2月4日の予算委員会で改革結集の会の村岡敏英氏は質問の冒頭に、「自民党若手に元気がない」「勉強会をしたらどうか」との奮起を促す呼びかけをしていました。確かにそう言われるほどに若手議員に目立った動きがありません。
育児休暇問題でもこれを擁護する国会議員が「国会議員の仕事は、義務ではなく権利である」「本会議への出席は義務ではなくて権利なので、本人は欠席届を提出して休めばよい」と主張して恥じないのだと思います。国家と国民に奉仕するべき立場と私的な立場を区別できなくなっているのです。
保守政治家の情熱
かつて自民党の政治家は、新人の時代から国家問題に奔走していました。たとえば、安倍総理は1年生議員のときから「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」の事務局長を務め、歴史教科書、慰安婦、南京事件を検証していました。現在も当時の研究をもとに外交政策を展開しています。そのときからすでに情熱的な保守政治家だったのです。
危機意識の欠如
若手議員は国家や国際情勢に対する危機意識を持たねばなりません。
国家の危機とは、たとえて言えば、中国の日本に対する軍事的挑発、国際情勢とは、中国の膨張主義(覇権主義)や国際テロ、指導力が低下したアメリカなどが挙げられます。
このような情勢を正確に認識しているのであれば、育児休暇の権利や国会の欠席の権利と言っている場合ではありません。国会議員は労働組合組織ではないのです。
国家に奉仕する覚悟
国会議員は私心を捨てて国事に奔走する覚悟を定めることです。
有権者は国会議員に小事ではなく大事を託しているのです。激動する国際情勢の中で日本のために正しく舵取りをしてもらうために投票していることを忘れてはなりません。
官房長官の菅義偉氏が政治の師として挙げている、かつて自民党幹事長だった梶山静六氏が生きていれば、本会議を欠席する議員に2時間でも、3時間でも怒鳴りつけるはずです。国会議員の本会議での責務とはそれほど重いものなのです。
早急に解決しなければならない問題は山積しています。いま一度、初心に帰って国務に専念し、若手として新鮮な風を永田町に吹き込んでいただきたいと思います。
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コラム(140):選挙制度改革について
2月3日の衆議院予算委員会では、選挙制度改革について民主党の岡田代表が政府に対して、調査会の答申を受け入れるよう申し入れました。調査会の答申は、現在の定数475議席(小選挙区295、比例代表180)について、小選挙区を6減、比例代表を4減にすることを提案をしています。
小沢一郎氏がつくった負の遺産
小選挙区制度は、細川内閣当時、内閣を仕切っていた小沢一郎氏と、下野した自民党総裁の河野洋平氏の談合によって実現しました。
小沢氏は、自民党内での主導権争いから外れ、改革派を名乗って小選挙区を推進していました。当時、小沢氏と行動をともにしていたのが現民主党代表の岡田氏です。1993年に小沢氏は小選挙区推進派を引き連れて離党し、その後自民党政権は崩れ、非自民による連立政権に代わりました。
小沢氏は、小選挙区制によって二大政党の政権交代を実現し、イギリスのような健全な議会政治ができると主張していました。しかし、本当は自民党を破壊したかっただけなのです。
小選挙区制度の弊害
小選挙区制度の導入により、国民の政治への関心を薄れました。
中選挙区時代までの投票率は70%台で推移していましたが、小選挙区導入以降、50%後半~60%後半に低下しています。
これは、中選挙区時代に比べて選択肢が少なく、投票したい候補者がいないことが最大の要因です。また、小選挙区で落選しても惜敗率で比例復活するケースが目立ち、有権者にとっては選挙で政治家としての人物を選んだ意味が無くなったからです。
小選挙区制度では国家全体を見渡す人ではなく、自分の選挙区の利権代表のような議員が増えはじめました。しかし、国会議員は市議会議員の見識や感覚では務まりません。
国会議員は地方の利益代表ではなく、国家全体の運営を担っていることを忘れてはいけません。
選挙制度は根本的に変更すべき
調査会の答申は、違憲状態解消の目的で部分的な改革を答申しているだけで、小選挙区制度はそのままです。これではなにも解決されません。本当に変革するには抜本的に変えなければなりません。
当ブログでは以下の項目を提案したいと思います。
・同じことを衆参両院で二度も審議する無駄を省くために一院制にする。
