
―この御札に住所・氏名を書いて八十八箇所の霊場の納札函に収めて詣るあいだに御朱印帳に朱書きをしてもらう―
母が亡くなって2週間経った。
相変わらず仕事のほうは1日に14時間くらいは働いているが、会社での残りの4時間は自宅のノートでの入力が主だからとても気が楽だ。
ただ、会社を一人で切り盛りしてから、かれこれ3ヶ月になるがまだ一日も休んでいないので写真も撮れない。
睡眠は5~6時間だけど熟睡しているので、目覚めも良くて一日中、気力にあふれてガンガン仕事をしている。
気の重いのは月曜で5分おきにかかる電話の応対には参ってしまい肝心の仕事が手につかないでいることか。
そんな中で3日前に突然に右目に黒い髪の毛の束が浮遊しているのが見え、(蚊飛症などという生やさしいものではなく)
即これは網膜剥離になったのか!と焦ってしまった。
網膜剥離なら手術入院で2週間、自宅に戻っても1ヶ月は安静にしていなければならない厄介な眼病だからだ。
留守電をかけて朝一番に病院で診察を受けたが、最近の眼底検査はCTスキャンも出来て、眼球の断面図をモニターに映しだすことができる。
よかった~!
3年前に発症して服薬だけで1年半かかったまま、途中で嫌になって放置した右目の眼底出血の再発だった。
喜ぶことではないが(笑)これなら服薬だけで普段となんら変わらない生活を送れるから安心した。
毛細血管は人間の身体ではたえず破れたりしているが、網膜ではそれが実感できるので生活習慣の赤信号と思って気をつけなければいけないらしい。
薬はなにか矛盾しているが、血を止める薬と血の流れを良くする薬を同時に飲んでいる。
インフルエンザにかかっても休まない頑丈な身体だなので薬には無縁だった。
レーザーで網膜の静脈を焼いて止血することもできるが、僕の場合はほぼ瞳の中心が裂けているので、レーザーを当てると視力が落ちるらしい。
とはいっても3年前に発症してからファインダーは右目では見づらくて左目ばかりだ。
この3ヶ月のあいだにいろんな出来事が立て続けに起こったが、考えれば自分自身にはどうってことも無いことばかり。
そんな中、昨日片付けをしていて偶然に6年まえに四国へ遍路をしたときの朱印帳が入った紙箱を見つけた(棺に御朱印を入れてあげるのをすっかり忘れていた)
写真のモノクロネガを入れた箱に混じっていたから、ずっとその箱はネガが入っていたと思っていた。
元気だった母が倒れたとき、病気の回復といつか亡くなったときに棺に四国88箇所の御朱印を入れてあげるのと、自分もローライで写真を撮って、
巡りたいことから四国遍路ツアーに参加したときのものだった。
甘かった!
ツアーでは写真など撮っている間がなくていつも一行に遅れて走りまわっていた。
あのころは、まだブログもやってなかったがあの時の写真は何処へいったのか?
このGW前半は溜まった仕事を片付けなけらばいけないが、後半のGWはなんとか空きそうなので、歩き遍路を再開しようかと考えている。
ただ次のコースには『遍路ころがし』という四国遍路のなかでも難所といわれるそうとう過酷な山道があるらしい。
心になにかを持った遍路さんを転がすとは、なんとも無慈悲な言葉だが『同行二人』を唱えながら登り切ったときに、
なにか得られるものがあるのかもしれない。
たまたま久しぶりに携帯にかかってきた友人にこのことを話すと、いつも走り続けてるお前らしいがそんな無茶なことはしないで、
たまの休みなら身体を休めろと笑われた。