『足音を立てない僕らの歩みは贅沢な厚い敷砂を踏んでいた。
日中の太陽の重圧から逃れた僕らは、いま帽子も被らずに歩いていた。
夜はいわば屋内のようなものだった…。』
この路地も再開発地区に指定されて今年中には取り壊されてしまうから最終映画を見た後や日曜に出かけたときはなるべく寄って歩いている
この夜も最終の地下鉄の時刻を気にしながら5匹の彼らに出会った
一匹づつ中屋根に駆け登るまでフィルムを1本撮りかけて全匹登ったとき薄暗い街灯で見えたインジケーターには2枚しか残っていなかった
僕がミャオッ!っと声をかけたら5匹がこちらをけげんそうにふり返った
彼らとファインダー越に目を合わせたまま僕は慎重に2枚のフィルムを送った
フィルムが自動巻き戻しされる音を聞きながら廃屋に一匹づつ消えていく彼らを見送った。。
日中の太陽の重圧から逃れた僕らは、いま帽子も被らずに歩いていた。
夜はいわば屋内のようなものだった…。』
この路地も再開発地区に指定されて今年中には取り壊されてしまうから最終映画を見た後や日曜に出かけたときはなるべく寄って歩いている
この夜も最終の地下鉄の時刻を気にしながら5匹の彼らに出会った
一匹づつ中屋根に駆け登るまでフィルムを1本撮りかけて全匹登ったとき薄暗い街灯で見えたインジケーターには2枚しか残っていなかった
僕がミャオッ!っと声をかけたら5匹がこちらをけげんそうにふり返った
彼らとファインダー越に目を合わせたまま僕は慎重に2枚のフィルムを送った
フィルムが自動巻き戻しされる音を聞きながら廃屋に一匹づつ消えていく彼らを見送った。。
月が高く昇り、眠る時間が来るとあなたは窓を閉めた。
すると月がガラス戸の後ろで光っていた。
そのとき僕はあなたに言うのだった。
空をあなたがガラス棚のように閉めたから月とひと握りほどの星が中に閉じこめられてしまったと。。。
すると月がガラス戸の後ろで光っていた。
そのとき僕はあなたに言うのだった。
空をあなたがガラス棚のように閉めたから月とひと握りほどの星が中に閉じこめられてしまったと。。。
月も隠れた暗やみの夜でした
でもひとつ先の駅まで歩くだけなら明るすぎる街灯がフェンス沿いにいつもでもつづいていました
そこに絡みあっているのが枯れたツタなのか錆びたワイヤーなのかもうどうでもよいほど僕は疲れていた。。。
でもひとつ先の駅まで歩くだけなら明るすぎる街灯がフェンス沿いにいつもでもつづいていました
そこに絡みあっているのが枯れたツタなのか錆びたワイヤーなのかもうどうでもよいほど僕は疲れていた。。。
目があって、あなたはわたしに駆け寄る。
「こんにちは、お久しぶり」 わたしの声は1オクターブ高かったかもしれない。
「うん、ほんとに久しぶりだよね」
半年ぶりの半径1メートル。
ほんの少し、あなたが緊張しているのがわかる。
だけどこの空気感はあの頃と変わらない。
あらためてここがわたしの居場所だと感じた。
『ずっと、ずっと、あなたのそばに』 若月かおり
「いま、会いにゆきます」を澪から見たもうひとつの物語の一節より
この写真は外灯だけの手持ちでブレててもピンボケでもおかしくないのにほとんどシャープに撮れてしまいました
ブレッソンに憧れてライカM3を手にしているときはいつでも目測でスナップできるように距離リングを合わせてあります
このときも通りすがりに…ごめんなさい(..)
ブログにアップするにはふたりの顔がはっきり写っているからボツにしてたのだけど、このふたりの距離感が
なんともいえずに素敵で、ネガをルーペで見てはいいなぁって感じてた
男女のあいだの距離感ってあなたはどう思いますか?