・国家運営を委ねられる広い見識の人物を選べる大選挙区にする。
・国会議員に本気で働いてもらうために定数を200人に削減する。
これは憲法改正案の中にしっかりと組み込み、検討していただきたいと考えています。
次に、選挙方法も検討が必要です。
・騒音や交通渋滞のもとになる選挙自動車での活動の可否など。
・ネットやコンビ二など、時代のニーズに合わせた投票方法など。
研究の余地はいくらでもあります。
有権者がより身近に政治を感じ、国家の一員として国政に参画しているという自覚を抱けるような選挙制度改革が何よりも必要です。
当ブログでは、既成の制度にとらわれず、どのような選挙制度が望ましいのかを正面から考えていきたいと思います。
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コラム(139):辺野古移設訴訟和解案への疑問
名護市辺野古沖の埋め立て承認を沖縄県の翁長知事が承認を取り消したことに対し、国が知事の代わりに取り消しを撤回する代執行を求めていた裁判で、福岡高裁が二つの和解案を提示しました。
・沖縄県は埋め立て承認取り消しを撤回し、国は辺野古に建設される代替施設を使用開始後30年以内に返還または軍民共用とするようアメリカと交渉する。
・国が訴訟を取り下げ工事を中止するとともに、国と県が改めて協議する
国防は裁判所が決めることではない
裁判長の提示した解決案はどちらも、話し合いを勧告しただけで、問題を先送りしたに過ぎません。
また、民事事件なら和解の提示ということはありえますが、基地問題は国防に関わる国家の専権事項なので、裁判所が和解案を示すことは越権行為となります。
この場合、裁判所は行政法の判断において、国の決定に従い、県に対し承認取り消しの撤回を命じなければなりません。
一方、沖縄県は国を相手取って、行政事件訴訟法に基づく抗告訴訟と、国地方係争処理委員会の決定を不服とする訴訟を起しています。前者は国からの行政訴訟に対抗したもの、後者は専門機関の決定に対抗したものです。
そもそも国防問題を司法に委ねようとした翁長知事の考えには根本的な間違いがあります。
治安・外交・防衛・教育の4分野について国家には専権事項があります。ことに外交・防衛に関しては一貫性と連続性が求められるので国家としての信用問題になります。つまり、この4分野については司法の干渉を許さないのが近代国家としてのあり方なのです。したがって今回、司法が国防に踏み込んだ和解案を提示したことは重大な間違いを犯したことになります。
現実問題として中国の脅威が迫っている現在、裁判所に国家の防衛問題を判断させている場合ではないのです。
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コラム(138):国会は本気で国防議論を
国会はなぜ中国という国名を挙げて国防を論じないのでしょうか。
現在、与野党にかかわらず日本国家として中国を正面から論じなければならない事態が迫っているのです。
日本侵略を狙う中国
1949年に建国された中国(中華人民共和国)は侵略を繰り返す覇権国家です。1949年の新疆占領を手始めに、チベット侵攻、朝鮮戦争介入、金門島(中華民国)砲撃、チベット蜂起鎮圧、インドとの武力衝突、中ソ国境紛争、中越戦争、ベトナム支配下のジョンソン南礁制圧など、次々に支配地域を拡張してきました。
そして今度は、日本の尖閣諸島の実効支配を目論んでいます。
危機は尖閣諸島だけではない
さらに、国際的な批判の的になっているスプラトリー諸島での軍事基地の建設。また、日中中間線の中国寄りの東シナ海ガス田に軍事基地を建設しようとしています。基地が完成すると沖縄本島や南西諸島すべてが射程内に入り、日本の安全保障上の重大な危機が生じるのです。
自分の国は自分で守る覚悟
中国の覇権戦略による軍事的な圧力が日本に及ぼうとしている今、日本は国家としての意思を明確にしなければなりません。
軍事情勢について、国会では議論を避ける傾向が見られます。また、マスコミはあまり報道しません。
しかし国会においては、中国の悪質な意図に対して、国家と国民を守るための真剣な議論をしていただかなくてはなりません。
またマスコミは、本当に国民に伝えるべきことが何であるかをよくよく考えていただきたいと思います。
自分の国は自分で守るという私たち自身の覚悟こそが、中国による侵略を止めさせる最大の抑止力であると考えます。
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コラム(137):国会議論のあり方について
