ペンタコン 6 CarlZeiss Jena Biometar80mm ILFORD PAN-F(ISO50) XTOL1:1 20℃ 7.45min 1分おき5秒1回倒立 初期攪拌/前浴なし
ペン太、最大の欠点はコマだぶり。
これは世界中のペン太を愛してやまない人々の悩みです。
僕は2台も持っていたけどその理由は安さとローライ&ハッセルのPlanarも敵わない暗部描写と立体感。
同じ80mm/2.8を使うローライ2.8Fホワイトフェースと比べればペン太なら10台は買えます。
いえ、これはマジで旧東独国製ということ、もう製造されていないこと、修理には内部構造が複雑なのとパーツが無いこと、
このコマだぶりが最大の欠点という理由。
でもコマだぶりにも解決法があります。
僕の手元に残ったのはオーバーホールしてあるけれど、前機種の慣れのまま息を殺して巻き上げ巻き戻しをしていたので、
ずいぶんと永く被害には遭わなかった。
この日はブローニー4本撮って残り2本24枚すべてコマだぶり(泣)
それも尋常ではなく1/3は次のコマに重なって切り分けられない。
ただ思い返せばなんとなく解っていたような。
2本目までテンポよく撮れすぎて気持ちが写真に入り込んでいたこと。
このカメラを扱うには極度の緊張感と祈りに似たストイックな思いで巻き上げ巻き戻しをしなければいけない。
しかし写された画像はそんな思いとは裏腹に緩い柔らかな写真になります。(…と、自分では理屈をつけてます(笑))
1枚巻あげるのにキリキリと10秒はかけないと駄目です、ブラックアウトしたファインダーとこの10秒の間の沈黙が、
pentacon six tlというカメラの本当の実力を発揮するウォームアップになるのかもしれません。
ただ、どうしてだろう?
24枚もコマだぶらせて悔しいとか残念で腹立たしいといった感情はあまり湧いてこない。
それはこのカメラで写したものが稚拙な自分の腕や写真センスとかを遥かに超えてカメラ自身の持つauraのようなものによって撮らされている感が強いせいなのかもしれない。
見た目よりずっと軽く無骨な設計のようでいて、しっくりとホールドできるペン太を今日も持ち出してしまいます。
次の更新はフィルムホルダーを工夫してコマだぶったのをアップしよう(笑)