ふたりの距離は2メートルたらず
お互いが手を伸ばせば触れる距離です
遠すぎず。。近すぎず。。半径1メートルの距離。。
あらためてPhotoshopというソフトで輪郭以外をぼかすを3度かけて載せてみました
「こんにちは、お久しぶり」 わたしの声は1オクターブ高かったかもしれない。
「うん、ほんとに久しぶりだよね」
半年ぶりの半径1メートル。
ほんの少し、あなたが緊張しているのがわかる。
だけどこの空気感はあの頃と変わらない。
あらためてここがわたしの居場所だと感じた。
『ずっと、ずっと、あなたのそばに』 若月かおり
「いま、会いにゆきます」を澪から見たもうひとつの物語の一節より
この写真は外灯だけの手持ちでブレててもピンボケでもおかしくないのにほとんどシャープに撮れてしまいました
ブレッソンに憧れてライカM3を手にしているときはいつでも目測でスナップできるように距離リングを合わせてあります
このときも通りすがりに…ごめんなさい(..)
ブログにアップするにはふたりの顔がはっきり写っているからボツにしてたのだけど、このふたりの距離感が
なんともいえずに素敵で、ネガをルーペで見てはいいなぁって感じてた
男女のあいだの距離感ってあなたはどう思いますか?
ふたりの距離は2メートルたらず
お互いが手を伸ばせば触れる距離です
遠すぎず。。近すぎず。。半径1メートルの距離。。
あらためてPhotoshopというソフトで輪郭以外をぼかすを3度かけて載せてみました
コンビニ弁当の食べがらといっしょにまだ生きている花が無造作に黒いゴミ袋に押しこめられていました
この花たちは花としての役目をもうじゅうぶん果たしたからなのでしょうか
そして、この光景を撮っている自分はこの花たちを哀れと思っているのか、それともただ面白い被写体としてだけ見ているのだろうか。。。
この花たちは花としての役目をもうじゅうぶん果たしたからなのでしょうか
そして、この光景を撮っている自分はこの花たちを哀れと思っているのか、それともただ面白い被写体としてだけ見ているのだろうか。。。
娘たちが幼いころピーターパンの冒険の絵本を何百回、眠りにつくまえのベッドで読まされたでしょう (^_^;)
毎回おなじおかしな場面で、おどけた読みようを飽きずに笑い転げる子どもの脳はどうなっているのかと、あのころは不思議に思えたものです
娘たちのいちばんの人気者はピーターパンでもウェンディでもなくいつも小生意気でおしゃれなティンカーベルでした
夜の街を歩いていたら小さなカフェバーのドアに光って浮かんでいたのは、あれはエンゼルだったのかティンカーベルだったのか。。。
毎回おなじおかしな場面で、おどけた読みようを飽きずに笑い転げる子どもの脳はどうなっているのかと、あのころは不思議に思えたものです
娘たちのいちばんの人気者はピーターパンでもウェンディでもなくいつも小生意気でおしゃれなティンカーベルでした
夜の街を歩いていたら小さなカフェバーのドアに光って浮かんでいたのは、あれはエンゼルだったのかティンカーベルだったのか。。。
目のまえで珈琲をたててくれるのを見るのは待っていても楽しいものです
普通よく見るのはランプなのだけど、このお店のはガラストップに高熱の電熱がオレンジ色に眩しく光ります
夜の街歩きで冷えきった体がしだいに緩やかにほぐれてゆきます。。。
普通よく見るのはランプなのだけど、このお店のはガラストップに高熱の電熱がオレンジ色に眩しく光ります
夜の街歩きで冷えきった体がしだいに緩やかにほぐれてゆきます。。。
道頓堀川のグリコのネオンから三つ目にかかる橋が大黒橋です
この橋を渡って北へ行くとアメリカ村です
hip-hop系の若者むけに良いのがあります
そのまま北西に行くと堀江の街です
昔は家具の街だったけどアメリカ村より少しリッチな雰囲気のお洒落なお店がたくさんあります
この橋を渡って北へ行くとアメリカ村です
hip-hop系の若者むけに良いのがあります