野党各党には政権打倒願望があり、甘利氏の金銭問題で政権を追及し、国会を混乱に導こうとしています。しかし、その姿勢は国会の本来の機能から遠く離れているように見えます。
一方、マスコミは国家の将来などお構いなしに、国会での揉め事を大きな見出しで報道しているだけです。意図的に煽る記事を掲載する傾向があります。マスコミの無責任な報道姿勢が野党をさらに増長させる悪循環を招いているのです。
国家と個人の問題は別
甘利氏の問題は政治倫理審査会でやるべきです。
予算委員会は国家の重要方針を討議する場であることを忘れてはなりません。個人の政治倫理問題と国家の運営問題は分離しなければならないのです。
最近、野党各党に国民の支持が集まらない理由は、何かあると国会の審議に応じないからです。そういった姿勢は国民には、職務放棄としか映らないのです。そうした国民の視線さえも理解出来なくなっているのです。
国対と議運のあり方
国会の規定については、憲法の第四章(41条~64条)と国会法で、国会の運営について定めています。しかし、国会はかくあるべしという規定はどこにも見当たりません。そのため国家の予算について討議する場で、野党議員が瑣末な質問を繰り返すのです。
戦後70年が経過したいま、国会を本来の目的である国家と国民のための討議の場にしていただきたいと思います。
そのために、国会対策委員会(与野党間で非公式に根回しの場として存在する)と議院運営委員会(会議の日程・議題・発言者・時間・採決方法など決定する)は、国会での議論のあり方を真剣に考え、国会を正常な審議の場にしていただきたいと思います。
国会の権威を取り戻す
国際情勢が刻々と変化し、日本周辺の環境も大きく変わろうとしている現在、国会は政争に明け暮れている場合ではありません。
国会議員には国家と国民をいかにして守り、如何にして幸福に導くかの議論をもっと真剣に行っていただきたいと切に要望いたします。
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コラム(136):危機が迫る尖閣諸島
中国公船が尖閣諸島周辺の日本領海侵入を繰り返していることについて、ハリス米太平洋軍司令官は、「中国に攻撃されれば我々は尖閣を明確に守る」と言明しました。
実は、尖閣諸島周辺の事態は想像以上に悪化しています。ハリス司令官の言葉は、極めて危険な状態にあることを警告しているのです。
一方、軍事問題を分析する米ランド研究所は、中国は5日で日本に勝利するとのシミュレーション結果を発表しました。結論で、尖閣諸島を巡る日中の争いは米中戦争を引き起こす可能性が高いので、米国は日本に加担すべきではないと述べています。
日本はいつまでも日米安全保障条約の上にあぐらをかいている場合ではなく、自国の力で防衛する方策を早急に検討しなければならないことを示唆しています。
中国が大型巡視船に代えた意味
日米の軍事専門家は中国の尖閣領域に配備する艦船に危機感を強めています。中国は軍艦から巨大巡視船に入れ替えて日本領海に侵入しているからです。
巡視船と言っても12,000トン級で武装しています。現在日本では、相手が巡視船である限り武器を使用しての正当防衛は困難だとされています。中国は狡猾な方法で侵入してきているのです。
今年の1月1日から28日までのわずか一カ月弱で、中国公船による尖閣諸島接近は、接続水域入域が12日間34隻、領海侵入が3日間8隻となっています。
北朝鮮の核実験やミサイル発射予測なども出されていますが、実際の緊急事態は中国軍による領海侵入です。
防衛省は当然として、政府与党、野党問わず、全国会議員が緊張して注視しなければならない国家の緊急防衛問題が発生しているのです。
中国問題に詳しい方からの情報です。
・中国政府は国民向け国威発揚を目的に日本を攻撃したいと考えています。
・中国政府は日本の防衛力と、日本の背後に控える米軍に対し、軍事力で勝てる自信はありません。
・一方、中国軍部は正確な軍事分析能力がないため、自国の軍事力で勝てると思っています。また、軍部の兵士たちは、所有する武器を早く使用したい衝動にかられています。
習政権と軍部の間の意思の疎通は十分ではなく、中国政府は、先走る軍部の行動を追認する形になります。
いずれにしろ、尖閣周辺では中国の巡視船との衝突事件を引き金に、一気に緊張が高まる可能性があります。
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