先日の松の手入れの際に打ちもらした枝が気になり、松の木に登っておりましたら、家の前に一台の車が停まりました。
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お年を召した品の良いご夫婦が乗ってらして、旦那さんが運転席から私に話しかけていらっしゃいました。
「◯◯◯へ行きたいのですが、どこに車を停められますか?」
確かに目的地は我が家から近いのですが、うちの近くに駐車場は無い。
しかも県外からの来訪者が目立って多い場所ではなく、駐車場や目的地にアクセスする道も十分に整備されているとは言い難い。
うちの場所から行かれるのが一番簡単なので、いっそ、我が家に車を停めて行かれますか?と申し上げたところ、「それではお世話になります」となりました。
小一時間経ってご夫婦が戻ってこられ、「無事に目的地を訪れることが出来ました」と仰り、「お礼に」と根付けをくださいました。
そのご夫婦は会津からいらしたそうで、旦那さんは漆工芸品の職人さんとのこと。
いただいた根付けというのがまさに漆で出来ていて、作るのにとても時間と手間がかかる物でした。
ご自身で作り持ち歩かれていて、旅の途中などでお世話になった方へお礼に渡していらっしゃるとのお話でした。
爽やかに挨拶をされてスッとあまりにもスマートに出立されましたもので、工房の所在など尋ねるタイミングをすっかり逸してしまいました。
素敵な職人さんとの一期一会でありました。
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