Kodak T-MAX100 Rodinal 1:50 20℃ 9.45min
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Ilford PAN-F+ Rodinal 1:50 20℃ 10.45min
今夜は一昨日観た映画の話を書いてみよう。
EXTREMELY LOUD & INCREDIBLY CLOSE
『 ものすごくうるさくて、ありえないほど近い 』
この日本語のタイトルが気になって、公式サイトを覗いてみた。
予告編のフォトギャラリーには昨年の春に僕が買ったEXAKTA Varex最初期型という、左手で巻きあげて、左手でシャッターを押す、
変則的なカメラを主人公の少年が使っていて、どうやらこの物語に重要な役割を果たしているように感じさせた。
そんなことも、この確定申告の忙しい時期に映画館へ足を運ばせた、ひとつのきっかけだったかもしれない。
物語は9.11のアメリカ同時多発テロで最愛の父を失った少年が、一年を過ぎても父の死をまだ受け入れることができずに、
自らを傷つけ、事故の日から魂が抜けてしまったような母親との、いさかいの毎日に心を傷つけている少年の日常から始まる。
そんな中で少年の心を癒すのはあの日のままの、父の部屋に入って身につけていた父の匂いを嗅ぐことだった。
少年には誰にも打ち明けられない秘密があった。
テロの当日にWTCセンタービルから、自分にかかってきた父からの電話。
その最期のメッセージが入った留守番電話を母親にも聞かせずに、同じ機種を買って入れ替えて自分の部屋に隠している。
この、メッセージもラストへの重要な伏線となっている。
寝付かれない夜に父の部屋に入った少年は、はずみで父の遺品の衣装ケースから青い花瓶を落として割ってしまう。
粉々になった花瓶の中からblackと記された小さな紙袋に入った一本の鍵を見つけた。
この鍵に合う鍵穴を見つけることで、父と別れる前日まで二人で探していたちいさな探検を完結させることができるかもしれないと思った。
少年は「とても利口だが不器用」とカウンセラーから診断される心理的な弱さがあって、電車やエレベーターに乗れない。
初めて会う人とも意思の疎通がうまくとれない。
騒音や赤ん坊の泣き叫ぶ声にパニクってしまう。
きしむ鉄橋やブランコが苦手で心の動揺をうち消すため、タンバリンを鳴らしながら歩いている。
そんな少年が電話帳から探した数百人も居るマンハッタン地区のblackという人物らしい人を探しだして、
鍵の意味を打ち明けた人々のポートレートをEXAで撮ってファイリングしていく毎日がはじまった。
いままで出会ったことの無い人々から様々な影響を受けながら、驚きの奇跡の出会いへと物語はつながっていく。
このラストはとても素晴らしい演出で日本映画なら、ただのお涙ちょうだいの感動物語なのだろうが、僕などは感動で泣くのを通りこして、慟哭を抑えるので精一杯だった。
いつもセクシーで快活な役が多いサンドラ・ブロックが魂の抜けた母親役を好演。
少年役のトーマス・ホーンは硝子の心を持つ少年を、天才的ともいえる演技でトム・ハンクスをも圧倒していた。
また少年と鍵穴を見つける探検に同行する失語症の老人役のマックス・フォン・シドーも素晴らしかった。
両手に描いたYESとNOで少年と会話をするのだけれど、傷ついたもの同士には言葉は必要ないのかもしれない。
9.11をテーマにした映画は過去にもあったが、3.11を経験して未だ立ち直れないでいる最愛の人を亡くした多くの日本人の方にも見て欲しいと願う。
それはとても悲しい現実だけれど、ラストは心を揺さぶる素晴らしい映画で、大作主義のハリウッドがこんな映画を企画製作できることに敬意すら感じた。
人は誰もが鍵を持って生きている。
その鍵に合う鍵穴を探しながら。
でも大概の人はあきらめて、いつしかその事を忘れてしまう。
この映画を観る前と後では生き方さえ変わってくる。
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以前からずっと気になっていたノリタ66という1960年代頃から1970年代頃に約5000台ほど造られたブローニフィルムを使う中判カメラを手に入れた。
開発者は乗田氏という方で、そのまま名字を英語読みの製品名にしている。
ノリタ66にはTTLファインダー付きやOEMの何種類かがあって、僕のはGRAFREX NORITAと冠された輸出用だった。
もちろん一般のカメラ店では並ぶはずもない骨董品だが、超広角から超望遠までのシステムを揃えていて、そのレンズ評価は日本より海外で高い。
そのうちの広角レンズなどは東京の早田カメラのブログでも高評価がされているレンズだ。
中判でF2の明るさを持つ物はハッセルの100mmと645のコンタックスくらいか?
僕のは落札したあとから判ったのだが、角部分の真鍮鍍金が靴墨?で隠されていて、シャターも1/250秒しか動作せず、それもたまに開きっぱなしになるジャンク品に近いものだった。
まあ値段も安かったけれど、それでも肝心のレンズはクリーニング済みとの説明どおり綺麗だったので、クレームをつけずに手に入れた。
さて、はたしてこんなカメラを修理してくれるカメラ屋さんがいるのだろうか?
ネットで検索をかけまくって、拾えたのが熊本にある「
光学工房 ひさなが光機」というリペア店だった。
そういえば帝塚山のギャラリー・ライムライトのオーナーがローライの修理はひさなが光機さんに頼んでいると、聞いた記憶があった。
修理期間は1.5ヶ月ほどかかったが、たいへん良心的な価格で(ファインダーが少し暗かったので、サードパーティ製での交換をお願いしたのだが、
作業は可能だがオリジナルのほうが良いとのアドバイスをもらって、このリペアマンのカメラに対する良心をとても感じた)仕事も完璧だった。
レンズは噂にたがわず開放からたいへんシャープで立体感のある描写をする。
コーティングはモノコートのようでファインダーを覗くとF2が本当なの?というくらいパンフォーカス気味で接写でも背景はあまりボケて見えない。
はじめはレンズの中身を交換されて売りつけられたのでは?と疑ったくらいだ(笑)。
でも現像をしてみみると開放F2はまさしくで、僕の好きな描写で一安心。
今夜はテキストを書きすぎて画像のスキャンが間に合わなくなったが、またつづきを更新します。