そのまま北西に行くと堀江の街です
昔は家具の街だったけどアメリカ村より少しリッチな雰囲気のお洒落なお店がたくさんあります
『うたた寝に 恋しき人を 見てしより 夢てふものは 頼みそめてき』 小野小町
〈人を思いながら眠ればその人が夢に現れてくれるという言いつたえなど今までは信じませんでした。
ふと、うたた寝をした夢の中で恋しいあの人を見ることが出来てからは信じられるようになりました。
はかない夢などと思わないことにしましょう。〉
待合い室で彼女は眠っているようでした
彼の胸に顔をうずめてその顔は見えませんでした
たしかに泣いてはいませんでした
ふたりの握りかさねた手が僕を安心させてくれました
露骨なスナップショットは嫌いだけどふたりがあまりに素敵だったから、ごめんなさいね
昔、おなじようにあったことを想いだしていました
駅で、おなじように始発を待っていました
ひと晩中、街を歩いても。。ひと晩中、話しつづけても。。朝はすぐにやってきました。。
〈人を思いながら眠ればその人が夢に現れてくれるという言いつたえなど今までは信じませんでした。
ふと、うたた寝をした夢の中で恋しいあの人を見ることが出来てからは信じられるようになりました。
はかない夢などと思わないことにしましょう。〉
待合い室で彼女は眠っているようでした
彼の胸に顔をうずめてその顔は見えませんでした
たしかに泣いてはいませんでした
ふたりの握りかさねた手が僕を安心させてくれました
露骨なスナップショットは嫌いだけどふたりがあまりに素敵だったから、ごめんなさいね
昔、おなじようにあったことを想いだしていました
駅で、おなじように始発を待っていました
ひと晩中、街を歩いても。。ひと晩中、話しつづけても。。朝はすぐにやってきました。。
それを見たのは日曜の日暮れになにも撮れず橋から流れを見ていたときでした
橋の欄干に描かれた落書きの飛行機なのだけれど妙に上手くて機体には日の丸が描かれていました
でも僕はなぜかそのときコルシカ島から飛び立ったまま消息を絶って行方不明になったサン・テグジュペリの操縦する偵察機のように見えていました
前夜にNHKで彼の特集番組を観たあとだったからでしょうか
南方郵便機、夜間飛行、星の王子さまを発表したあと大戦に志願して偵察飛行に飛び立ったまま行方不明になって60年も経とうとするのにいまだ彼の生き方に憧れを抱きます。。。
『水のように澄んだ空が星を浸し星を現像していた。
しばらくすると夜が来た。
サハラ砂漠は月光を浴びて、砂丘へと広がっていた。
僕らの額の上にはものの形を示すというのではなしに、むしろそれを組み立てて、それぞれのものに優しさを添えてみせる月の光が射していた。』
偵察飛行から戻らずに50数年後、マルセイユ沖の底引き船から貝殻に混じって彼の名と妻の名前を刻んだ銀のブレスレットが見つかったという報道記事が人々の記憶を呼び起こしました。。。
橋の欄干に描かれた落書きの飛行機なのだけれど妙に上手くて機体には日の丸が描かれていました
でも僕はなぜかそのときコルシカ島から飛び立ったまま消息を絶って行方不明になったサン・テグジュペリの操縦する偵察機のように見えていました
前夜にNHKで彼の特集番組を観たあとだったからでしょうか
南方郵便機、夜間飛行、星の王子さまを発表したあと大戦に志願して偵察飛行に飛び立ったまま行方不明になって60年も経とうとするのにいまだ彼の生き方に憧れを抱きます。。。
『水のように澄んだ空が星を浸し星を現像していた。
しばらくすると夜が来た。
サハラ砂漠は月光を浴びて、砂丘へと広がっていた。
僕らの額の上にはものの形を示すというのではなしに、むしろそれを組み立てて、それぞれのものに優しさを添えてみせる月の光が射していた。』
偵察飛行から戻らずに50数年後、マルセイユ沖の底引き船から貝殻に混じって彼の名と妻の名前を刻んだ銀のブレスレットが見つかったという報道記事が人々の記憶を呼び起こしました。。。