山頭火つれづれ-四方館日記

放浪の俳人山頭火をひとり語りで演じる林田鉄の日々徒然記

入相の声する山の陰暮れて‥‥

2006-04-06 23:29:25 | 文化・芸術
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Information「Shihohkan Dance-Café」

-四方のたより- 願わくば花の下にて

 願わくば花の下にて、浮かれ舞をばしてみしょうぞ、と
デカルコ・マリィとその仲間たちが、9日の日曜日、毛馬の水門-閘門跡地-界隈に出没する。
もちろん仲間内の花見もかねてのことだが、花だよりでは毛馬桜之宮公園の桜はすでに満開とか、あわよくば落花狼藉のなかでのパフォーマンスとなるやもしれぬ。
パフォーマンスは12時頃から14時頃までの間、神出鬼没の構え。
花よし時候もよし、滅多と見られぬ眼の保養となるやも。
近在の方はお出かけあって是非ご覧じませ。


毛馬の水門については下記ページを参照されたし。
http://www.citydo.com/prf/osaka/area_osaka/kenbun/rekishi/osaka010.html


<歌詠みの世界-「清唱千首」塚本邦雄選より>

<春-41>
 あたら夜の月と花とをおなじくはあはれ知れらむひとに見せばや
                                     源信明


後撰集、春下、月のおもしろかりける夜、花を見て。
延喜10(910)年-天禄元(970)年、光孝天皇の曾孫、源公忠の子。名所絵の屏風歌を村上天皇に奉ず。中務との贈答歌多く、彼女との間に女児をもうけた。三十六歌仙、家集に「信明集」、後撰集初出で、勅撰入集26首。
あたら夜-惜夜、明けるのが惜しい夜。
邦雄曰く、花月の眺め筆舌に盡しがたく、自分ひとりで見ているのもまた「あたら夜」もののあはれを知る人と共に見たいとの心。胸中を述べただけの一首ではあるが、その春夜のさなかに、ゆらりと立つ姿さながらの調べである。家集「信明集」、歌風はのびやかで清新の気あり、と。


 入相の声する山の陰暮れて花の木の間に月出でにけり  永福門院

玉葉集、春下、題知らず。
邦雄曰く、丹念な修辞の跡や精巧な彫琢の名残りが、一首の処々にうっすらと残っているのも、永福門院とその時代の和歌の面白さの一要素であろう。「山の陰暮れて」「花の木の間に」などその一例、この歌の急所であろうか。詠み古された題材を、敢えて今一度極め、蘇らす業は、新奇な世界を探検しかつ導入するよりも、さらに困難なものであろう、と。


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