あま かすが
天の原 ふりさけ見れば 春日なる
三笠の山に いでし月かも
みかさ
詠んだ人・・・安倍仲麿(あべのなかまろ)
詠んだ人のきもち・・・はるか大空をふりあおいで見ると
(月が出ている)
あの月は、春日の三笠山に出ている月と
同じものなんだなあ。
天の原・・・大空
春日・・・奈良市春日山の一帯
三笠の山・・・春日にある三笠山
作者は遣唐使(けんとうし・中国への留学生)として
長く中国にあり、やっと帰れることになったときの送別会で
これを詠みました。
ですが船が遭難して帰国できず、中国に戻って一生を過ごしました。
(「かも」を「感動の終助詞」ではなく「感動を含んだ疑問の終助詞」とする説もあるようで、高校のときの副読本では「同じなのかなあ」という意味の訳になっていました。
「同じなんだなあ」より切ないですよね。
帰国できるうれしさの中で詠んだ句だと思うので、このブログでは切なくないほうを取ってみましたが・・・その後のことを考えると、やっぱりちょっと切ないです)