寒さの底の2月中旬、池上にほど近い洗足池を訪れました。
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都心にあって、ボートも漕げる広い池は貴重です。
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驚くことに、この池に流れ込む川はなく、湧水によってできている池なんだそうです。
池のほとりに竹林がありました。
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お題目の法塔があります。
台座には「御松庵」とあります。
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ここに日蓮聖人の袈裟掛けの松があります。
日蓮聖人の晩年、体調が思わしくなく常陸の国に湯治に行かれる途中、池上宗仲邸に訪問する直前に、ここ洗足池に立ち寄られたそうです。
近くの松に袈裟を掛け、池で足を洗われたという逸話があるそうです。
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この界隈の住所は「千束」ですが、この逸話が「洗足」の由来のようです。
今や駅名とか、大学名にもなってますよね!!
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この御霊跡が「御松庵」であり、そこに開かれたのが妙福寺です。
素朴な山門が竹林とマッチしています。
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本堂です。
入母屋造り。味があります。
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なになに? 文化庁の登録有形文化財?
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この建物みたい。
どなたかのお屋敷だったのかな?
境内を奥に進みます。
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あったあった!
袈裟掛けの松!
現在は三代目だそうですよ!
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この松を囲む石柵には、「講中」ならぬ「結社」の名が刻まれていました。
時々お寺の境内で「結社」の文字を見ます。「講」は同一の信仰を持つ人々による結社のことらしく・・・似たような意味なんでしょうかね~?
結社も頑張れ!!!
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鎌倉・稲村ケ崎にも袈裟掛けの松がありましたが、あちらは龍ノ口の刑場に連行される直前、せめて神聖な袈裟は血に染まらないようにと掛けた松でした。
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こちらの松はもう少し穏やかな背景のあるもののようです。
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奥にスワンボート見えるし・・・
とはいえ、ここで休憩された日蓮聖人のお体は実はもうボロボロの状態だったようです。
それから一カ月を待たずして、日蓮聖人はご入滅されました。
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境内に日蓮聖人の銅像がありました。
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まだお元気だった頃の凛々しい合掌姿です。
とても立派な銅像です。
・・・実はこの銅像の下にこんな石碑がありました。
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この銅像を建立したのは千葉県東金市の「牧野らく」さんという女性なんだそうです。
若い頃から日蓮宗の信徒として活動され、この御松庵にご縁があったそうです。
七百年遠忌を目標に日蓮聖人像の建立を計画してきたが、91才にしてやっと、念願を達成しました、という旨が刻まれていました。
多くの地方の領主や有力者が、大檀越として日蓮聖人・日蓮宗を支えてきて下さったのは間違いありません。
しかしこういう市井の一個人、一老人がコツコツと底辺を支えてきたことも、忘れてはならないと感じながら、洗足池を後にしました。
よかったね、おばあちゃん!!!